東京産業株式会社の第3四半期決算報告が発表されました。コロナ禍の影響による経済活動の制限が緩和され、緩やかな景気回復がみられましたが、その一方で国際情勢の緊迫化や物価高など、まだまだ経営環境は厳しい状況です。そんな中、同社の業績は売上高が前年同期比5.5%減の458億22百万円、営業損失が7億60百万円と苦戦しています。
企業情報
企業名: 東京産業株式会社
証券コード: 80700
決算期: 3月期
東京産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東京産業株式会社の決算日は3月31日です。また、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われています。
主な事業
東京産業株式会社は1950年に設立された総合商社です。電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業の3つのセグメントを主に展開しています。電力事業では太陽光発電関連商品の販売や電力の販売、環境・化学・機械事業では産業機械や化学品の販売、生活産業事業では食品や生活用品の販売などを手掛けています。特に再生可能エネルギー関連事業が同社の重要な収益源となっています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高458億22百万円、営業損失7億60百万円となりました。利益率は厳しい状況です。これは、主に環境・化学・機械事業で特定の太陽光発電所の建設請負工事案件で損失が発生したことが影響しています。一方で電力事業は増収増益となり堅調に推移しました。
売上・利益の推移
過去3年間の実績を見ると、2022年3月期の売上高は638億88百万円、営業利益は33億51百万円と好調でしたが、2023年3月期は売上高が578億88百万円、営業利益は21億95百万円と減少しています。当第3四半期では売上高が大幅に減少し、損失計上となっています。環境・化学・機械事業の不調が響いた形です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は749億41百万円で、前期末比59億68百万円の減少となりました。流動資産が減少したことが主な要因です。一方、負債合計は556億45百万円で、前期末比14億38百万円の増加となりました。短期借入金の増加等により流動負債が増加しています。純資産は192億96百万円と前期末比74億7百万円減少しており、自己資本比率は25.7%となっています。
資産の部
流動資産が減少した要因は、前渡金の減少によるものです。また固定資産は長期未収入金の貸倒引当金計上により減少しています。
負債の部
短期借入金の増加により流動負債が増加しています。一方、退職給付に係る負債が減少しています。
純資産の部
親会社株主に帰属する四半期純損失の計上と、長期未収入金の回収可能性評価に伴う過年度利益剰余金の減額により、純資産が大幅に減少しています。
ROAとROE
東京産業株式会社のROAは前期末の5.3%から当第3四半期末は△0.6%に、ROEは前期末の7.2%から当第3四半期末は△21.1%と大幅に低下しています。これは主に営業損失計上と長期未収入金の回収可能性評価の見直しによる利益剰余金の減少が影響しています。収益力の低下と自己資本の減少により収益性指標が悪化しています。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書は開示されていないため、詳細な情報は不明です。ただ、流動性に関する懸念も示唆されているため、今後のキャッシュ管理が重要になると考えられます。
配当の支払額
東京産業株式会社は、中間配当として1株当たり18円を支払いました。年間配当金は33円を予定しているため、現在の1株当たり株価から見ると配当利回りは5%程度となります。配当政策は堅実に維持されているようです。
今後の展望
東京産業株式会社は、外部調査委員会による調査結果を踏まえ、長期未収入金の回収可能性評価の見直しや、太陽光発電所の建設案件における工事原価の適切な管理などに取り組みます。これらの課題を解決し、収益力の改善に努める必要があるでしょう。一方で、電力事業は堅調に推移しており、同社の強みである再生可能エネルギー関連事業の拡大に期待が寄せられています。
編集部のまとめ
東京産業株式会社は、コロナ禍の影響から徐々に回復しつつありますが、新たな課題にも直面しています。外部調査委員会による事実関係の解明と適切な会計処理の実現に加え、電力事業の強みを生かしながら、収益力の改善に努めることが重要でしょう。株主還元面では、着実な配当政策を維持していることが評価できます。今後の業績改善に期待が寄せられています。
東京産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東京産業株式会社の決算日は3月31日、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われています。また、同社は中間配当として1株当たり18円を支払いました。年間配当金は33円を予定しているため、現在の株価から見ると配当利回りは5%程度となっています。同社の配当政策は堅実に維持されているようです。