トヨタ自動車の決算報告を見ると、堅調な業績が伺えます。自動車事業を中心に全体的に売上や利益が大幅に増加しており、特に北米、欧州、アジアなどの海外市場での好調な需要に支えられていることがわかります。また、コスト削減や為替変動の好影響などにより、営業利益率も大幅に改善しています。四半期連結貸借対照表を見ると、資産、負債、純資産のバランスも良好で、財務体質も強化されています。ROA、ROEも上昇傾向にあり、積極的な投資と効率的な経営が功を奏しているようです。そのような中で、株主還元も底堅く実施されており、投資家にとっても魅力的な企業といえます。今後も持続的な成長が期待できるトヨタ自動車の決算は、注目に値するものといえるでしょう。
企業情報
企業名: トヨタ自動車株式会社
証券コード: 7203
決算期: 2024年3月期
トヨタ自動車株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
トヨタ自動車の決算日は3月31日です。3月期の決算を行っており、四半期決算も実施しています。第3四半期は12月31日が決算期末となります。
主な事業
トヨタ自動車は、自動車事業を中心に、金融事業およびその他の事業を展開しています。自動車事業では、セダン、ミニバン、SUVなどの完成車の製造・販売のほか、部品の生産・販売も手がけています。一方、金融事業では、主に自動車の販売を支援する金融サービスやリース事業を行っています。こうした事業を通じて、世界中のお客様に製品やサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高34兆227億円、営業利益4兆2,402億円と前年同期比で大幅な増収増益となりました。自動車事業を中心に、全体的な販売台数の増加や原価改善、為替変動の好影響などにより、営業利益率12.5%と高水準を維持しています。この結果、税引前四半期利益も5兆3,570億円と大きく伸びています。
売上・利益の推移
トヨタ自動車の売上高は、2022年3月期37兆1,542億円から当第3四半期連結累計期間では34兆227億円と一時的に減少しましたが、前年同期から6兆5,586億円増加しています。一方、利益面では、営業利益が前年同期の2兆804億円から4兆2,402億円に大きく伸長し、経常利益、当期純利益も大幅に増加しています。この背景にはグローバルでの販売好調や原価改善、為替変動の影響などが挙げられます。
四半期連結貸借対照表について
トヨタ自動車の当第3四半期連結会計期末の総資産は84兆2,321億円と、前期末比9兆9,289億円の大幅な増加となっています。この主な要因は、金融事業に係る債権の増加によるものです。一方、負債は50兆7,081億円、純資産は33兆5,239億円と、いずれも増加しており、自己資本比率も38.7%と良好な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、金融事業に係る債権が大幅に増加し、19兆1,240億円となっています。また、現金及び現金同等物も7兆5,831億円と前期末より661億円増加しています。一方、棚卸資産は4兆2,941億円と前期末より約38億円増加しています。
負債の部
負債の部では、有利子負債が大幅に増加しており、長期借入金は22兆818億円となっています。また、営業債務及びその他の債務も4兆9,093億円と前期末より約77億円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が31兆7,267億円と前期末比3兆3,394億円増加しています。一方、その他の資本の構成要素は3兆8,710億円と前期末比1兆3,487億円の増加となっています。自己資本比率は38.7%と良好な水準を維持しています。
ROAとROE
トヨタ自動車のROA(総資産経常利益率)は直近の2023年3月期で4.9%でしたが、当第3四半期連結累計期間では6.3%と大幅に改善しています。これは、経常利益が大幅に増加したことが主因です。また、ROE(自己資本利益率)も2023年3月期の4.9%から12.1%へと大きく上昇しています。これは当期純利益の増加に加え、自己資本が着実に積み上がっていることによります。トヨタ自動車は安定的な収益性と財務体質の強化に努めており、投資効率も高まってきていると評価できます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業CF2兆7,861億円の増加、投資CF4兆2,301億円の減少、財務CF1兆6,344億円の増加となっています。営業CFの増加は、主に税引前四半期利益の増加によるものです。一方、投資CFの減少は、主に賃貸資産の取得によるものです。財務CFの増加は、主に長期有利子負債の増加によるものです。この結果、現金及び現金同等物は前期末比661億円増加の7兆5,831億円となりました。
配当の支払額
トヨタ自動車は、株主への利益還元を重視しており、当第3四半期連結累計期間においても継続して配当を実施しています。2023年5月の期末配当では1株当たり35円、2023年11月の中間配当では1株当たり30円を支払っており、2024年3月期の年間配当は1株当たり65円を見込んでいます。これは前期の年間配当54円から増加しており、増配傾向にあると言えるでしょう。
今後の展望
トヨタ自動車は、電動化やAI、自動運転など、次世代技術への投資を積極的に行っており、中長期的な成長が期待されます。特に、EV車の販売拡大や、自動運転技術の向上など、環境対応と先進技術への取り組みが注目されています。また、グローバルでの販売力の強化や、生産性の向上にも努めており、持続的な収益力の向上が見込まれます。こうした成長戦略とともに、株主還元の拡充にも期待が高まっています。今後も市場の注目を集め続けるトヨタ自動車の動向に期待が高まっています。
編集部のまとめ
トヨタ自動車の決算報告を見ると、堅調な業績と健全な財務体質が確認できます。自動車事業を中心に、販売台数の増加や生産性の向上、為替変動の好影響などにより、売上高、営業利益ともに大幅な増加となっています。また、財務面でも有利子負債の増加や、株主資本の積み上がりにより、自己資本比率も良好を維持しています。さらに、着実な株主還元の実施も評価できるでしょう。今後も電動化や自動運転など次世代技術への投資を進めながら、グローバルでの競争力強化にも取り組むトヨタ自動車は、持続的な成長が期待できる企業といえます。
トヨタ自動車株式会社の決算日や配当についてまとめました。
トヨタ自動車の決算日は3月31日で、3月期の決算を行っています。第3四半期の決算は12月31日が期末となります。また、同社は株主への利益還元を重視しており、当期の年間配当は1株当たり65円と、前期から増配となる見通しです。今後も着実な業績拡大と株主還元の充実が期待されるトヨタ自動車の決算は、投資家の注目を集める銘柄の1つといえるでしょう。