この度、株式会社おきなわフィナンシャルグループの決算報告が公開されました。沖縄県を拠点とする総合金融グループである同社は、経済回復の中で安定成長を遂げつつあります。堅調な業績と健全な財務体質が印象的な今回の決算をご紹介します。
企業情報
企業名: 株式会社おきなわフィナンシャルグループ
証券コード: 73500
決算期: 3月期
株式会社おきなわフィナンシャルグループの決算日・決算時期(スケジュール)は?
決算日は3月31日で、通期決算の発表は6月下旬、第2四半期決算の発表は11月中旬となっています。業績の推移を適時にチェックできる好スケジュールです。
主な事業
株式会社おきなわフィナンシャルグループは、銀行業や信託業、リース業などを展開する総合金融グループです。沖縄県内を中心に事業を行い、地域に密着した金融サービスを提供することが強みです。預金や貸出、決済サービスなどの銀行業務に加え、不動産や事業承継などのコンサルティング機能を備え、幅広いニーズに対応しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、経常収益が406億55百万円と前年同期比12.8%増加しました。一方で経常費用も338億43百万円と増加したため、経常利益は68億12百万円と12.3%減少しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は46億35百万円となりました。利益率は低下したものの、引き続き高水準の収益力を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、経常収益はほぼ横ばいで推移しています。一方で経常利益は2021年3月期の86億円から2023年3月期は79億円と減少傾向にあります。これは、基幹システム更改に伴う費用増加や与信費用の増加などが影響したためです。今後は収益力の改善に向けて、業務効率化やリスク管理強化に取り組む必要があるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は2兆9,071億95百万円となっています。前連結会計年度末から約303億円増加しています。
資産の部
資産の部では、預金が2兆6,348億円と前連結会計年度末比948億円増加しており、堅調な預金流入が確認できます。一方で有価証券は4,735億円と20億円減少しています。貸出金は1兆8,022億円と177億円の増加となっています。
負債の部
負債の部では、預金が2兆6,234億円と前連結会計年度末比948億円増加しています。一方で借用金は84,309百万円と大幅に減少しています。
純資産の部
純資産の部では、純資産額が1,521億23百万円と前連結会計年度末比54億円減少しています。自己資本比率は52.41%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期の0.20%から当期0.16%と低下しています。一方でROEは前期の5.23%から当期5.21%とほぼ横ばいです。収益性は若干低下しているものの、健全な財務体質が維持されています。今後は収益力の向上に取り組み、ROA、ROEの改善を目指す必要があります。
キャッシュフロー
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは649億円の収入となっています。これは主に預金の増加によるものです。一方で投資活動によるキャッシュ・フローは74億円の支出となっています。設備投資などに資金が振り向けられています。財務活動によるキャッシュ・フローは177億円の支出となっており、配当金の支払いなどが主な要因です。
配当の支払額
当社は年2回の配当を行っています。直近の2023年3月期は、期末配当40円、中間配当40円の年間80円の配当を実施しました。また2024年3月期は、中間配当は40円となっています。株主還元に積極的な姿勢が窺えます。
今後の展望
今後の課題としては、収益力の向上とリスク管理の強化が挙げられます。基幹システムの更改や与信費用の増加で一時的な収益悪化がみられましたが、業務効率化とデジタル化の推進、さらには地域密着型の営業活動の強化などにより、収益力の回復を目指します。また、リスク管理の高度化に取り組み、健全な経営基盤の確立を図っていく方針です。
編集部のまとめ
株式会社おきなわフィナンシャルグループは、沖縄県を代表する金融グループとして安定した業績を残しています。収益力と財務体質が健全に推移しており、中長期的な成長が期待できる企業です。一時的な収益悪化はありましたが、経営改善に向けた取り組みを着実に実行しているようです。同社の今後の動向に注目していきたいと思います。
株式会社おきなわフィナンシャルグループの決算日や配当についてまとめました。
株式会社おきなわフィナンシャルグループは、3月31日決算で年2回の配当(期末40円、中間40円)を行っています。健全な財務体質と株主還元に積極的な姿勢が特徴で、業績の推移と合わせて同社の成長が期待できる企業といえます。