ヤマハ株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告が発表されました。楽器事業や音響機器事業が好調に推移したため、売上収益は前年同期比1.1%増の3,417億8800万円となりました。経常利益は大幅に減少したものの、業績は概ね堅調に推移していると言えるでしょう。
企業情報
企業名: ヤマハ株式会社
証券コード: 79510
決算期: 3月期
ヤマハ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ヤマハ株式会社の決算期は3月期です。毎年6月に定時株主総会を開催し、決算報告を行っています。また、四半期決算は、6月、9月、12月、3月の各四半期末に発表されます。
主な事業
ヤマハ株式会社は、楽器事業、音響機器事業、その他の事業を展開しています。楽器事業では、ピアノ、電子楽器、管弦打楽器等の製造販売を、音響機器事業では、オーディオ機器、業務用音響機器、情報通信機器(ICT機器)等の製造販売を行っています。その他の事業では、電子デバイス、自動車用内装部品、FA機器、ゴルフ用品、リゾート事業などを手掛けています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益が前年同期比1.1%増の3,417億8800万円となりました。一方で、事業利益は前年同期比28.2%減の277億9800万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比30.9%減の207億1900万円となりました。
売上・利益の推移
ヤマハ株式会社の売上収益は、過去3年間で概ね4,514億円前後で推移しています。一方で、事業利益は506億円から278億円と減少傾向にあり、利益率も低下してきています。親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益も同様に382億円から207億円と減少しています。
四半期連結貸借対照表について
資産の部
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末から329億91百万円増加し、6,272億円となりました。流動資産は2.0%増の3,535億円、非流動資産は10.6%増の2,736億円となっています。
負債の部
負債合計は前期末から80億42百万円増加し、1,443億8百万円となりました。流動負債は2.3%増の972億75百万円、非流動負債は14.3%増の470億32百万円となっています。
純資産の部
純資産合計は前期末から249億48百万円増加し、4,828億92百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は前期末から249億92百万円増加し、4,818億29百万円となりました。
ROAとROE
ヤマハ株式会社のROA(総資産経常利益率)は、過去3年間で8.5%~9.0%程度で推移しており、健全な水準を維持しています。一方でROE(自己資本利益率)は、8.4%~12.4%と変動が大きく、自己資本の効率的な活用が課題となっている可能性があります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが261億1百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが208億22百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが226億43百万円の支出となりました。現金及び現金同等物の期末残高は、前期末から138億63百万円減少し、900億23百万円となっています。
配当の支払額
ヤマハ株式会社は、年2回の配当を実施しており、当第3四半期連結累計期間では5,624百万円(1株当たり33円)、6,245百万円(1株当たり37円)の配当を行っています。株主還元の拡充に努めていることがうかがえます。
今後の展望
ヤマハ株式会社は、中国市場の低迷長期化などの課題はありますが、法人向け音響機器の販売回復や為替の円安による好影響もあり、今後の業績改善が期待されます。また、自社製品の付加価値向上や新商品の投入、生産体制の最適化などにも取り組んでいきます。中長期的な成長戦略に期待が高まっています。
編集部のまとめ
ヤマハ株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、売上収益は前年同期比で増加したものの、利益面では減少となりました。楽器事業の伸び悩みや製造戦略の見直しによる減損損失の計上などがマイナス要因となりました。しかし、音響機器事業の回復や為替の円安効果などが下支えとなっており、全体としては概ね堅調な業績と言えるでしょう。今後は中国市場の回復や生産性向上、新商品投入などにより業績の向上が期待されます。
ヤマハ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ヤマハ株式会社の決算期は3月期であり、毎年6月に定時株主総会を開催し、決算報告を行っています。また、四半期決算は6月、9月、12月、3月の各四半期末に発表されます。配当は年2回実施しており、前回は1株当たり33円、今回は1株当たり37円の配当を行っています。株主還元の充実にも力を入れている企業といえます。