株式会社ティラドの決算報告書を分析した結果、同社は好調な業績を維持していることがわかりました。売上高は前年同期比5.0%増加し、営業利益は前年同期比大幅増益となりました。資産や負債の面でも健全な経営状態を保っていることが確認できます。今後も自動車関連事業を中心に力強い成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社ティラド
証券コード: 72360
決算期: 2023年3月期
株式会社ティラドの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ティラドの決算日は3月31日です。四半期報告書は、第1四半期(4月~6月)、第2四半期(7月~9月)、第3四半期(10月~12月)、第4四半期(1月~3月)と年4回の公表となります。
主な事業
株式会社ティラドは、自動車用熱交換器、建設機械用熱交換器、空調機器用熱交換器などの製造・販売を手掛ける企業です。国内外に多数の生産拠点を有しており、特に自動車用熱交換器の分野では世界的な競争力を持っています。同社の主力事業は自動車関連ですが、建設機械やエアコンといった周辺分野にも事業を広げています。
今期の業績と利益率は?
株式会社ティラドの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が122,135百万円と前年同期比5.0%増加、営業利益が3,159百万円と前年同期比大幅増益(368.0%増)となりました。これにより、営業利益率は2.6%と改善しています。自動車関連事業の回復などが業績好転の主な要因です。
売上・利益の推移
株式会社ティラドの過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2022年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売上高が大きく減少しましたが、2023年3月期は売上高が149,413百万円、営業利益が2,083百万円と回復傾向にあります。当第3四半期連結累計期間の業績も好調で、今期も増収増益が期待できます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社ティラドの四半期連結貸借対照表を見ると、財務体質は健全に推移しています。
資産の部
流動資産は、主に現金及び預金の増加により、前期末比5,079百万円増加の63,217百万円となりました。固定資産も、有形固定資産の増加などから、前期末比434百万円増加の36,394百万円となっています。
負債の部
負債合計は、買掛金及び電子記録債務の増加などから、前期末比2,516百万円増加の52,763百万円となりました。有利子負債は前期末比362百万円減少しており、健全な財務状況を維持しています。
純資産の部
純資産合計は、利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加などから、前期末比2,997百万円増加の46,848百万円となりました。自己資本比率は45.5%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社ティラドのROA(総資産経常利益率)は、前期の4.7%から当第3四半期連結累計期間は3.5%となりました。ROE(自己資本当期純利益率)も、前期の△3.8%から当第3四半期連結累計期間は2.9%と改善しています。これは、売上高と利益の増加により、資産効率と自己資本利益率が高まったためです。今後も収益力の強化により、両指標の向上が期待できます。
キャッシュフロー
株式会社ティラドのキャッシュ・フローは好調に推移しています。営業活動によるキャッシュ・フローは10,288百万円の収入と大幅な増加となり、投資活動によるキャッシュ・フローも5,440百万円の支出にとどまりました。この結果、フリー・キャッシュ・フローは4,847百万円のプラスとなりました。手元流動性の確保と設備投資資金の確保に問題はなさそうです。
配当の支払額
株式会社ティラドは、株主還元の一環として配当を実施しています。当第3四半期連結累計期間では、中間配当として1株当たり80円の配当を実施しました。前期実績の1株当たり160円に比べると減少していますが、業績の回復に伴い、年間の配当金額は増加する可能性があります。
今後の展望
株式会社ティラドは、自動車関連事業の回復と新規受注の伸びにより、今後も増収増益が期待できます。中国市場の低迷が懸念材料ですが、その他の地域での好調な受注動向を背景に、通期の業績は堅調に推移すると考えられます。加えて、省エネ製品の開発など、環境対応への取り組みにも注目が集まっています。今後の更なる成長が期待できる企業です。
編集部のまとめ
株式会社ティラドの決算報告書から、同社が自動車関連事業を中心に好調な業績を維持していることが確認できました。売上高、営業利益ともに前年同期を大きく上回り、財務体質も健全に推移しています。今後も新規受注の増加や中国市場の回復が期待されることから、同社の業績は引き続き堅調に推移すると考えられます。株主還元面でも、配当の維持・増加が期待できそうです。
株式会社ティラドの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ティラドの決算日は3月31日で、四半期報告書を年4回公表しています。当期の業績は好調で、売上高は前年同期比5.0%増、営業利益は前年同期比大幅増益(368.0%増)となりました。また、当第3四半期連結累計期間では1株当たり80円の中間配当を実施しており、今後も株主還元の強化が期待できます。引き続き、同社の業績と株主還元に注目していきたいと思います。