花き業界では、消費者の節約志向が強く花の購入頻度が減少傾向にある一方で、SDGsへの関心の高まりで若い世代を中心に花と緑のある生活を楽しむ人が新たに増えており、花に対する価値観に変化が見られています。この状況にあって、株式会社大田花きは、サプライチェーン全体の最適化に取り組み、花き需給の安定供給に努めています。
企業情報
企業名: 株式会社大田花き
証券コード: 75550
決算期: 2023年3月31日
株式会社大田花きの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社大田花きの決算期は3月31日で、決算発表は2月9日に行われています。
主な事業
株式会社大田花きは、花き卸売事業を主軸としています。首都圏を中心とした全国の花き市場に対し、全国の生産者から仕入れた生鮮花きや鉢物等を販売しています。また、顧客のニーズに合わせた商品供給の効率化や、産地直送体制の構築など、サプライチェーン全体の最適化にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高3,174,933千円、営業利益174,517千円、経常利益229,727千円、親会社株主に帰属する四半期純利益160,394千円となりました。前年同期と比べ、売上高は2.3%減少したものの、営業利益は34.1%減、経常利益は20.6%減、純利益は18.9%減と減少幅は縮小しています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高と利益の推移を見ると、売上高は4,285,086千円→3,248,075千円→3,174,933千円と減少傾向にありますが、経常利益は419,747千円→289,451千円→229,727千円と減少しつつも安定した水準を維持しています。これは、生産性の向上や経費の削減などにより収益力を確保できたことが要因と考えられます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産9,486,960千円、負債合計4,468,395千円、純資産5,018,564千円となっています。前連結会計年度末に比べ、総資産は増加し、負債も増加しているものの、自己資本比率は52.9%と高水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金2,234,944千円、売掛金2,450,967千円などが主な内訳です。前連結会計年度末に比べ、流動資産が793,217千円増加しています。
負債の部
負債の部では、受託販売未払金2,333,210千円、長期借入金474,634千円などが主な内訳です。前連結会計年度末に比べ、流動負債が751,617千円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金4,414,737千円となっています。前連結会計年度末に比べ、84,079千円増加しています。
ROAとROE
ROAは3.4%、ROEは3.2%となっています。前年同期と比べROAは1.5ポイント減少、ROEは1.3ポイント減少しています。これは、売上高減少と資産効率の低下によるものと考えられます。今後は収益性の改善と資産の有効活用に取り組む必要があると思われます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー939,984千円の増加、投資活動によるキャッシュ・フロー76,760千円の減少、財務活動によるキャッシュ・フロー291,630千円の減少となりました。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ571,594千円増加し2,335,516千円となっています。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間の配当金の支払額は76,315千円となっています。前年同期と比べ、1株当たり3円の増配となっています。安定的な配当の維持に努めている様子がうかがえます。
今後の展望
今後は、生産性の向上やコスト削減に加え、SDGsへの取り組みなど、サステナビリティ経営の推進にも注力していく方針です。また、顧客ニーズに合わせた商品供給の効率化や、販売の多様化など、花き流通の最適化に向けて、生産者や小売業者とのさらなる連携強化に努めていく考えです。
編集部のまとめ
株式会社大田花きは、花き卸売事業を主軸に、サプライチェーン全体の最適化に取り組んでいます。売上高は減少傾向にありますが、経費の削減などにより収益力を維持している点が評価できます。今後は、SDGsへの取り組みやデジタル化の推進など、新たな成長戦略にも期待が高まっています。また、安定配当の維持姿勢も株主に好評と思われます。
株式会社大田花きの決算日や配当についてまとめました。
株式会社大田花きの決算期は3月31日で、決算発表は2月9日に行われています。配当金は1株当たり15円で、前年同期比3円増配となっています。安定配当を維持しつつ、収益力の確保や成長戦略にも取り組む同社の姿勢が窺えます。