最近の再生医療業界で注目を集めている株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの決算が発表されました。自社開発の再生医療製品を販売する同社は、売上高が前年同期比23.7%増加するなど順調な業績を残しています。今回の決算では、特に再生医療受託事業の好調な推移が注目されます。今後も同社は、再生医療市場の拡大に伴い業績の向上が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング
証券コード: E02357
決算期: 2023年3月31日
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの決算日は3月31日です。年間の決算スケジュールは、第1四半期決算(6月)、第2四半期決算(9月)、第3四半期決算(12月)、本決算(翌年3月)となっています。
主な事業
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングは主に再生医療製品事業、再生医療受託事業、研究開発支援事業の3つの事業を展開しています。再生医療製品事業では、自社開発の再生医療製品の製造販売を行っています。再生医療受託事業では、他社の再生医療等製品の開発受託や細胞加工物の製造受託を行っています。研究開発支援事業では、研究用ヒト培養組織の製造販売を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間における売上高は1,785億円と前年同期比23.7%の増加となりました。利益面では、営業損失が51.6億円と大幅に改善しています。特に再生医療受託事業の好調な推移が業績を牽引しました。全体としては増収増益基調で推移しており、同社の事業は順調に推移しているといえます。
売上・利益の推移
同社の売上高は、2022年3月期が2,032億円、当第3四半期累計期間では1,785億円となっています。利益面では、2022年3月期は営業損失が725.4億円だったものの、当第3四半期累計期間では営業損失が51.6億円と大幅に改善しました。売上高は増加傾向にあり、利益面でも赤字から黒字化に向かう動きが見られます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を確認すると、総資産は68.6億円となっています。前事業年度末より22.3億円減少しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が40.6億円と最も大きな割合を占めています。前事業年度末より7.1億円減少しています。その他の主な資産には、受取手形及び売掛金が4.3億円、原材料及び貯蔵品が1.9億円などがあります。
負債の部
負債の部では、流動負債が94.7億円となっています。前事業年度末より3.1億円増加しました。主な内訳は未払消費税が6.7億円、買掛金が8.0億円などです。固定負債は3.4億円でほぼ変動はありません。
純資産の部
純資産の部は58.8億円で、前事業年度末より5.3億円減少しています。この減少の主な要因は利益剰余金の減少です。自己資本比率は85.8%と、安定的な財務体質を維持しています。
ROAとROE
同社のROAは直近で、前年度の▲10.5%から当期の▲0.8%と改善しています。一方、ROEは前年度の▲12.3%から当期の▲0.9%と改善しました。これは利益が増加したことで自己資本利益率も向上したためです。同社は今期、黒字化に向けて着実に進展しているといえます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナス244.7億円となっています。これは税引前四半期純損失が50.7億円だったことが主な要因です。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは4.8億円のプラスとなっています。全体としては71.7億円のキャッシュの減少となりました。
配当の支払額
同社は現時点で配当を実施していません。今後、業績の回復と利益水準の改善が進めば、株主還元についても検討が行われると期待できます。
今後の展望
同社は、再生医療製品事業、再生医療受託事業、研究開発支援事業の3事業を柱に事業を展開しています。今後も、これらの事業分野での受注拡大や新製品上市などにより、業績の向上が期待できそうです。特に、再生医療受託事業の好調な推移は同社の強みであり、今後も同事業への注目が高まるでしょう。引き続き同社の動向に注目していきたいと思います。
編集部のまとめ
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングは、自社開発の再生医療製品の製造販売や受託事業などに強みを持つ企業です。直近の決算では、売上高の増加や損益の改善など、同社の事業が順調に推移していることが分かりました。今後も再生医療関連市場の拡大を背景に、さらなる業績向上が期待できそうです。
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリングの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、第1四半期決算(6月)、第2四半期決算(9月)、第3四半期決算(12月)、本決算(翌年3月)というスケジュールで決算が行われています。また同社は現時点で配当を実施していませんが、今後の業績回復次第では、株主還元についての検討も期待できます。