丸三証券株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告書を分析しました。営業収益は132億50百万円と前年同期比17.6%の増収となり、経常利益は25億67百万円と263.2%の大幅増益でした。株式委託手数料の増加やサービス収入の伸びなどが業績を牽引しています。
企業情報
企業名: 丸三証券株式会社
証券コード: 86130
決算期: 3月期
丸三証券株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
丸三証券の決算期は3月期で、四半期決算は6月、9月、12月に行われています。今回の決算は2023年12月31日を期末とする第3四半期決算となります。
主な事業
丸三証券は、証券会社として株式や債券の売買、投資信託の販売などの金融サービスを提供しています。特に株式の委託売買やオンライントレーディング、投資家向けの情報提供などに強みを発揮しており、個人投資家を中心に幅広い顧客層を持っています。また、不動産の仲介やファイナンシャルプランニングなどの周辺サービスも手掛けています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期は、純営業収益132億10百万円と17.7%の増収となりました。営業利益は21億4百万円と大幅な増益となり、経常利益は25億67百万円と263.2%も増加しています。株式委託手数料や投資信託の販売が好調だったことが主な要因です。利益率も高水準で、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億71百万円と234.2%の大幅増益となっています。
売上・利益の推移
過去3年の業績をみると、2023年3月期の営業収益は148億31百万円と堅調に推移しています。経常利益も8億52百万円と安定した水準を維持しています。今期の第3四半期は、営業収益132億50百万円と前年同期比で17.6%の大幅な増収となり、経常利益も25億67百万円と263.2%も増加しています。株式市場の活況を受けて、手数料収入が大幅に伸びたことが主因です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は837億78百万円と、前期末から161億76百万円増加しています。現金・預金が128億64百万円増加したほか、投資有価証券も35億8百万円増加しています。一方、負債は355億85百万円と140億70百万円増加しており、主に顧客の預り金が122億27百万円増加したことによるものです。純資産は481億92百万円と、21億5百万円増加しています。
資産の部
流動資産は645億94百万円と大幅に増加しており、現金・預金が438億43百万円と前期末比で128億64百万円増加しています。これは顧客の預り金の増加により現金が増えたためです。また、投資有価証券も142億68百万円と35億8百万円増加しています。固定資産は191億83百万円となっています。
負債の部
負債の部は355億85百万円と、前期末から140億70百万円増加しています。主な要因は、預り金が233億26百万円と122億27百万円増加したことです。これは顧客の納税預り金などが増加したためです。その他の負債項目は安定しています。
純資産の部
純資産は481億92百万円と、前期末から21億5百万円増加しています。利益剰余金は299億15百万円、その他有価証券評価差額金が84億8百万円となっています。自己資本比率は57.31%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前年同期の1.3%から2.7%に、ROEも前年同期の5.2%から7.9%に上昇しています。事業の収益性と資本効率性が向上していることを示しています。営業収益と利益が伸びたことで、資産効率と株主資本利益率が改善されており、企業価値の向上につながっています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは165億63百万円の収入超過となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の計上と預り金の増加によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは32億71百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローは4億72百万円の支出超過となりました。全体として現金・預金が128億64百万円増加しており、財務体質が強化されています。
配当の支払額
丸三証券は、株主還元を重視しており、2023年6月期の年間配当金は32円、第3四半期の中間配当は1株当たり25円となっています。配当性向は118.5%と高い水準となっており、株主への利益還元が積極的に行われていることがわかります。
今後の展望
丸三証券は、株式市場の活況を背景に好業績を維持する見通しです。個人投資家の株式投資需要の高まりを捉え、情報提供や投資助言サービスを強化することで、手数料収入の拡大が期待されます。また、投資信託の販売強化や資産運用コンサルティングの充実など、顧客サービスの高度化にも注力しています。今後も収益力の向上と健全な財務基盤の維持を目指し、企業価値の一層の向上が見込まれます。
編集部のまとめ
丸三証券の2023年12月期第3四半期決算は、株式市場の活況を背景に大幅な増収増益となりました。手数料収入の伸びが顕著で、利益率も高水準を維持しています。財務体質も健全で、株主還元も積極的に行われていることから、株式市場における存在感を一層高めることが期待されます。今後も個人投資家向けサービスの拡充に注力し、収益力の向上と企業価値の向上を目指していくと考えられます。
丸三証券株式会社の決算日や配当についてまとめました。
丸三証券の決算期は3月期で、四半期決算は6月、9月、12月に行われています。配当については、年間32円、第3四半期の中間配当は1株当たり25円を実施しています。利益還元を重視し、高い配当性向を維持していることが特徴です。今後の業績拡大と企業価値向上が期待されます。