イオン株式会社の決算報告書の内容をご紹介します。この四半期決算は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中での結果ですが、売上は過去最高を更新し、堅調な業績となっています。
企業情報
企業名: イオン株式会社
証券コード: 82670
決算期: 2024年2月期
イオン株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
イオン株式会社の決算日は2月末です。四半期決算は3月、6月、9月、12月の各月末に行われ、2024年7月16日に2024年2月期第1四半期の決算報告書が提出されました。
主な事業
イオン株式会社は、総合スーパー(GMS)事業、スーパーマーケット(SM)事業、ディスカウントストア(DS)事業、ヘルス&ウエルネス事業、総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業などを展開しています。国内外の約1万7,000店舗を有し、小売業を中心としたサービス事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の連結業績は、営業収益が2兆4,492億16百万円と過去最高を更新しました。一方で、営業利益は477億95百万円と前年同期比で36億73百万円の減益となりました。売上高は増加したものの、人件費の上昇やポイントプログラムの強化に伴う販売費及び一般管理費の増加などにより、利益率は低下しています。
売上・利益の推移
当第1四半期の営業収益は2兆4,492億16百万円と過去最高を更新しました。前年同期比で5.4%の増収となっています。一方で、営業利益は453億97百万円と前年同期より27億23百万円の減益となりました。利益面では減益となったものの、引き続き堅調な業績推移が確認できます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、13兆874億65百万円となり、前連結会計年度末から1,465億95百万円増加しました。負債は、11兆103億63百万円と1,566億95百万円増加しました。一方、純資産は2兆771億1百万円と100億99百万円減少しています。
資産の部
資産の部では、銀行業における貸出金が3,338億15百万円、投資有価証券が631億48百万円、有形固定資産が605億49百万円増加した一方で、現金及び預金が2,987億49百万円減少しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が2,839億44百万円、支払手形及び買掛金が507億28百万円、銀行業における預金が302億67百万円増加した一方で、コマーシャル・ペーパーが1,183億30百万円、短期借入金が864億76百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、前連結会計年度末から100億99百万円減少し、2兆771億1百万円となりました。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の2.1%から2.0%に、ROE(自己資本利益率)は前年同期の2.8%から0.9%と低下しています。これは、売上の増加が利益確保には結び付かず、全体として利益率が低下したことが要因と考えられます。今後は収益性の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
キャッシュ・フロー計算書の作成は省略されているため、詳細な情報は確認できませんが、前連結会計年度からの現金及び現金同等物の減少額は2,987億49百万円となっています。事業活動によるキャッシュ・インフローは確保できているものの、投資活動や財務活動によるキャッシュ・アウトフローが大きくなっていることがうかがえます。
配当の支払額
当第1四半期の配当金の総額は15,427百万円で、1株当たり18円の配当が行われています。前年同期と同水準の配当となっています。株主還元に関しては、引き続き安定的な配当を目指しているものと考えられます。
今後の展望
イオン株式会社は、中期経営計画で掲げた「デジタルシフトの加速と進化」「サプライチェーン発想での独自価値の創造」「新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化」「イオン生活圏の創造」「アジアシフトの更なる加速」の5つの変革を推進しています。また、2040年までにCO2排出量の総量ゼロを目指すなど、サステナビリティへの取り組みも加速させています。今後も、多様化するお客様のニーズに対応しつつ、グループ全体の成長と収益性の向上に注力していくものと期待されます。
編集部のまとめ
イオン株式会社の2024年2月期第1四半期の決算は、新型コロナ禍の影響が続く中でも、売上高が過去最高を更新するなど堅調な業績となっています。一方で、人件費やポイントプログラムの強化などにより利益面では減益となっています。今後は、デジタル化の推進やサステナビリティへの取り組み強化など、中長期的な成長に向けて様々な施策を進めていくことが重要になります。イオン株式会社の今後の動向に注目していきましょう。
イオン株式会社の決算日や配当についてまとめました。
イオン株式会社の決算日は2月末で、四半期決算は3月、6月、9月、12月の各月末に行われています。当第1四半期の配当金は1株当たり18円で、前年同期と同水準の配当が行われました。株主還元に関しては、引き続き安定的な配当を目指しているものとみられます。