株式会社キングジムの2024年3月決算報告書が公表されました。キングジムは「テプラ」やステーショナリー、インテリア家具などを手掛ける文具メーカーです。この決算では、依然として新型コロナの影響がみられましたが、オフラインの買い物需要の回復やEC事業の伸長により、全体としては堅調な業績となりました。
企業情報
企業名: 株式会社キングジム
証券コード: E02398
決算期: 6月決算
株式会社キングジムの決算日・決算時期(スケジュール)は?
キングジムの決算日は6月20日で、四半期決算は9月、12月、3月に行われます。 年度後半の3月期に最も売上が集中する季節性があるのが特徴です。
主な事業
キングジムは、文具・事務用品事業とインテリアライフスタイル事業の2つを主力としています。文具事務用品事業では、「テプラ」ラベルプリンターやデジタル文具、スタイル文具などを展開。インテリアライフスタイル事業では、収納家具や照明器具、キッチン家電などの企画・開発・販売を手がけています。近年はEC販売にも力を入れています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は285億9,036万円と前年同期比1.2%減少しました。一方で、経常利益は2,443万円と前年同期比90.0%減と大幅な減益となりました。これは、原価上昇の影響や新型コロナ関連用品の在庫処理、販管費増加などが影響しています。
売上・利益の推移
これまでのキングジムの売上高は毎年39,000百万円前後で推移してきました。利益面では、直近3年間で経常利益は600百万円~700百万円の水準を維持してきましたが、今期は円安の影響などにより大きく減益となりました。
四半期連結貸借対照表について
キングジムの総資産は385億5,098万円となり、前連結会計年度末から27億3,883万円増加しました。これは主に、現金及び預金、売掛金、商品及び製品が増加したことによります。
資産の部
流動資産では、現金及び預金が71億円、売掛金が56億円となり、前期末から増加しています。また、商品及び製品も112億円と前期末から増加しています。固定資産は119億円となっています。
負債の部
負債合計は137億5,242万円と前期末から27億7,361万円増加しました。これは短期借入金が増加したことなどによるものです。流動負債では、支払手形・買掛金が14億円、短期借入金が61億円となっています。
純資産の部
純資産合計は247億9,856万円と前期末から3,477万円減少しました。親会社株主に帰属する四半期純損失7,389万円を計上したことなどが主な要因です。
ROAとROE
キングジムのROAは前期6.5%、ROEは6.1%となっています。今期は大幅な減益となったため、ROAやROEも低下する見込みです。今後はさらなる収益力の向上が課題となりそうです。
キャッシュフロー
キングジムの営業キャッシュフローは2022年6月期に約12億円のプラスでしたが、2023年6月期は約6億円のマイナスとなっています。これは、在庫の積み上がりなどによるものです。財務キャッシュフローは借入金の増加により7億円強のプラスとなっています。
配当の支払額
キングジムは年2回の配当を実施しており、第2四半期末と期末に各7円の配当を行っています。直近の2024年3月期の配当金総額は3億9,967万円となっています。
今後の展望
キングジムは中期経営計画の中で、「成長分野への注力」と「基盤事業の更なる強化」を掲げています。EC事業の拡大やインテリア事業の育成、M&Aによる事業領域の拡大など、さまざまな取り組みを進めています。今後の業績回復に期待がかかっています。
編集部のまとめ
今回のキングジムの決算では、新型コロナの影響はみられるものの、全体としては堅調な業績となりました。今後はEC事業の伸長やインテリア事業の強化など、成長分野への注力に期待が高まっています。引き続き、中期的な成長に向けた取り組みに注目が集まりそうです。
株式会社キングジムの決算日や配当についてまとめました。
キングジムの決算日は6月20日で、年2回の配当(第2四半期末、期末)を実施しています。2024年3月期の配当は1株7円、配当総額は3億9,967万円となっています。今後の業績回復と中期的な成長に期待が寄せられています。