トピー工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は鉄鋼や自動車・産業機械部品など、幅広い事業を展開する老舗メーカーです。この四半期の売上高は前年同期比3.0%増の256,285百万円と増収となり、経常利益も9,696百万円(前年同期比55.0%増)と大幅な増益を果たしました。
企業情報
企業名: トピー工業株式会社
証券コード: 6310
決算期: 3月
トピー工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
トピー工業の決算日は3月31日です。通常の日本企業と同様に、4月から3月までの1年間を会計年度としています。第3四半期決算は12月31日が期末となります。
主な事業
トピー工業は、鉄鋼、自動車・産業機械部品、発電、賃貸の4つのセグメントで事業を展開しています。鉄鋼事業では、鋼材の製造・販売、自動車・産業機械部品事業では、自動車用アルミホイールなどの製造・販売、発電事業では火力発電所の運営を行っています。また、グループ会社の不動産事業なども手掛けており、幅広い事業ポートフォリオを持つ総合メーカーです。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、国内自動車生産の回復傾向を受けて自動車・産業機械部品セグメントの売上が増加したほか、適正価格の販売を進めたことで鉄鋼セグメントの収益力も高まりました。これらの要因から、営業利益は8,969百万円と前年同期比67.5%の大幅な増益となりました。また、経常利益は9,696百万円と55.0%増益を達成しています。
売上・利益の推移
トピー工業の売上高は、第3四半期累計で256,285百万円となり、前年同期比3.0%の増収となりました。利益面では、親会社株主に帰属する四半期純利益が4,286百万円と8.1%の減益となったものの、営業利益と経常利益は大幅な増益となっています。コスト管理の強化や販売価格の適正化などが奏功し、収益性が改善されている状況が見てとれます。
四半期連結貸借対照表について
トピー工業の財務状況をみると、当第3四半期末の総資産は309,744百万円と前期末比17,421百万円の増加となりました。自己資本は132,192百万円で、自己資本比率は42.2%となっています。
資産の部
資産の部では、受取手形・売掛金や投資有価証券が増加しています。キャッシュも3,346百万円増加し、財務基盤は強化されています。
負債の部
負債の部では、電子記録債務の増加や1年内償還予定の社債の増加がありましたが、長期借入金の減少もあり、負債合計は177,551百万円と前期末比6,654百万円の増加にとどまっています。
純資産の部
純資産は、その他有価証券評価差額金の増加や為替換算調整勘定の改善などにより、132,192百万円まで増加しました。自己資本比率も42.2%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
トピー工業のROA(総資産利益率)は前期末の4.4%から4.9%に上昇しています。また、ROE(自己資本利益率)も前期末の7.4%から7.6%に改善しました。これは、収益性の向上と資本効率の改善が進んでいることを示しています。今後もこの水準を維持できるよう、事業ポートフォリオの最適化や生産性の向上に注力していくことが期待されます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは17,548百万円のプラスと好調です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス5,125百万円となりました。財務活動では借入金の返済など資金の流出があり、結果として現金及び現金同等物は3,346百万円増加しています。手元流動性は十分な水準を維持できています。
配当の支払額
トピー工業は、第2四半期末と期末の年2回、配当を行っています。当期第3四半期では、1株当たり30円の配当が実施されました。前年同期比では10円増配となっています。収益力の向上に伴い、株主還元も強化されている状況です。
今後の展望
トピー工業は、中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2025」に基づき、セグメント経営の推進、海外収益力の強化、国内事業基盤の強化、脱炭素化への貢献を重点課題に取り組んでいきます。自動車関連事業の回復に加え、戦略的な事業ポートフォリオの最適化を進めることで、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
トピー工業の2023年12月期第3四半期決算は、国内自動車生産の回復を受けて収益性が大幅に改善しました。鉄鋼や自動車部品などの主力事業が好調に推移し、全体として売上高は256,285百万円、経常利益は9,696百万円と大幅な増収増益を実現しています。財務基盤の強化と収益性の向上により、株主還元の拡充にも寄与しており、今後の成長が期待できる決算内容といえるでしょう。
トピー工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
トピー工業の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日が期末となります。配当は年2回の実施で、当期第3四半期では1株当たり30円の配当が行われました。今後も収益力の維持と株主還元の強化に期待が高まっています。