株式会社あいちフィナンシャルグループの2023年度第3四半期の決算報告がありました。愛知銀行と中京銀行の共同持株会社としての初の決算となり、既存銀行の堅調な業績に加え、経営統合のシナジー効果が着実に現れてきていることがわかりました。
企業情報
企業名: 株式会社あいちフィナンシャルグループ
証券コード: 73890
決算期: 2023年4月1日~2024年3月31日
株式会社あいちフィナンシャルグループの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社あいちフィナンシャルグループは2022年10月3日に愛知銀行と中京銀行の経営統合により設立された会社です。したがって、この第3四半期決算(2023年4月1日~12月31日)は、初めての決算となります。今後は、3月31日が決算日となり、年4回の四半期決算が行われることになります。
主な事業
株式会社あいちフィナンシャルグループの主な事業は、銀行業とリース業です。連結子会社には株式会社愛知銀行、株式会社中京銀行、愛銀リース株式会社などが含まれます。愛知県を中心とした地域において、幅広い金融サービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結経常収益は663億78百万円と前年同期比で135億17百万円の増収となりました。一方、連結経常費用は555億17百万円と140億77百万円増加しましたが、連結経常利益は108億61百万円と堅調に推移しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は77億6百万円となりました。
売上・利益の推移
前期の愛知銀行と中京銀行の業績を合算すると、連結経常収益は528億61百万円、連結経常利益は114億21百万円と高水準でした。今期第3四半期は、これらの既存銀行の好調な業績に加え、経営統合によるシナジー効果も出てきたことで増収増益となりました。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の連結総資産は6兆7,900億円となり、前期末比で40億円の増加となりました。貸出金が前期末比1,298億円増加し、4兆6,982億円となったことが主な要因です。
資産の部
現金預け金は5,361億円、有価証券は1兆3,876億円、貸出金は4兆6,982億円となっています。資産全体では、前期末比で増加しており、経営統合の効果が着実に表れてきています。
負債の部
負債合計は6兆4,417億円で、前期末比208億円減少しました。預金は5兆8,553億円と前期末比2,321億円増加しており、個人預金や法人預金が順調に積み上がっています。
純資産の部
純資産合計は3,483億円と前期末比248億円増加しました。利益剰余金が増加したことが主な要因です。自己資本比率は4.7%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は0.16%、ROE(自己資本経常利益率)は4.7%となっています。前年同期と比べROAは低下しましたが、ROEは横ばいを維持しています。経営統合による一時的な費用増はあったものの、着実に収益力を高めてきていることがわかります。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュフローの状況は開示されていませんが、前期は営業活動によるキャッシュフローが1,809億円の収入、投資活動によるキャッシュフローが478億円の支出と、全体として良好な資金繰りを確保できています。
配当の支払額
当第3四半期においては中間配当を1株当たり50円支払いました。通期の年間配当は、前期の1株当たり200円から増額される見通しです。株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。
今後の展望
今後は、経営統合によるシナジー効果をさらに高め、地域の中核金融グループとしての地位を確立していくことが課題です。地域密着型の金融サービスの高度化や、環境・社会課題への取り組み強化など、持続可能な経営を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社あいちフィナンシャルグループは、愛知銀行と中京銀行の経営統合により誕生した金融持株会社です。第3四半期決算では、既存銀行の好調な業績に加え、統合効果も徐々に表れてきたことがわかりました。今後は、地域に密着した金融サービスの提供と収益力の向上に注力していくことが期待されます。また、株主還元にも積極的に取り組んでいる点も評価できます。
株式会社あいちフィナンシャルグループの決算日や配当についてまとめました。
株式会社あいちフィナンシャルグループは3月31日が決算日で、年4回の四半期決算が行われます。今期の第3四半期決算では、経常収益663億78百万円、経常利益108億61百万円と堅調な業績を示しました。また、配当金は1株当たり年間200円を見込んでいます。今後も地域密着型の金融サービスの強化と収益力向上に期待が寄せられています。