ヤマハ発動機株式会社の2024年第1四半期決算報告書が公開されました。同社は、世界各国で二輪車、船外機、電動モビリティなどの製造・販売を行う総合モビリティ企業です。直近の決算では、売上収益6,421億円、営業利益780億円と、前年同期と比べそれぞれ5.9%、2.7%の増収増益となりました。
企業情報
企業名: ヤマハ発動機株式会社
証券コード: 72720
決算期: 12月期
ヤマハ発動機株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ヤマハ発動機は12月期決算を採用しており、第1四半期の決算は例年3月末日頃に発表されます。今回は2024年5月14日に2024年3月期第1四半期の決算が公表されました。
主な事業
ヤマハ発動機は、二輪車、船外機、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル(ROV)、電動アシスト自転車などのモビリティ製品を中心に事業を展開しています。また、ロボティクス事業やマリン事業、金融サービス事業にも注力しています。これらの製品・サービスを世界各国で提供し、グローバルなモビリティ企業として事業を拡大しています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期は、売上収益6,421億円、営業利益780億円と前年同期比でそれぞれ5.9%、2.7%の増収増益となりました。利益率は前年同期より0.6ポイント低下し12.1%となりましたが、依然として高水準を維持しています。主力の二輪車事業が好調に推移したことなどが増収増益に寄与しました。
売上・利益の推移
ヤマハ発動機の売上高は近年堅調に推移しています。2023年通期では2兆4,147億円の売上を計上しました。利益面では、営業利益2,439億円、当期純利益1,728億円と、過去最高益を更新しました。2024年第1四半期においても、引き続き増収増益基調が続いています。
四半期連結貸借対照表について
ヤマハ発動機の2024年3月末の総資産は2兆7,997億円と、前期末比2,362億円増加しました。流動資産が1,792億円増加、非流動資産も570億円増加しています。一方、負債合計は1,764億円増加の1兆6,056億円、資本合計は598億円増加の1兆1,941億円となりました。
資産の部
流動資産では販売金融債権や営業債権及びその他の債権が増加し、非流動資産では販売金融債権や固定資産が増加しています。これらの増加が総資産の増加につながりました。
負債の部
負債の増加は主に社債及び借入金の増加によるものです。金融サービス事業の拡大に伴い、資金調達が増加したことが背景にあります。
純資産の部
純資産の増加は、四半期利益607億円の計上やその他の包括利益420億円の計上などによるものです。一方で、配当金の支払240億円、自己株式の取得100億円があったことも影響しています。
ROAとROE
ヤマハ発動機のROA(総資産利益率)は前期末の4.2%から当第1四半期末には3.7%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前期末の14.7%から当第1四半期末には12.1%となっています。これは利益水準が上昇する一方で、資産規模と自己資本が増加したことによるものと考えられます。ROAとROEは依然として高い水準にあると言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが120億円のマイナス、投資活動によるキャッシュ・フローが321億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが562億円のプラスとなりました。フリー・キャッシュ・フロー(営業CF+投資CF)は441億円のマイナスとなりました。これは販売金融債権の増加などによるものです。
配当の支払額
ヤマハ発動機は2024年3月に1株当たり72.5円(株式分割後換算23.75円)の期末配当を実施しました。前年同期の配当金が67.5円(同22.5円)だったことから、配当金は増加しています。配当性向は前期の41.4%から38.4%に低下しています。
今後の展望
ヤマハ発動機は、二輪車、マリン、ロボティクス、金融サービスなどの事業領域において、カーボンニュートラル化への取り組みや新技術の開発、販路拡大などに注力していく方針です。特に、電動化やクルマとバイクの融合などモビリティ領域の変革に対応したビジネスモデルの構築に力を入れていきます。今後も持続的な成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
ヤマハ発動機は、自社の中核事業である二輪車事業を中心に引き続き好調な業績を維持しています。加えて、マリン事業やロボティクス事業、金融サービス事業でも収益力を高めており、グループ全体としての収益基盤が強化されています。今後の電動化やカーボンニュートラル化への対応など、モビリティ業界の変革にも積極的に取り組んでいく方針で、持続的な成長が期待できる企業と言えます。
ヤマハ発動機株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ヤマハ発動機は12月期決算を採用しており、第1四半期の決算は例年3月末頃に発表されます。今回の第1四半期決算では、売上収益6,421億円、営業利益780億円と、前年同期比で増収増益となりました。またその他の指標も健全な水準を維持しています。配当金は前期から増加し、1株当たり72.5円(株式分割後23.75円)の期末配当を実施しました。同社は今後も持続的な成長を目指していくことが期待されます。