中本パックス株式会社は、包装材料の製造・加工を手掛ける企業です。この度、同社の2023年3月1日から2023年11月30日までの第3四半期の決算報告書が発表されました。売上高は前年同期比2.4%増の33,757百万円と、全体的に順調な業績を収めています。特に食品関連分野の好調な受注に支えられ、持続的な成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: 中本パックス株式会社
証券コード: 78110
決算期: 2月末
中本パックス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
中本パックス株式会社は、2月末を決算期としており、第3四半期は2023年9月1日から11月30日までの期間となります。
主な事業
中本パックス株式会社は、食品包装用の容器・フィルムやIT・工業材向けの加工製品、生活資材関連の製品などを製造・販売しています。グラビア印刷やラミネート加工などの技術を強みに、幅広い産業分野に製品を供給しています。特に食品関連分野では、コンビニ容器や冷凍食品パッケージなど、日々の生活に密着した製品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、売上高33,757百万円、営業利益1,400百万円と、前年同期比でそれぞれ2.4%増、15.7%減となりました。原材料価格の上昇などにより利益率は低下傾向にありますが、売上高は堅調に推移しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績をみると、売上高は32,960百万円→33,757百万円と順調に増加しています。一方で、経常利益は2,020百万円→1,592百万円と減少しており、原材料高騰などの影響が見られます。ただし、食品関連分野を中心とした受注の伸びにより、今後の業績回復が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
中本パックス株式会社の直近の四半期連結貸借対照表では、総資産が37,449百万円と、前期末比2,870百万円の増加となっています。これは主に、現金及び預金の増加や、MICS化学株式会社の持分法適用関連会社化に伴う投資その他の資産の増加などによるものです。一方で、負債合計は20,214百万円と2,104百万円増加しています。これは短期借入金の増加などが要因となっています。
資産の部
資産の部では、流動資産が21,528百万円と前期末比1,648百万円増加しました。現金及び預金の増加や受取手形・売掛金の増加などが主な要因です。一方で、固定資産は15,921百万円と1,222百万円増加しており、MICS化学の持分法適用関連会社化に伴う投資その他の資産の増加が背景にあります。
負債の部
負債の部では、流動負債が17,627百万円と前期末比2,010百万円増加しました。支払手形・買掛金や短期借入金の増加などが主因です。一方で、固定負債は2,586百万円と93百万円増加にとどまっています。
純資産の部
純資産の部は、17,235百万円と前期末比766百万円増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替換算調整勘定の増加などによるものです。
ROAとROE
中本パックス株式会社のROAは4.7%、ROEは5.0%となっています。前年同期と比べて低下傾向にありますが、依然として高い水準を維持しています。これは、食品関連分野を中心とした堅実な収益性と、財務基盤の健全性が背景にあると考えられます。今後も、持続的な収益力の向上とROE改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,121百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが1,131百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが276百万円のマイナスとなりました。全体としては、現金及び預金が1,271百万円増加しており、安定したキャッシュ・ポジションを維持できています。今後の設備投資や株主還元にも積極的に取り組めると期待されます。
配当の支払額
中本パックス株式会社は、株主還元を重要な経営課題の1つと位置づけており、1株当たりの年間配当金は62円を予定しています。第2四半期及び期末に各31円ずつの配当を実施する方針で、着実な株主還元を行っています。
今後の展望
中本パックス株式会社は、環境配慮型製品の開発や生産効率の向上に積極的に取り組むことで、持続的な成長を目指しています。特に食品関連分野ではさらに高い収益性が期待でき、MICS化学の完全子会社化により、上下流のバリューチェーン強化も図れそうです。今後も技術力と顧客基盤を活かし、幅広い産業分野での事業展開が期待されます。
編集部のまとめ
中本パックス株式会社の第3四半期決算では、売上高が前年同期比2.4%増と順調に推移しました。食品包装分野の需要が底堅く、同社の主力事業を下支えしています。一方で原材料価格高騰の影響により利益率は低下しましたが、MICS化学の完全子会社化によるシナジー効果への期待や、中長期的な技術力強化への取り組みから、今後の更なる業績向上が期待できます。株主還元も着実に行っており、安定した経営基盤を有していると評価できるでしょう。
中本パックス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
中本パックス株式会社の決算日は2月末です。同社の年間配当金は1株当たり62円を予定しており、第2四半期及び期末にそれぞれ31円ずつ支払う方針です。株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。