ローランド株式会社の2024年第1四半期決算報告書が公開されました。同社は”電子楽器事業の単一セグメント”として事業を展開しており、全体として堅調な業績を維持しているようです。一部の製品カテゴリーでは、コロナ禍からの反動減や物価高の影響などが見られましたが、概ね社内の想定どおりに推移したとのことです。今後は需給バランスの調整を経て、徐々に回復していくと考えられます。
企業情報
企業名: ローランド株式会社
証券コード: 79440
決算期: 2024年3月期 第1四半期
ローランド株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ローランド株式会社の決算日は3月31日で、第1四半期会計期間は2024年1月1日から2024年3月31日となっています。決算報告の提出期限は決算日から2ヶ月以内となっているため、今回の第1四半期報告書の提出日は2024年5月10日となります。
主な事業
ローランド株式会社は、電子楽器事業を主力としており、デジタル・ピアノ、ドラム、エフェクター、シンセサイザーなど、幅広い電子楽器の開発・製造・販売を行っています。同社の強みは、高度な技術力と豊富な製品ラインナップにあり、プロからアマチュアまで、幅広いユーザーニーズに応えています。さらに、音楽制作に関連したソフトウェアやサービスの提供にも注力しており、音楽創造に関するトータルソリューションを展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期連結累計期間の売上高は22,083百万円となり、前年同期比で3.4%減となりました。損益面では、営業利益が1,564百万円、経常利益が1,122百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が980百万円となり、いずれも前年同期比で減少しています。しかし、利益率は依然として高水準を維持しており、引き続き収益力の高い企業と評価できるでしょう。
売上・利益の推移
過去3年の売上高と利益の推移を見ると、2023年3月期は売上高が102,445百万円、営業利益が15,428百万円と好調な業績を収めました。一方、当第1四半期は前述のとおり、売上高が減少傾向にあるものの、営業利益率は7%台と、依然として高い水準を維持しています。今後の市況回復に伴い、業績の改善も期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期連結会計期間末の総資産は79,830百万円となり、前連結会計年度末から1,138百万円減少しました。この主な要因は、現金及び預金が623百万円、売上債権が2,320百万円減少した一方で、棚卸資産が1,038百万円、無形固定資産が749百万円増加したためです。
資産の部
資産の部では、流動資産が56,576百万円、固定資産が23,253百万円となっています。流動資産の主な内訳は、現金及び預金、売上債権、棚卸資産などです。固定資産の主な内訳は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産などです。
負債の部
負債の部では、流動負債が23,441百万円、固定負債が15,398百万円となっています。流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金、短期借入金、未払費用などです。固定負債の主な内訳は、長期借入金などです。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が33,589百万円、その他の包括利益累計額が7,095百万円となっています。株主資本の内訳は、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式などです。その他の包括利益累計額の内訳は、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整累計額などです。
ROAとROE
ローランド株式会社のROA(総資産利益率)は1.2%、ROE(自己資本利益率)は2.4%となっています。過去1年間を見ると、ROAは1%台後半、ROEは4%台前半で推移しており、一定の収益性と効率性を維持しています。今後も、収益力の強化と資産効率の改善に努めることで、両指標の更なる向上が期待できます。
キャッシュフロー
当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが3,229百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが16百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが3,603百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は12,259百万円となっています。安定した収益力と健全な財務体質を背景に、今後も良好なキャッシュ・フローが見込まれます。
配当の支払額
ローランド株式会社は、2024年3月26日の定時株主総会において、1株当たり85円の期末配当を決議しました。この配当金の総額は2,356百万円となり、前期比では9.5%増加しています。同社は株主還元も重視しており、今後も安定的な配当の実施が期待されます。
今後の展望
ローランド株式会社は、楽器メーカーとしての強みを生かしながら、音楽制作に関連したソフトウェアやサービスの提供にも注力しています。さらに、デジタル技術の活用によるユーザーエクスペリエンスの向上にも力を入れており、幅広い顧客層に対して、新しい価値を提供し続けていくことが期待されます。今後も、市場動向を注視しつつ、柔軟に事業を推進し、持続的な成長を実現していくことが重要だと考えられます。
編集部のまとめ
ローランド株式会社の2024年第1四半期決算は、一時的な調整局面を経ているものの、高い収益性と財務体質を維持しており、中長期的な成長への期待感が持てる業績報告となりました。デジタル楽器の分野で圧倒的な技術力と製品ラインナップを持つ同社は、音楽創造に関するトータルソリューションの提供を通じて、持続的な企業価値の向上が期待されます。引き続き、同社の動向に注目していきたいと思います。
ローランド株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ローランド株式会社の決算日は3月31日で、第1四半期会計期間は2024年1月1日から2024年3月31日となっています。また、同社は2024年3月26日の定時株主総会において、1株当たり85円の期末配当を決議しました。この配当金の総額は2,356百万円となり、前期比9.5%増加しました。株主還元も重視している同社の姿勢が窺えます。