スター精密株式会社の決算報告書をご紹介します。同社は静岡県に本社を置く工作機械や小型プリンターなどを手掛ける老舗企業。この度、同社の2024年1月から3月までの第1四半期の業績が発表されました。
同社の業績は、工作機械の売上減少を受けて全体として減収減益となりました。一方、小型プリンターではオンラインショップ向け需要が好調に推移するなど、事業ポートフォリオの多様性が際立っていますね。今後の成長に期待が高まります。
企業情報
企業名: スター精密株式会社
証券コード: 77180
決算期: 2024年12月
スター精密株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
スター精密株式会社の決算日は12月31日で、通常2月下旬に決算短信、3月下旬に有価証券報告書を発表しています。今回の四半期決算は2024年5月14日に発表されました。
主な事業
スター精密株式会社は、工作機械と特殊機器の2つの事業を主力としています。工作機械事業では、主力製品のCNC自動旋盤を中心に、高い技術力と品質で世界中のものづくりの現場で活躍しています。特殊機器事業では、スマートフォンやタブレット向けの小型プリンターなどを生産しており、安定的な収益基盤を築いています。
今期の業績と利益率は?
2024年1月から3月までの第1四半期の業績は、売上高139億2千万円(前年同期比34.1%減)、営業利益7億7千5百万円(同81.1%減)、経常利益9億9千9百万円(同76.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億2千6百万円(同80.3%減)と、全体として減収減益となりました。
利益率面では、営業利益率5.6%、経常利益率7.2%、当期純利益率4.5%となっています。
売上・利益の推移
過去1年間の売上高・利益の推移を見ると、前年同期比で売上高が34.1%減、営業利益が81.1%減、経常利益が76.9%減と大幅な減少となりました。これは主力の工作機械事業の減収が大きく影響しています。一方、小型プリンターなどの特機事業は比較的堅調に推移しており、事業ポートフォリオの多様性が強みとなっています。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産が955億4千2百万円と前期末比21億4千3百万円増加しています。これは主に現金及び預金の増加によるものです。
一方、負債合計は137億8千9百万円と前期末比7億3千7百万円増加しており、純資産は817億5千2百万円と前期末比14億6百万円増加しています。自己資本比率は85.6%と高水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が306億円と前期末比8億8千7百万円増加しました。これは営業活動によるキャッシュ・フローの増加などが影響しています。一方、受取手形及び売掛金が183億円と前期末比2億4千万円減少しました。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が45億円と前期末比11億9千2百万円増加しました。これは生産活動の増加に伴う仕入の増加によるものです。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が549億円と前期末比4億7千4百万円減少しましたが、為替換算調整勘定が89億円と前期末比18億7千9百万円増加したことなどから、純資産合計は817億5千2百万円と前期末比14億6百万円増加しました。自己資本比率は85.6%と高水準を維持しています。
ROAとROE
スター精密株式会社のROA(総資産利益率)は当第1四半期で1.0%、ROE(自己資本利益率)は0.8%となっています。前年同期と比較するとROAは0.3ポイント、ROEは0.4ポイント低下しています。
これは主力の工作機械事業の減収減益が大きく影響しているためです。今後は工作機械事業の回復と、小型プリンターなどの特機事業の好調持続により、収益性の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが12億円のプラスとなりました。これは税金等調整前四半期純利益の計上などが寄与しています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローが8億円のマイナスとなり、財務活動によるキャッシュ・フローも11億円のマイナスとなりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
全体として887百万円のキャッシュ増加となり、手元流動性は高い水準を維持しています。
配当の支払額
スター精密株式会社は、2024年2月22日の取締役会において、1株当たり30円の期末配当を決議しました。この結果、年間配当金は1株当たり30円となります。配当性向は17.6%と、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
今後の展望
今後の事業環境は、米国や欧州の景気減速懸念や金融引き締めの長期化など、依然として不透明な状況が続くと見られます。
そのなかで、スター精密株式会社は、工作機械事業の業績回復と小型プリンター事業の成長に注力していく方針です。また、AIやIoT活用による生産性向上や、新製品の開発と市場開拓など、収益基盤の強化に取り組んでいきます。
中長期的には、同社の技術力と事業ポートフォリオの強みを最大限に活かし、企業価値の向上に努めていくと期待されます。
編集部のまとめ
スター精密株式会社の2024年第1四半期の決算は、全体として減収減益となりました。主力の工作機械事業の低迷が大きく影響しています。一方、小型プリンターなどの特機事業が比較的堅調に推移するなど、同社の事業ポートフォリオの強みが発揮されています。今後は工作機械事業の回復と小型プリンター事業の成長に期待が高まります。財務基盤も健全で、株主還元にも注力するなど、企業価値向上に向けて着実に取り組んでいくと考えられます。
スター精密株式会社の決算日や配当についてまとめました。
スター精密株式会社の決算日は12月31日で、2月下旬に決算短信、3月下旬に有価証券報告書を発表しています。今回の第1四半期決算は2024年5月14日に発表されました。
また、同社は2024年2月22日の取締役会で1株当たり30円の期末配当を決議し、年間配当金は1株当たり30円となりました。配当性向は17.6%と、株主還元にも積極的に取り組んでいます。