株式会社ブイ・テクノロジーの2023年度第3四半期決算が発表されました。同社は、半導体・ディスプレイ製造装置の開発・製造・販売を手掛ける技術企業です。今期の業績は、パネル需要の減少や設備投資の停滞の影響を受けていますが、引き続き高水準の受注残を確保しています。今後も先端技術への投資を続け、業績回復を目指していきます。
企業情報
企業名: 株式会社ブイ・テクノロジー
証券コード: 7717
決算期: 3月期
株式会社ブイ・テクノロジーの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ブイ・テクノロジーの決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日時点の業績を報告しています。
主な事業
株式会社ブイ・テクノロジーは、フラットパネルディスプレイ(FPD)装置と半導体・フォトマスク装置の開発・製造・販売を主な事業としています。先端技術の研究開発に注力しており、ディスプレイ、半導体、電子部品の製造に不可欠な装置を提供しています。同社の強みは、世界最高水準の技術力と豊富な経験を活かし、お客様のニーズに合わせたきめ細かいサービスを提供できることです。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、売上高が191億3百万円、営業損失が20億7千万円、経常損失が19億円、親会社株主に帰属する四半期純損失が13億8千7百万円となりました。主力のFPD装置事業では、パネル需要の弱さから設備投資が停滞し、売上高は減少しています。一方、半導体・フォトマスク装置事業は概ね順調に推移しました。
売上・利益の推移
前年同期と比べ、売上高は36.1%減となりました。利益面では、営業利益から営業損失に転じ、経常利益から経常損失に転落しています。これは主力のFPD装置事業の苦戦が響いた結果です。一方で半導体・フォトマスク装置事業は業績が好調に推移しており、同事業の成長に期待が高まっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は723億8千9百万円と前期末比10億2千万円の増加となりました。負債は401億7千8百万円と26億7千5百万円増加し、純資産は322億1千1百万円と16億7千2百万円減少しています。手元流動性は確保できているものの、業績悪化で純資産が減少傾向にあるため、今後の収益力の回復が課題といえます。
資産の部
総資産は増加しましたが、これは主に仕掛品が78億9千1百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が48億5千5百万円減少したことによります。在庫の積み上がりが気になるところですが、受注残高も底堅く推移していることから、今後の売上回復が期待できます。
負債の部
負債が増加した主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が43億5千7百万円増加したことです。金融機関からの借入れを増やして一時的な資金需要に対応しているものと思われます。
純資産の部
純資産が減少したのは、利益剰余金が19億7千7百万円減少したことが主な要因です。営業損失の計上に伴い、利益剰余金が減少しています。今後の業績回復が重要となります。
ROAとROE
ROAは前年同期の2.5%から-2.6%に、ROEは前年同期の7.4%から-4.3%に低下しています。これは売上高と営業利益の大幅な減少が影響しました。短期的に収益性は低下していますが、FPD装置事業の立て直しと半導体・フォトマスク装置事業の好調が続けば、次第にROA、ROEも回復していくことが期待できます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、前年同期の状況から推察すると、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスになっている可能性があります。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローはプラスになっているものと思われます。財務活動では、借入金の返済や配当金の支払いなどがあると考えられます。短期的には資金繰りが課題となっているようです。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間においては、年間配当金30円を2回(6月と12月)に分けて支払いました。連結純損失となっているものの、手元流動性と財務体質を勘案し、配当を維持しています。今後の業績回復次第で配当は変更される可能性がありますが、株主還元を重視する姿勢が窺えます。
今後の展望
パネル需要の低迷が続く中、同社は半導体・フォトマスク装置事業の成長に期待をかけています。また、中長期的に注目されるMicroLED、量子ドット、OLEDなどの次世代ディスプレイ技術への取り組みを強化し、新たな成長分野の開拓を目指しています。為替リスクの管理や生産効率の向上にも努め、収益力の回復を図っていく方針です。業績回復の鍵を握るのは、いかに競争力のある製品を次々と生み出せるかにかかっています。
編集部のまとめ
株式会社ブイ・テクノロジーは、ディスプレイ製造装置と半導体製造装置の世界的なリーディングカンパニーです。足元では主力のFPD装置事業が苦戦していますが、次世代ディスプレイ向けの新技術開発や半導体装置事業の成長など、中長期的な展望は明るいと言えます。今後の業績回復に期待が寄せられています。
株式会社ブイ・テクノロジーの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ブイ・テクノロジーの決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日時点の業績を報告しています。配当は年2回(6月と12月)実施し、1株当たり30円を維持しています。今後の業績次第で変更の可能性はありますが、株主還元を重視する姿勢が窺えます。