東北化学薬品株式会社の2023年12月期第1四半期決算は、新型コロナウイルス関連検査受注の減少の影響により減収減益となったものの、主力の医療・化学関連分野で堅調な売上を維持できています。今後はコストコントロールに注力しつつ、新規事業分野の開拓により業績の回復を目指していく方針のようです。経営陣の粘り強い取り組みに期待が高まります。
企業情報
企業名: 東北化学薬品株式会社
証券コード: 74460
決算期: 9月
東北化学薬品株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東北化学薬品は9月決算を行っています。第1四半期決算は12月31日が基準日となります。
主な事業
東北化学薬品は医療・化学分野を中心とした医薬品・産業用化学品の卸売事業を展開しています。医療機関や製造業などに対し、医療用検査薬や工業用薬品、食品添加物など幅広い商品を取り扱っています。特に、医療用検査試薬や化学工業薬品の販売が主力事業となっています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第1四半期は、売上高が83億30百万円と前年同期比で11.5%の減収となりました。利益面でも、営業利益が5700万円(前年同期比77.3%減)、経常利益が7700万円(同71.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が5300万円(同70.7%減)と大幅な減益となりました。コロナ禍の影響が響いた一方で、化学品や医療機器の販売は比較的堅調に推移しました。
売上・利益の推移
東北化学薬品の売上高は、最近5年間で最高の356億円を記録した2022年9月期に向けて着実に伸長を続けています。経常利益も2022年9月期には同28.2%増の27億1400万円と好調でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で2023年12月期第1四半期は減収減益となりました。医療関連の需要低下が響いたものの、化学工業薬品などの販売が下支えとなっている模様です。
四半期連結貸借対照表について
東北化学薬品の2023年12月期第1四半期末の連結貸借対照表は、総資産196億81百万円、純資産72億77百万円となっています。前期末から総資産は7億61百万円増加、純資産は8百万円増加しました。
資産の部
流動資産は140億40百万円で、前期末から4億21百万円増加しました。現金及び預金が133億円、売掛金が95億95百万円などが主な内訳です。固定資産は56億41百万円で、前期末から3億39百万円増加しています。
負債の部
負債合計は124億4百万円で、前期末から7億52百万円増加しました。支払手形及び買掛金が3億54百万円、リース債務が3億43百万円増加しています。
純資産の部
純資産は72億77百万円で、前期末から8百万円増加しました。利益剰余金が40百万円減少しましたが、その他有価証券評価差額金が50百万円増加しています。
ROAとROE
東北化学薬品の2022年9月期のROA(総資産経常利益率)は1.4%、ROE(自己資本利益率)は4.0%でした。第1四半期決算では減益となっているため、2023年9月期のROAとROEは低下する可能性があります。ただ、化学品や医療機器の販売が底堅いことから、通期では前期並みの水準を維持できると期待されます。
キャッシュフロー
東北化学薬品の直近の連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期比で減少しましたが、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローについては堅調に推移しています。特に、財務活動によるキャッシュ・フローでは、前年同期比47.4%増の現金及び現金同等物の増加が確認できました。今後もキャッシュ・フローの改善に向けた取り組みが期待されます。
配当の支払額
東北化学薬品は2023年12月期の期末配当を1株当たり105円と、前期比10円減額する予定です。通期の1株当たり配当金は前期の230円から210円に引き下げられる見通しです。業績の減少を受けての配当の見直しとなりますが、依然として1株当たり配当金は健全な水準を維持しています。
今後の展望
東北化学薬品は、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復と、化学品や医療機器関連の需要取り込みに期待をかけています。コスト管理の徹底と、成長分野への経営資源の投入により、収益力の回復を目指す方針です。長期的には医療・化学分野での販売拡大とともに、新規事業の育成にも注力していくと見られます。安定した収益基盤を持つ企業として、今後の動向に注目が集まります。
編集部のまとめ
東北化学薬品の2023年12月期第1四半期決算は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて減収減益となりました。ただ、医療や化学分野での販売が下支えとなっており、業績回復への期待も残る状況です。今後の業績動向に加えて、営業力強化やコストコントロールの取り組み、新規事業の育成などにも注目していきたいと思います。
東北化学薬品株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東北化学薬品は9月決算を行っており、第1四半期決算は12月31日が基準日となります。2023年12月期は1株当たり配当金を210円と、前期より20円減配する予定ですが、依然として高水準の配当を維持しています。引き続き、コスト管理の強化と新規事業への取り組みにより、収益力の回復が期待されます。