株式会社岩手銀行の2023年度第3四半期の決算報告が公開されました。中期的には緩やかな回復傾向にあるものの、経済の先行き不透明感から一部に弱さがみられる状況です。しかし、個人預金や法人向け貸出が増加し、業績も堅調に推移しています。岩手銀行は地域の金融機関として地域経済を支えつつ、収益確保にも注力しています。先行きに期待が持てる業績報告となっています。
企業情報
企業名: 株式会社岩手銀行
証券コード: 83450
決算期: 2023年3月期
株式会社岩手銀行の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社岩手銀行の決算期は3月期です。つまり、毎年3月31日に決算を行い、その後4月頃に決算報告書を公表しています。
主な事業
株式会社岩手銀行は、銀行業・リース業・クレジットカード業・信用保証業を主な事業としています。銀行業が中核事業で、岩手県内を中心に店舗展開しており、地域密着型の金融サービスを提供しています。また、連結子会社として全国展開するリース会社やクレジットカード会社を有しており、多角的な事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期の連結業績は、経常収益321億54百万円、経常利益52億18百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益33億85百万円となりました。銀行業務の収益が堅調に推移し、経常利益率は16.2%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年の売上高(経常収益)は、2021年度377億5百万円、2022年度376億5百万円、2023年度第3四半期321億54百万円と推移しています。利益面では、2021年度経常利益62億90百万円、2022年度経常利益52億18百万円、2023年度第3四半期経常利益52億18百万円となっており、堅調な業績を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、資産総額3兆7991億円、負債総額3兆6076億円、純資産1914億円となっています。主な増加は、預金が3兆3450億円、貸出金が2兆705億円と伸長しているほか、有価証券も1兆1684億円と増加しています。
資産の部
資産の部では、預け金647億円、有価証券1兆1684億円、貸出金2兆705億円が主要項目となっています。預け金は市中銀行への預け金が増加し、有価証券は短期社債等が増加しています。また、貸出金も堅調に増加しています。
負債の部
負債の部では、預金3兆2596億円、借用金1459億円が主要項目となっています。個人預金や法人預金が増加したことで、預金残高が大幅に増加しています。
純資産の部
純資産の部では、資本金120億円、利益剰余金1671億円、その他包括利益累計額113億円となっています。利益剰余金が着実に積み上がっているほか、その他包括利益累計額も改善しています。
ROAとROE
岩手銀行のROA(総資産経常利益率)は第3四半期累計で0.18%、ROE(自己資本経常利益率)は3.83%となっています。経常利益が高水準を維持しているため、ROAは良好な水準を維持しています。一方、自己資本の積み上がりも着実に進んでおり、ROEも改善傾向にあります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加などから1433億円の収入となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは有価証券投資などから871億円の支出となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払いなどから67億円の支出となっています。全体としては、495億円の増加となり、手元流動性は十分な水準にあります。
配当の支払額
2023年度第2四半期の中間配当は1株当たり40円、第3四半期の配当は1株当たり40円が支払われています。前年同期比では減配になりましたが、安定的な配当を維持しています。
今後の展望
岩手銀行は、地元岩手県の主要金融機関として、地域経済の活性化に貢献することを経営の柱に据えています。また、デジタル化への対応やリース事業、クレジットカード事業の強化など、多角化と収益力の向上にも注力しています。先行きの不透明感もありますが、地域に根差した安定した経営基盤を有しており、今後の業績拡大が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社岩手銀行の2023年度第3四半期の決算は、経常収益、経常利益ともに前年同期比で減少したものの、なお高水準を維持しています。預金、貸出金、有価証券が増加するなど、財務体質も安定しています。地域金融機関として地域密着経営を続け、収益力の向上にも努めるなど、中長期的な成長が期待できる業績報告となりました。
株式会社岩手銀行の決算日や配当についてまとめました。
株式会社岩手銀行の決算期は3月期で、毎年3月31日に決算を行い、その後4月頃に決算報告書を公表しています。2023年度の中間配当は1株当たり40円、期末配当も40円が支払われる見通しで、安定的な配当政策を維持しています。