株式会社河合楽器製作所の決算内容を分析しました。楽器の製造・販売を主な事業とする同社は、この度の四半期決算で売上高が前年同期比7.4%減少するも、利益率の改善により営業利益が25.9%減、経常利益が18.0%減、四半期純利益が15.2%減となりました。今後は物価高騰の影響に注視しつつ、新製品の販売強化と海外市場での展開などで業績回復を目指していくと思われます。
企業情報
企業名: 株式会社河合楽器製作所
証券コード: 79520
決算期: 3月期
株式会社河合楽器製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社河合楽器製作所の決算は3月期で、通期決算は毎年3月31日、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われます。
主な事業
株式会社河合楽器製作所は楽器の製造・販売を主な事業としています。ピアノを中心に、電子ピアノ、管楽器、弦楽器などの楽器を国内外で展開しています。また、自動車関連部品の製造や医療機関向けIT機器の販売なども手がけています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高が59,934百万円と前年同期比で7.4%減少しました。一方で、営業利益は2,770百万円で、前年同期比25.9%減、経常利益は3,367百万円で18.0%減、四半期純利益は2,117百万円で15.2%減となりました。物価高騰の影響を受けつつも、利益率の改善が見られる結果となりました。
売上・利益の推移
過去3年間の業績を見ると、売上高は5年連続で増加し、2023年3月期には87,771百万円を記録しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はここ2年ほど減少傾向にあります。今後は新製品の投入や海外市場での拡大によって、業績回復に期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は73,080百万円で、前期末比で3.2%増加しています。一方、負債合計は30,502百万円と5.7%減少しており、純資産は42,578百万円と前期末比10.7%増加しました。財務体質の改善が進んでいることがわかります。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が17,849百万円、受取手形及び売掛金が9,395百万円、商品及び製品が11,664百万円となっています。為替変動により商品・製品が増加しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が6,449百万円、短期借入金が5,227百万円、長期借入金が3,093百万円となっています。長期借入金の減少が進んでいます。
純資産の部
純資産の部では、資本金が7,122百万円、利益剰余金が29,306百万円となっています。為替換算調整勘定の増加により純資産が増加しています。
ROAとROE
ROAは前期の6.03%から当期4.67%に減少しました。これは売上高の減少と資産の増加により、資産収益性が低下したためです。一方でROEは前期の11.14%から当期9.01%に減少しましたが、依然として高水準を維持しています。今後は収益性の改善と資産効率化に注力していく必要がありそうです。
キャッシュフロー
キャッシュフローの状況については、当第3四半期決算書に詳細な情報が記載されていません。財務体質の改善や株主還元の観点から、キャッシュフローの推移と使途について注目していく必要があります。
配当の支払額
株式会社河合楽器製作所は、年2回の配当を実施しています。2023年6月27日開催の定時株主総会の決議により、1株当たり85円の期末配当が支払われました。また、中間配当は1株当たり85円を予定しています。業績と株主還元のバランスを取りながら、安定した配当を目指しているようです。
今後の展望
株式会社河合楽器製作所は、2023年3月期から2025年3月期を対象とした第7次中期経営計画「Resonate 2024」を推進しています。この計画では、顧客接点の進化、需要拡大領域の強化、コスト増への対応を3つの柱として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。今後の業績回復に期待が高まっています。
編集部のまとめ
株式会社河合楽器製作所は、楽器製造・販売を中核事業とする老舗企業です。今期は物価高騰の影響もあり、売上高は減少したものの、利益率の改善によって減益幅は抑えられました。今後は新製品の投入や海外市場での拡大などに期待がかかっています。財務体質も改善傾向にあり、株主還元も安定的に行われています。楽器業界のリーディングカンパニーとしての位置づけを維持しつつ、更なる業績向上に注目していきたいと思います。
株式会社河合楽器製作所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社河合楽器製作所の決算は3月期で、年2回の配当を実施しています。期末配当は1株当たり85円、中間配当も85円を予定しており、株主還元に積極的に取り組んでいます。今後の業績回復と安定的な配当の継続が期待されます。