この度、株式会社髙島屋の第3四半期決算が発表されました。増収増益と好調な業績を見せた同社ですが、今後の成長に向けても課題に取り組んでいることがわかりました。業績の詳細や今後の展望について、株価投資を検討されている方は注目が必要ですね。
企業情報
企業名: 株式会社髙島屋
証券コード: 82330
決算期: 2024年2月期(第158期)
株式会社髙島屋の決算日・決算時期(スケジュール)は?
決算日は2月28日、決算発表は例年4月上旬に行われます。今回の四半期決算は第3四半期(2023年9月1日~11月30日)の決算となります。
主な事業
株式会社髙島屋は百貨店業をコアとしつつ、商業開発業、金融業、建装業など多角的な事業を展開しています。百貨店事業では、大阪、東京、京都など主要都市に店舗を構え、ファッションや雑貨、食品などの品揃えを強みとしています。また、商業開発事業では商業施設の開発・運営にも注力しており、国内外で事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は増収増益となりました。売上高は274,610百万円と前年同期比5.2%増、営業利益は33,209百万円と45.3%増と大幅な伸びを示しています。特に百貨店事業は売上高と営業利益ともに増加しており、着実な業績回復が見られています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と営業利益の推移を見ると、2022年2月期にはコロナ禍の影響で大幅な減収となりましたが、2023年2月期には売上高が368,863百万円、営業利益が34,520百万円と回復基調にあります。今期はさらに売上高、営業利益ともに増加しており、同社の業績は着実な回復傾向にあると言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は1,246,494百万円と前期末比で68,293百万円増加しています。一方、負債は780,513百万円と38,794百万円増加、純資産は465,981百万円と29,498百万円増加しました。
資産の部
主な増加は受取手形、売掛金及び契約資産の増加によるものです。一方、固定資産は大きな変動はありませんでした。
負債の部
主な増加は支払手形及び買掛金の増加によるものです。有利子負債は減少傾向にあり、財務の健全性が維持されています。
純資産の部
利益剰余金や為替換算調整勘定が増加し、自己資本比率は35.4%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は前期の7.7%から当第3四半期は3.5%と低下しました。一方、ROE(自己資本利益率)は前期の8.0%から7.1%とやや減少しています。これは主に経常利益の増加ペースが資産や自己資本の増加ペースを上回ったためです。今後は、更なる収益改善とともに効率的な資産運用に取り組むことで、これらの指標の向上が期待されます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは38,014百万円の収入となり、前年同期比で20,068百万円増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは22,318百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは16,576百万円の支出となりました。これらの結果、現金及び現金同等物の当第3四半期末残高は92,948百万円となっています。
配当の支払額
当期の配当については、中間配当が1株当たり17円、期末配当は未定となっています。前期の年間配当は1株当たり31円でしたので、今期も株主還元の方針に変わりはないと考えられます。
今後の展望
髙島屋グループは、「まちづくり」の経営戦略のもと、百貨店の営業力強化、グループ会社の業界競争力向上、ESG経営の推進など、持続的な成長と飛躍に向けた取り組みを進めています。コロナ禍からの回復段階から、さらに収益基盤の強化やグループ経営の強化を図っていく方針です。訪日外国人客の回復や新規事業の拡大など、成長に向けた施策に期待が集まるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社髙島屋は、コロナ禍からの回復基調にあり、当第3四半期も増収増益を達成しました。今後は、まちづくりを核とした成長戦略の実行や、ESG経営の深化など、持続的な発展に向けた取り組みが注目されます。業績の推移やキャッシュフロー、ROA・ROEなどの経営指標も堅調に推移しており、株主還元も継続される見通しです。同社の今後の動向に期待が高まります。
株式会社髙島屋の決算日や配当についてまとめました。
髙島屋の決算日は2月28日で、決算発表は例年4月上旬に行われます。今回の決算は第3四半期(2023年9月1日~11月30日)の決算となります。配当は中間配当が1株当たり17円、期末配当は未定となっています。前期は年間31円の配当だったので、今期も株主還元を継続する見通しです。