日本紙パルプ商事株式会社の2023年度第3四半期決算が発表されました。売上収益は前年同期比2.4%減の411,557百万円となりましたが、経常利益は13,855百万円と、依然高水準を維持しています。
主力の国内外の卸売事業や製紙加工事業が全体の収益を牽引し、安定した業績を残しています。世界的な景気悪化の影響もありますが、需要に応じた柔軟な供給体制と価格修正の実施により、収益性を確保できたようです。
企業情報
企業名: 日本紙パルプ商事株式会社
証券コード: E02510
決算期: 3月期
日本紙パルプ商事株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本紙パルプ商事株式会社は3月期決算を行っています。 第3四半期の決算は2023年12月31日が期末日となっています。
主な事業
日本紙パルプ商事株式会社は、主に「国内卸売」「海外卸売」「製紙加工」「環境原材料」「不動産賃貸」の5つの事業セグメントを展開しています。国内外の紙・板紙の卸売、段ボールや再生家庭紙の製造販売、古紙の収集・リサイクル、不動産賃貸などを手掛ける総合ペーパー商社です。幅広い事業ポートフォリオを持ち、安定した収益基盤を構築しています。
今期の業績と利益率は?
今期の第3四半期累計期間の業績は、売上収益が411,557百万円と前年同期比で2.4%減少しました。一方、経常利益は13,855百万円と前年同期比19.4%減少しています。利益率は高水準を維持していますが、原材料価格高騰やエネルギーコストの上昇などの影響を受けています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上と利益の推移を見ると、売上収益は545,279百万円(2023年3月期)と堅調に推移しています。一方、経常利益は前年度から減少傾向にあり、24,706百万円(2023年3月期)、13,855百万円(2023年12月期第3四半期累計期間)となっています。紙の需要減少や原燃料価格高騰などの影響を受けつつも、製品価格修正などの対応策により、一定の収益を維持できていると評価できます。
四半期連結貸借対照表について
日本紙パルプ商事の四半期連結貸借対照表を見ると、資産は前期末比612百万円増の385,741百万円となりました。一方、負債は前期末比6,274百万円減の250,560百万円と改善しています。純資産は前期末比6,886百万円増の135,181百万円と、順調な財務体質の維持が確認できます。
資産の部
資産の部では、受取手形及び売掛金が151,932百万円と増加しています。一方で、現金及び預金が21,564百万円と減少しました。棚卸資産は58,402百万円と前期末から7,028百万円減少しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が104,452百万円と減少しました。また、有利子負債も前期末比8,730百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が96,276百万円と増加しています。一方で自己株式が11,629百万円と大幅に増加しました。これにより、自己資本比率は32.3%となっています。
ROAとROE
日本紙パルプ商事のROAは前期の2.9%から当第3四半期累計期間で2.3%に低下しています。一方、ROEは前期の14.1%から当第3四半期累計期間で7.0%と大幅に減少しました。これは主に経常利益の減少によるものと考えられますが、依然として高い水準を維持しています。今後の経営改善に期待が寄せられます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,396百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローが6,445百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローが△8,849百万円と、全体としてはマイナスのキャッシュ・フローとなっています。支出面では有利子負債の返済などがあり、保有現金が9,577百万円減少しています。
配当の支払額
日本紙パルプ商事は、これまで安定した配当を維持してきました。2023年5月期の年間配当金は120円(うち中間配当60円)、2024年3月期の中間配当金は65円と、中間配当金は前年同期比5円増加しました。今後も一定の配当水準を確保する方針のようです。
今後の展望
経営環境が厳しくなる中、日本紙パルプ商事はグローバルな事業展開と事業ポートフォリオの拡大で収益基盤の強化に取り組んでいくとしています。紙・板紙の需要減少への対応と、環境・リサイクル事業の強化による成長がカギになるでしょう。また、コストコントロールと資本効率の改善にも努めていく方針です。引き続き業績の向上に期待が持てる企業といえます。
編集部のまとめ
日本紙パルプ商事は、紙・板紙の卸売事業を中心に、製紙加工やリサイクル事業など多角化した収益基盤を有する老舗の商社です。世界的な経済環境の悪化や原料高の影響を受けつつも、販売価格の修正等により一定の収益を確保できています。今後も環境変化に適応した事業ポートフォリオの見直しを進め、持続的な成長を目指していくとみられます。配当の安定性も評価できる企業と言えるでしょう。
日本紙パルプ商事株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本紙パルプ商事の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日となっています。また、同社は従来から安定した配当を実施しており、2024年3月期の中間配当は1株当たり65円と、前年同期比5円増加しました。引き続き業績の上昇と株主還元に期待が持てる企業といえるでしょう。