今回の稲畑産業株式会社の決算報告は、同社の健全な経営状態を示すものといえます。売上高は前年同期比2.1%増の572,995百万円と順調に推移しており、経常利益も6.5%増の16,402百万円と伸長しています。特に情報電子事業や化学品事業、生活産業事業などのセグメントが好調で、同社の事業展開の多様性が功を奏していることがわかります。
企業情報
企業名: 稲畑産業株式会社
証券コード: 80980
決算期: 2023年3月期
稲畑産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
稲畑産業株式会社の決算日は3月31日です。同社の決算期は年1回の3月期で、決算発表は毎年5月頃に行われます。
主な事業
稲畑産業株式会社は、化学品、合成樹脂、情報電子、生活産業の4つの事業セグメントを展開しています。化学品事業では塗料・インキ・接着剤などの原料、合成樹脂事業では合成樹脂製品の販売、情報電子事業ではFPDやLED、太陽電池などの関連製品の販売、生活産業事業では医薬品原料や水産物などの販売を行っています。幅広い事業領域を持つ総合商社として、世界各国で事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
稲畑産業株式会社の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が572,995百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益が16,319百万円(同1.2%増)、経常利益が16,402百万円(同6.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が16,686百万円(同8.7%増)と、利益面でも順調に推移しています。セグメント別では、情報電子事業、化学品事業、生活産業事業が好調で、同社の多角化経営が功を奏していることがわかります。
売上・利益の推移
過去3年の同社の業績を見ると、売上高は年々増加傾向にあり、営業利益、経常利益、当期純利益も安定的に推移しています。特に当期は新規連結子会社の影響もあり大幅な増益となりました。これは同社の事業基盤の強さと事業の多様性を示しているといえます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が409,952百万円と前連結会計年度末に比べて7.8%増加しています。一方で負債合計も213,487百万円と7.3%増加しており、純資産は196,465百万円と8.2%増加しています。自己資本比率は46.4%と一定の財務健全性を保っています。
資産の部
同社の資産は、流動資産が25,975百万円増加したことが主な要因です。具体的には売掛金と現金及び預金が増加しています。一方で固定資産も3,533百万円増加しており、事業拡大に向けた設備投資等が進んでいることがうかがえます。
負債の部
負債合計は8,099百万円の増加となっています。これは主に支払手形及び買掛金の増加によるものです。一方で固定負債も6,451百万円増加しており、長期資金の調達も進められています。
純資産の部
純資産合計は14,958百万円増加しています。これは主に利益剰余金、為替換算調整勘定、非支配株主持分の増加によるものです。自己資本比率も46.4%と高水準を維持しており、財務の健全性が確保されています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は直近5.1%、ROE(自己資本利益率)は9.2%となっています。いずれも業界平均を上回る水準にあり、効率的な資産運用と収益力の高さが確認できます。今後も収益力の維持・向上が期待されます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に確保されており、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資に充当されています。一方で財務活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっており、外部からの資金調達も進められています。全体としてキャッシュ・ポジションは健全に推移しているといえます。
配当の支払額
同社は年2回の配当を行っており、当期の年間配当金は1株当たり120円となっています。この水準は前期と同額で、同社の安定的な配当方針が継続されていることがわかります。今後も株主還元に注力していくと考えられます。
今後の展望
同社は、事業ポートフォリオの強化、成長市場への事業展開の加速、グローバルな事業基盤の拡充などを中期的な経営課題としています。今回の決算では、これらの取り組みが順調に進捗していることが確認できます。今後も同社の持続的な成長と企業価値の向上が期待されます。
編集部のまとめ
今回の稲畑産業株式会社の決算は、同社の事業基盤の強さと収益力の高さを示しています。主要セグメントの好調な業績、健全な財務状況、安定的な株主還元など、同社の経営の質の高さが窺えます。今後も同社の持続的な成長と企業価値の向上が期待されます。
稲畑産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
稲畑産業株式会社の決算日は3月31日で、年1回の3月期決算を行っています。また、同社は年2回の配当を行っており、当期の年間配当金は1株当たり120円となっています。今後も同社の安定的な配当方針が継続されるものと期待されます。