株式会社エフ・シー・シーの最新の決算報告を分析しました!自動車部品大手の同社は、海外需要の増加や円安効果により、売上高が大幅に増加しました。利益率も改善しており、経営管理の効率化が進んでいることが分かります。今後も世界的なEV化の流れに対応して新事業分野にも展開していくと、さらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社エフ・シー・シー
証券コード: 7296
決算期: 3月期
株式会社エフ・シー・シーの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社エフ・シー・シーは3月決算で、毎年5月に期末決算、11月に中間決算を発表しています。2023年度の第3四半期決算(2023年12月期)は2024年2月14日に発表されました。
主な事業
株式会社エフ・シー・シーは、オートバイ、スクーター、四輪車用のクラッチ製造を主力事業としています。近年は、EV/CASE領域での新事業開発にも力を入れており、二輪事業、四輪事業、非モビリティ事業の3つの柱で事業を展開しています。世界各国の自動車メーカーに製品を供給しており、グローバルな事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は1,775億円と前年同期比9.3%増加、営業利益は119億円と前年同期比73.6%増加しました。海外需要の拡大や円安効果が寄与し、収益性も大きく改善されました。EV化に向けた新技術開発にも注力しており、将来の収益力向上が期待されます。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比9.3%増加、営業利益は同73.6%増加しました。インドネシアやインド、米国での販売が増加したことが主な要因です。原材料価格高騰の影響もあったものの、全体としては増収増益となりました。今後もEV化対応等で新しい収益源の開拓が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
流動資産は前期末比17,433百万円増加の149,622百万円、非流動資産は同176百万円減少の78,260百万円となりました。一方、流動負債は同3,303百万円増加の41,605百万円、非流動負債は同515百万円増加の10,714百万円となっています。株主資本は前期末比13,438百万円増加の175,562百万円と健全な財務状況を維持しています。
資産の部
現金・預金が大幅に増加したことで流動資産が増加しています。有形固定資産や無形資産は減少傾向にあるものの、全体としての資産水準は高い状態が続いています。新事業分野への投資も積極的に行われています。
負債の部
借入金は変わらず、賞与引当金の増加等により流動負債が増加しました。負債の水準は全体として低位安定しており、健全な財務体質を維持しています。
純資産の部
利益剰余金が7,300百万円増加し、その他の包括利益により13,400百万円増加するなど、株主資本が大幅に改善されました。自己資本比率も76.5%と高水準を維持しており、強固な財務基盤を築いています。
ROAとROE
ROAは前年同期比2.6ポイント改善の6.6%、ROEは同2.7ポイント改善の6.3%となりました。収益力の向上により、資本効率も大幅に上昇しています。今後も新事業分野での成長が期待されるため、さらなる収益力の向上が見込まれます。
キャッシュフロー
営業キャッシュフローは264億円の収入超過、投資キャッシュフローは59億円の支出超過、財務キャッシュフローは46億円の支出超過となりました。全体としてキャッシュ水準は大幅に改善されています。自己株式の取得や配当支払いを行いつつも、手元流動性は十分に確保できる水準となっています。
配当の支払額
2023年度の中間配当は1株当たり30円の支払いを行いました。配当性向は30%前後を維持しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。内部留保の確保と株主還元のバランスが取れた方針と言えるでしょう。
今後の展望
EV化の進展に伴う新技術への投資や、新興国における二輪事業の売上拡大が期待されます。従来のクラッチ事業の収益力向上に加え、新規事業の開発による成長も見込まれることから、今後も収益力の強化が期待できると考えられます。株主還元強化や株主価値の向上にも積極的に取り組む方針が示されています。
編集部のまとめ
株式会社エフ・シー・シーの2023年度第3四半期決算は、増収増益となりました。売上高は前年同期比9.3%増の1,775億円、営業利益は同73.6%増の119億円と大幅な業績改善が確認できます。国内外の需要増加や為替変動の影響を受けて収益力が向上したほか、新事業分野への投資も積極的に行われています。今後もEV化への対応や新興国市場の開拓により、さらなる成長が期待されます。
株式会社エフ・シー・シーの決算日や配当についてまとめました。
株式会社エフ・シー・シーは3月決算の企業で、通期決算は毎年5月に、中間決算は11月に発表されています。直近の第3四半期決算は2024年2月14日に発表されました。また、配当は1株当たり30円と、配当性向も30%前後で安定的な株主還元を行っています。今後の成長に期待が高まる同社の株式は注目に値します。