三菱HCキャピタル株式会社の最新の決算報告が公開され、企業の健全な経営状態が確認できました。売上高は前年同期比1.0%増加の1兆4,250億円と、順調に推移している様子が見られます。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は805億円と、前年同期比6.2%の減益ながらも高い水準を維持しています。今後も、環境エネルギー事業の強化やグローバル展開の加速など、意欲的な取り組みを続けていくことが期待されます。
企業情報
企業名: 三菱HCキャピタル株式会社
証券コード: 85930
決算期: 3月期
三菱HCキャピタル株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三菱HCキャピタル株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算書の提出期限は2月9日となっています。通期の決算発表は例年5月中旬頃に行われます。
主な事業
三菱HCキャピタル株式会社は、リース、ファイナンス、不動産、環境エネルギー、航空機関連など、多岐にわたる事業を展開しています。特に、再生可能エネルギー事業や航空機リース事業などが中核事業となっています。近年では、ESG投資やSDGsへの取り組みを強化しており、脱炭素社会の実現に向けたグリーンファイナンスにも注力しています。
今期の業績と利益率は?
三菱HCキャピタル株式会社の今期の業績は、売上高が前年同期比1.0%増加の1兆4,250億円となり、堅調に推移しています。一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は805億円と前年同期比6.2%の減益となりました。これは、不動産セグメントの米国案件における損失や環境エネルギーセグメントの減損損失計上などの影響によるものです。しかし、ROA(資産利益率)は1.5%、ROE(自己資本利益率)は10%程度を目指す中期経営計画の目標に沿って推移しており、全体としては健全な経営状態を維持しています。
売上・利益の推移
三菱HCキャピタル株式会社の売上高は前期比1.0%増加の1兆4,250億円となりました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は805億円と前年同期比6.2%減益にとどまりました。これは、不動産セグメントの米国案件における損失計上や環境エネルギーセグメントでの減損損失計上などがあったものの、航空セグメントの業績回復や、ロジスティクスセグメントの好調な推移により、減益幅が抑えられた結果です。
四半期連結貸借対照表について
三菱HCキャピタル株式会社の総資産は前期末比5,301億円増加の11兆2,563億円となっています。これは主に、航空セグメントや不動産セグメントにおける新規案件の増加などによるものです。一方、負債は前期末比4,080億円増加の9兆5,831億円となっており、借入金や社債の増加が主な要因です。純資産は前期末比1,221億円増加の1兆6,732億円で、自己資本比率は14.7%となっています。
資産の部
三菱HCキャピタル株式会社の資産の部では、リース債権及びリース投資資産が3兆2,709億円と最も大きな割合を占めています。また、営業貸付金が1兆8,008億円、賃貸資産が4兆2,425億円と、いずれも大きな金額になっています。これらのリース資産や貸付資産の増加が、総資産の増加につながっているものと考えられます。
負債の部
三菱HCキャピタル株式会社の負債の部では、長期借入金が3兆4,361億円と最も大きな金額となっています。また、短期借入金が4,854億円、社債が1兆6,301億円と、有利子負債が大きな割合を占めています。これらの有利子負債の増加が、総負債の増加の主な要因となっています。
純資産の部
三菱HCキャピタル株式会社の純資産は1兆6,732億円となっています。このうち、資本金が332億円、資本剰余金が5,462億円、利益剰余金が7,318億円となっています。自己資本比率は14.7%と、一定の水準を保っています。
ROAとROE
三菱HCキャピタル株式会社のROA(資産利益率)は1.4%、ROE(自己資本利益率)は10%程度となっています。ROAは前年同期比わずかに低下したものの、ROEは目標水準をほぼ達成しています。これは、業績が堅調に推移し、資産効率が改善したことが主な要因と考えられます。また、中期経営計画では2025年度にROA1.5%、ROE10%程度を目標に掲げており、今後もこれらの指標を重点的に管理していくことが期待されます。
キャッシュフロー
三菱HCキャピタル株式会社の営業活動によるキャッシュ・フローは新規案件の増加などから大幅な増加となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは減少傾向にあり、中期的にはキャッシュ・フローの改善が見込まれると考えられます。今後は、事業ポートフォリオの変革などに向けた投資にも注目が集まることになりそうです。
配当の支払額
三菱HCキャピタル株式会社は、中間配当金として1株当たり18円を支払いています。また、期末配当金も同様の水準が見込まれており、年間の配当性向は40%以上を目安としています。安定した配当政策を維持しつつ、事業投資にも力を入れているのが同社の特徴といえるでしょう。
今後の展望
三菱HCキャピタル株式会社は、「ビジネスモデルの進化・積層化」を中期経営計画の重点施策に掲げています。具体的には、環境エネルギー事業の強化、グローバル展開の加速、DXの推進などに注力していく方針です。特に、欧州の大手再生可能エネルギー企業「European Energy」への出資は、同社の脱炭素社会実現への取り組みを加速させる重要な施策といえます。今後も、市場ニーズを的確に捉え、持続的な成長を遂げていくことが期待されます。
編集部のまとめ
三菱HCキャピタル株式会社の決算は、全体として健全な状況にあるといえます。売上高は前年同期から増加し、利益率も一定の水準を維持しています。今後は、再生可能エネルギー事業の強化やグローバル展開の加速など、新たな成長戦略に注目が集まるでしょう。同社は、顧客ニーズに柔軟に対応しながら、持続的な企業価値の向上を目指していくことが期待されます。
三菱HCキャピタル株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三菱HCキャピタル株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算書の提出期限は2月9日となっています。配当については、中間配当金が1株当たり18円と、安定的な配当政策を維持しています。今後も、事業投資と株主還元のバランスを取りながら、企業価値の向上に努めていくことが期待されます。