株式会社アイシンの決算報告を確認したところ、自動車部品やエナジーソリューション関連機器の製造・販売を主な事業としているこの企業の業績は順調に推移していることが分かりました。特に海外事業の好調さが目立ち、過去最高の売上収益3兆7,287億円を達成した一方で、品質関連費用の計上があったものの営業利益937億円と大幅増益となりました。今後も電動ユニット需要の増加などにより高収益が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社アイシン
証券コード: 72590
決算期: 2023年3月期
株式会社アイシンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社アイシンの決算日は3月31日で、年に1回の決算を行っています。また、第3四半期決算を2023年12月31日に締め切っています。
主な事業
株式会社アイシンは、自動車部品の製造・販売が主な事業です。具体的には、パワートレイン、シャシー、ボディ、情報電装などの自動車部品を世界各地の主要自動車メーカー向けに供給しています。また、近年では自動車用のエナジーソリューション関連機器の製造・販売にも注力しています。国内外の生産拠点を持ち、グローバル展開を推進しています。
今期の業績と利益率は?
株式会社アイシンの当第3四半期連結累計期間の業績は好調で、売上収益3兆7,287億円と前年同期に比べ16.1%増加しました。利益面でも、営業利益937億円、税引前四半期利益1,055億円と大幅な増益となりました。特に海外事業の伸びが目立ち、中国や北米での売上が大きく増加しています。部品供給の改善や円安の影響もあり、全体として高い収益性を維持できています。
売上・利益の推移
株式会社アイシンの売上収益は、2022年3月期4兆4,028億円から、当第3四半期連結累計期間では3兆7,287億円と増加傾向にあります。一方で、営業利益は2022年3月期270億円から当第3四半期には937億円と大幅に改善されており、経営効率の向上が進んでいると言えます。特に、電動ユニットの販売増加などが収益力の向上に貢献しています。
四半期連結貸借対照表について
株式会社アイシンの当第3四半期連結会計期間末の資産は4兆2,606億円となり、前連結会計年度末から3.0%増加しました。一方、負債は2兆931億円と2.4%減少しています。純資産は2兆1,675億円と前期末から8.8%増加しており、健全な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が4,897億円と前期末から54.1%増加しています。一方で、営業債権及びその他の債権は6,700億円と減少しました。固定資産も堅調に推移しています。
負債の部
負債の部では、短期及び長期の借入金が7,210億円と減少しています。一方で、未払法人所得税等が増加したことなどから、全体として負債は減少傾向にあります。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が1兆5,121億円と増加しました。また、その他の包括利益累計額も大幅に増加しています。これらにより、親会社所有者帰属持分比率は44.9%と健全な水準が維持されています。
ROAとROE
株式会社アイシンのROA(総資産利益率)は前期から0.8ポイント改善して2.5%となり、ROE(自己資本利益率)も前期から2.6ポイント上昇して4.2%となっています。これは売上高と利益の両面で改善が進んだことによるものです。今後も電動化需要の高まりなどを取り込み、収益性の向上が期待されます。
キャッシュフロー
株式会社アイシンの当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,084億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが384億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが2,058億円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物は4,897億円と前期末から大幅に増加しています。営業活動の収支改善が進んでいることが特徴です。
配当の支払額
株式会社アイシンの当期の配当金は、中間配当が1株当たり80円、期末配当は未定となっています。前期の年間配当は1株当たり170円でしたので、現時点では増配を見込んでいると言えるでしょう。今後も安定的な配当政策が期待できそうです。
今後の展望
株式会社アイシンは、自動車の電動化やグローバル生産体制の最適化などに注力し、さらなる収益力の向上を目指しています。特に、電動ユニットの販売拡大が業績に貢献する見込みです。また、品質改善や生産性向上などの企業体質強化にも継続的に取り組んでいきます。今後も自動車業界のニーズに合った製品開発とグローバル事業基盤の拡大により、持続的な成長が期待できると考えられます。
編集部のまとめ
株式会社アイシンの当第3四半期決算は非常に良好でした。売上高、営業利益ともに大幅増加し、過去最高益を更新しました。特に海外事業の好調さが目立ち、中国や北米での販売拡大が収益力向上に貢献しています。今後も電動化需要の取り込みや生産性改善効果などにより、持続的な成長が期待できそうです。配当も増配基調で株主還元も充実しており、今後の株価上昇にも期待がかかります。
株式会社アイシンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社アイシンの決算日は3月31日で、年に1回の決算を行っています。また、第3四半期決算を2023年12月31日に締め切りました。配当は中間配当が1株当たり80円、期末配当は未定となっています。前期の年間配当は1株当たり170円でしたので、今後も増配が期待できそうです。