ココイチを運営する株式会社壱番屋の最新の決算報告をご紹介します。売上高は前年比16.7%増と大きく伸ばし、営業利益も66.8%増と高い収益性を維持しています。新商品の投入や広告戦略の強化により、ファンユーザーの取り込みにも成功したようです。今後の海外展開の加速も期待できそうです。株主還元にも力を入れており、1株当たり40円の中間配当を実施するなど、投資家にも好評な業績となりました。
企業情報
企業名: 株式会社壱番屋
証券コード: E03329
決算期: 2月末日
株式会社壱番屋の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社壱番屋の決算日は2月末日です。第3四半期決算は11月30日で、その四半期報告書を2024年1月12日に提出しています。
主な事業
株式会社壱番屋の主な事業は「ココイチ」ブランドによる外食事業です。ココイチは日本国内はもちろん、海外にも展開しており、国内1,247店舗、海外215店舗を運営しています。カレーをはじめとする洋食メニューを提供し、日本の食文化を世界に発信しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が411億80百万円と前年同期比16.7%増加し、営業利益が38億93百万円と66.8%増加しました。新商品の投入やブランド広告の強化などが奏功し、売上やプロフィットが大きく回復しています。特に客単価が10.3%増と大きく伸びたことが、収益性の向上につながっています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高は48,287百万円(2023年2月期)、35,292百万円(2022年2月期)、48,495百万円(2021年2月期)となっています。利益面では、経常利益は2023年2月期4,043百万円、2022年2月期2,691百万円、2021年2月期4,318百万円と推移しています。新型コロナの影響を大きく受けた2022年2月期を除けば、概ね安定的に売上と利益を伸ばしていることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
2023年11月30日時点の総資産は432億99百万円となっています。前連結会計年度末比で7億66百万円増加しました。この増加は主にのれんが5億81百万円増加したことによるものです。一方で、負債は119億97百万円で、前連結会計年度末比5億9百万円増加しています。これは主に買掛金が増加したためです。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が166億52百万円と大きな割合を占めています。また、有形固定資産が121億96百万円と、店舗の運営に必要な設備投資が行われていることがわかります。
負債の部
負債の部では、買掛金が28億64百万円と大きな割合を占めています。また、長期預り保証金が34億86百万円あり、フランチャイズ展開の一環として加盟店から預かっているものと考えられます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が269億75百万円と、事業の成長と収益性の高さがうかがえます。また、自己資本比率は71.2%と、財務基盤も健全であると評価できます。
ROAとROE
株式会社壱番屋のROAは前期が7.8%、今期は9.5%と改善傾向にあります。これは収益性の向上によりNetIncomeが増加したためです。一方、ROEは前期が8.2%、今期は7.8%と若干低下しています。これは純資産が増加したものの、利益の伸びが純資産の伸びを上回ったためです。今後は収益性の維持・向上と自己資本の有効活用が課題となりそうです。
キャッシュフロー
当第3四半期においては、営業活動によるキャッシュ・フローが21億55百万円のプラスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは16億3百万円のマイナスとなっています。これは主に株式会社竹井の株式取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは11億40百万円のマイナスとなり、配当金の支払いが主な要因となっています。
配当の支払額
株式会社壱番屋は、1株当たり40円の中間配当を実施しています。前年同期比では変わらずですが、同社の業績回復を受けて、株主への還元を継続しているといえます。今後も安定配当を維持する方針だと見られ、投資家からも好評を得ているでしょう。
今後の展望
株式会社壱番屋は、国内外での新規出店や、M&Aによる事業領域の拡大に取り組んでいく方針です。特に海外展開の加速に力を入れており、新型コロナ後の需要回復や、訪日外国人の増加などを追い風に、グローバルブランドの確立を目指しています。また、ブランド力の強化や、DX推進による生産性向上にも注力しており、持続的な成長を目指しています。
編集部のまとめ
株式会社壱番屋は、ココイチブランドの国内外での展開を通じて、安定的な業績を維持しています。新商品の投入やブランディング強化で、売上や収益性も大きく回復してきました。今後は、M&Aも活用しながら事業領域を拡大し、グローバルブランドの確立を目指していくことが期待されます。また、株主還元にも力を入れており、投資家の期待にも応えられるでしょう。
株式会社壱番屋の決算日や配当についてまとめました。
株式会社壱番屋の決算日は2月末日で、第3四半期決算は11月30日となっています。また、1株当たり40円の中間配当を実施しており、安定配当を維持する方針です。今後も収益性の高い事業展開と、株主還元の充実が期待されます。