株式会社重松製作所の2023年12月期第3四半期決算報告がアップされました。過去最高の売上高を記録するなど、好調な業績を上げてきた同社ですが、一方で製造原価の上昇に苦戦している状況も明らかになりました。今後の動向が注目されます。
企業情報
企業名: 株式会社 重松製作所
証券コード: E02383
決算期: 3月期
株式会社 重松製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社重松製作所の決算期は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日に行われており、2024年2月14日に四半期報告書が提出されました。
主な事業
株式会社重松製作所は、労働安全衛生保護具の製造販売を主な事業としています。防毒マスクや防じんマスク、自給式呼吸器、送気マスクなどの呼吸用保護具や、保護衣、保護手袋、酸素計、ガス検知器などさまざまな製品を手掛けています。専門性の高い製品を幅広く取り扱うことで、労働安全の分野でトップシェアを維持しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の売上高は87億53百万円と前年同期比2.7%の微減となりました。一方で、利益面では製造原価率の悪化により、営業利益は2億62百万円と前年同期比62.7%減、経常利益は2億88百万円と62.1%減となりました。
売上・利益の推移
株式会社重松製作所は近年、新型コロナウイルス対策関連製品の需要増加により、過去最高の売上高を記録してきました。2023年3月期決算では128億75百万円の売上を達成しています。一方で、今期第3四半期の業績では、コロナ関連需要の減少により減収となる一方で、原材料価格高騰の影響も受けて大幅な減益となっています。
四半期連結貸借対照表について
株式会社重松製作所は連結子会社を持たない単独上場企業のため、四半期連結貸借対照表ではなく四半期個別貸借対照表を開示しています。
資産の部
当第3四半期会計期間末の総資産は155億55百万円と、前事業年度末比3億53百万円の増加となりました。流動資産は91億96百万円、固定資産は63億59百万円です。受取手形及び売掛金の減少がある一方で、商品及び製品が増加するなど、資産構成に変化が見られます。
負債の部
当第3四半期会計期間末の負債合計は79億66百万円と、前事業年度末比13百万円の増加となりました。流動負債は54億83百万円、固定負債は23億82百万円です。短期借入金の増加がある一方で、支払手形及び買掛金、電子記録債務が減少しています。
純資産の部
当第3四半期会計期間末の純資産は、76億89百万円と前事業年度末比3億40百万円の増加となりました。利益剰余金の増加やその他有価証券評価差額金の増加などにより、自己資本比率は49.4%となっています。
ROAとROE
株式会社重松製作所のROA(総資産利益率)は当第3四半期累計期間で約1.9%と前年同期比で大幅に低下しています。これは、原材料価格高騰の影響による売上総利益率の悪化が主因です。一方でROE(自己資本利益率)は約2.5%と、依然として健全な水準を維持しています。自己資本比率が高く、財務基盤が安定していることが要因です。
キャッシュフロー
当第3四半期累計期間のキャッシュ・フローの状況については、四半期財務諸表に記載がありませんでした。ただし、前年同期の減価償却費が5億31百万円、当第3四半期累計期間は4億12百万円と減少していることから、設備投資が抑制気味であることが推察されます。
配当の支払額
株式会社重松製作所は、2023年6月29日開催の定時株主総会において、1株当たり15円の期末配当を決議しています。前期と同水準の配当を維持しており、安定配当を行っている企業といえます。
今後の展望
株式会社重松製作所は、新型コロナウイルス対策関連製品の需要減少に伴う業績悪化に直面しています。一方で、労働安全衛生の重要性がますます高まる中で、同社の主力製品である呼吸用保護具の需要は底堅く推移すると期待されます。今後は原材料価格高騰の影響を最小限に抑えつつ、新製品開発や販路拡大などに取り組み、業績回復を目指すことが課題となるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社重松製作所は、新型コロナウイルス対策製品の需要増加で過去最高の業績を記録してきましたが、その反動で第3四半期は減収減益となりました。一方で、主力の呼吸用保護具事業は底堅く、安定した配当も魅力的です。今後の原材料価格の推移や新製品の開発動向などが注目されます。
株式会社 重松製作所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社重松製作所の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日に行われています。配当については、1株当たり15円の期末配当を実施しており、安定した配当政策を継続しています。今後の事業展開と業績回復に期待が高まります。