株式会社三陽商会の2024年度第1四半期決算報告書が発表されました。アパレルを核とするファッション関連事業を手掛ける同社の経営状況について、分かりやすく解説します。
企業情報
企業名: 株式会社三陽商会
証券コード: 80110
決算期: 2024年2月期
株式会社三陽商会の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社三陽商会の決算日は2月末日で、四半期決算の公表は7月12日に行われました。年間の決算スケジュールとしては、2月末日決算期末、5月下旬に定時株主総会、7月に第1四半期決算、10月に第2四半期決算、1月に第3四半期決算を公表しています。
主な事業
株式会社三陽商会はアパレル製品の企画、製造、販売を主な事業としています。主要ブランドには「マッキントッシュ フィロソフィー」「マッキントッシュ ロンドン」「ザ・スコッチハウス」などがあり、百貨店やファッションビル、直営店、ECサイトなど、多様な販路を持っています。
今期の業績と利益率は?
2024年度第1四半期の業績は、売上高153億78百万円、営業利益7億47百万円、経常利益7億30百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益5億90百万円と前年同期を下回りました。しかし、売上総利益率63.9%と改善しており、プロパー販売比率の上昇が寄与しています。
売上・利益の推移
過去1年間の売上高は2024年2月期154億44百万円、2023年2月期164億46百万円と減少傾向にありますが、経常利益は2024年2月期22億20百万円、2023年2月期16億74百万円と増加しています。この背景には、リベンジ消費の反動減に加え、販管費の効率化などが影響しているようです。
四半期連結貸借対照表について
2024年5月31日時点の総資産は608億9百万円で、前連結会計年度末比20億50百万円増加しています。主な変動要因は、投資有価証券が19億98百万円増加したことなどです。
資産の部
流動資産は364億76百万円で、前期末比2億67百万円増加しています。現金及び預金が55百万円増加、売掛金が3億41百万円増加しました。固定資産は243億32百万円で、前期末比17億84百万円増加しています。投資有価証券が19億98百万円増加したことが主な要因です。
負債の部
流動負債は104億14百万円で、前期末比4億69百万円減少しました。短期借入金が7億65百万円減少しています。固定負債は82億4百万円で、前期末比15億88百万円増加しました。繰延税金負債が5億28百万円増加したことが主な要因です。
純資産の部
純資産は421億90百万円で、前期末比9億32百万円増加しました。その他有価証券評価差額金が13億76百万円増加した一方で、利益剰余金が4億36百万円減少しています。
ROAとROE
ROAは2024年2月期2.4%、2023年2月期3.0%と減少傾向にあります。これは、売上減少に加え、前期のコロナ禍後の反動的な収益改善が落ち着いてきたためです。一方、ROEは2024年2月期6.1%、2023年2月期4.2%と改善しており、自己資本の効率的な運用ができていると評価できます。
キャッシュフロー
2024年2月期の営業キャッシュフローは25億3百万円の収入、投資キャッシュフローは7億32百万円の支出、財務キャッシュフローは18億94百万円の支出となりました。営業活動で得られたキャッシュを、設備投資や借入金返済、配当金支払いに充当していることがわかります。手元流動性は健全に保たれています。
配当の支払額
2024年2月期の1株当たり配当金は88円と前期の55円から大幅に増加しました。業績回復を受け、配当性向は71.8%と高水準となっています。株主還元の強化が企業方針の一つであることが伺えます。
今後の展望
対コロナ対応が一段落し、インバウンド需要の取り込みに注力していく方針です。主力ブランドの商品力と販売力の強化に加え、オムニチャネル化の推進で、売上・収益の拡大を目指します。中期経営計画の最終年度にあたる2025年2月期は、営業利益25億円の達成を目標としています。
編集部のまとめ
株式会社三陽商会の2024年度第1四半期決算は、前年同期比で減収減益となりましたが、利益率の改善や自己資本の効率的運用など、総じて良好な経営状況が続いているようです。中期的な成長が期待できる企業だと評価できます。今後の業績推移に注目していきましょう。
株式会社三陽商会の決算日や配当についてまとめました。
株式会社三陽商会の決算日は2月末日で、四半期決算の公表は7月12日に行われています。2024年2月期の1株当たり配当金は88円と大幅に増加しており、配当性向が71.8%と高水準となっています。株主還元の強化が企業の重要な方針の1つと言えるでしょう。