株式会社ハイレックスコーポレーションの2024年1月期第1四半期決算報告がリリースされました。自動車部品の製造・販売を手がける同社は、中国や欧州での生産・販売が好調に推移し、売上高が前年同期比8.4%増加しました。海外需要の堅調さと為替変動による収益力の向上を背景に、経常利益は11億88百万円と前年同期の経常損失から大幅に改善しています。
企業情報
企業名: 株式会社ハイレックスコーポレーション
証券コード: E02204
決算期: 10月31日
株式会社ハイレックスコーポレーションの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ハイレックスコーポレーションの決算期は10月31日です。そのため、第1四半期は2023年11月1日から2024年1月31日までの期間となります。
主な事業
株式会社ハイレックスコーポレーションは、自動車用制御ケーブルやドアモジュールなどを製造・販売しています。主要な顧客は国内外の自動車メーカーで、グローバルに事業展開しています。自動車部品の製造を通じて、先進的な技術の開発にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の売上高は783億68百万円と前年同期比8.4%増加しました。主に欧州や中国での販売好調に加え、為替変動による増収効果もあったことが要因です。一方で利益面では、原価低減や生産性向上などの施策を実施したものの、北米での売上減速や人件費増加の影響もあり、営業利益は2億8百万円と伸び悩みました。
売上・利益の推移
過去1年間の売上高推移をみると、298,623百万円から783億68百万円と大幅な増加となっています。一方で利益面では、前年同期の経常損失から一転して当期は経常利益11億88百万円と大幅な改善が見られます。海外需要の回復と為替変動の影響によって収益力が向上してきている模様です。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の総資産は2,823億40百万円と、前期末比13億45百万円の増加となっています。資産の部では投資有価証券が58億98百万円、現金及び預金が8億12百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が38億48百万円減少しています。負債の部では繰延税金負債が21億75百万円増加しましたが、流動負債のその他が9億41百万円減少しています。純資産は4千6百万円減少の1,911億33百万円となっています。
資産の部
総資産は前期末比1.3%増加しましたが、この増加の背景には投資有価証券の増加など、手許資金の蓄積が進んでいる様子がうかがえます。一方で、受取手形及び売掛金が減少しており、売上の回収が進んだことが窺えます。
負債の部
流動負債はほぼ横ばいですが、固定負債の繰延税金負債が21億75百万円増加しています。これは主に為替変動に伴う影響と考えられます。総じて負債は管理されており、安定した財務体質を維持できている模様です。
純資産の部
純資産は微減となっていますが、自己資本比率は前期末の62.4%から62.1%と高水準を維持しています。健全な財務基盤を背景に、今後の事業展開に期待が持てそうです。
ROAとROE
前期のROAは1.9%、ROEは△1.6%でしたが、当第1四半期では未開示のため直近の数値は確認できません。しかし、収益性が改善傾向にあるため、今後ROA、ROEともに上昇していくことが期待されます。業績回復に伴い、株主価値の向上にもつながることが期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、前期の状況を見ると営業CF、投資CF、財務CFの各部門でプラスの数値を確保しており、財務基盤は安定しています。当第1四半期も同様の傾向が続いているものと推察されます。今後もこうしたキャッシュの好循環を維持していけば、事業拡大や株主還元にも活用できるでしょう。
配当の支払額
当第1四半期の配当は、前年同期と同額の17円/株が支払われています。期末配当の金額は未定ですが、これまでの傾向から見れば、当期も安定的な配当が期待できそうです。株主還元に積極的な会社といえるでしょう。
今後の展望
今後の事業環境については、欧州や中国における自動車需要の動向や、部材供給の制約緩和による生産回復などが鍵を握ると考えられます。一方で、金利上昇やインフレ懸念など、経営環境の不確定要素もあります。そのため、引き続き収益性の改善に向けた取り組みを推進するとともに、海外市場の開拓など、事業基盤の強化に努めていくことが重要だと思われます。
編集部のまとめ
株式会社ハイレックスコーポレーションの2024年1月期第1四半期決算は、海外を中心とした販売好調により増収となり、経常利益も大幅に改善しました。部材供給の制約緩和による生産回復や為替変動による収益力向上が奏功しています。一方で、人件費増加などのコスト上昇も課題です。今後は、こうした収益性改善に向けた取り組みを継続するとともに、不確定要素への対応も重要になってくるでしょう。安定配当も魅力の1つと言えます。
株式会社ハイレックスコーポレーションの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算期は10月31日で、第1四半期の決算期間は2023年11月1日から2024年1月31日までとなります。配当は前年同様17円/株と安定的に推移しています。今後も健全な財務体質を維持しつつ、中長期的な成長に向けた取り組みに期待が高まります。