いちよし証券の決算報告を見ると、好調な業績が確認できます。株券等の取扱手数料が増加し、当期純利益は前年同期比で65.5%増と大幅な伸びを示しています。また、預り資産も増加傾向にあり、安定収益の確保に向けた取り組みが着実に成果を上げています。業績面では新型コロナの影響を乗り越え、堅調に推移しているといえるでしょう。
企業情報
企業名: いちよし証券株式会社
証券コード: 86240
決算期: 3月
いちよし証券株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
いちよし証券株式会社の決算日は3月31日です。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の年4回実施しています。
主な事業
いちよし証券は投資・金融サービス業を主な事業としています。証券会社としての基本業務である株式委託売買や債券・投資信託の販売のほか、自社のアセットマネジメント子会社を通じた資産運用サービスの提供など、幅広い金融サービスを展開しています。また、ファンドラップ商品などのストック型ビジネスにも注力しており、中長期的な資産形成ニーズにも応えています。
今期の業績と利益率は?
当期の純営業収益は134億78百万円と前年同期比で6.9%増加しています。経費の増加も抑えられ、営業利益は15億83百万円と59.0%の大幅な増益となりました。また、コストカバー率も58.2%と前年同期比で4.4ポイント改善しており、安定収益の拡大が進んでいます。
売上・利益の推移
直近3年間の業績を見ると、営業収益は2022年3月期の166億66百万円から2024年3月期第3四半期では135億4百万円と増加傾向にあります。また、経常利益についても2022年3月期の12億16百万円から2024年3月期第3四半期では16億28百万円と大幅な増加を果たしています。株式市場の好況を背景に、収益基盤が着実に強化されてきたことがわかります。
四半期連結貸借対照表について
いちよし証券の四半期連結貸借対照表を確認すると、資産合計が前期末比10.2%増の470億25百万円となっています。このうち現金・預金が68億3百万円増加し、21,977百万円となっているのが特徴的です。一方、負債は前期末比29.2%増の191億72百万円となっており、預り金が大幅に増加したことが要因です。
資産の部
資産の部では、現金・預金が大幅に増加したほか、信用取引資産も増加傾向にあります。一方、有価証券は減少しています。これらの変化から、流動性を重視しつつ、リスク資産への投資は抑制的な傾向にあることがうかがえます。
負債の部
負債の部では、預り金が大幅に増加しています。これは顧客からの預り金が増加したためと考えられます。一方、信用取引負債も増加しており、顧客の取引活発化が伺えます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が微増しているものの、自己株式が減少したことで株主資本は拡大しています。これにより自己資本比率は59.2%となっており、引き続き健全な財務基盤を維持できている状況です。
ROAとROE
ROAは前年同期比0.4ポイント上昇の2.4%、ROEは同1.1ポイント上昇の4.0%となっています。株式市場の好調を背景に売上・利益が増加したことで、資産効率や自己資本効率が改善したことがわかります。また、安定収益の拡大により収益性も高まりつつあるといえるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが大幅なプラスとなっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは小幅なマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローも配当金の支払いなどによりマイナスとなっています。全体としては、現金及び現金同等物が大幅に増加しており、財務体質の強化が進んでいることがわかります。
配当の支払額
当期は年間配当金として34円の支払いを予定しており、前期比で3円減少しています。一方で、配当性向は高水準の約52%となっており、株主還元に努めています。収益力の向上に合わせて、株主様への利益還元も着実に行われていると言えるでしょう。
今後の展望
いちよし証券は、ストック型ビジネスモデルの構築を目指しており、預り資産の拡大に注力しています。当期は預り資産2兆768億円と前期末比8.8%増と着実に成長しています。また、コストカバー率の改善にも着手しており、安定収益の確保に向けた取り組みが進展しています。今後も顧客本位のサービス提供と収益基盤の強化に努めていくと考えられます。
編集部のまとめ
いちよし証券の決算報告を見ると、株式市場の好況をにらみ、安定的な収益基盤の構築に着実に取り組んでいることがわかります。業績面では増収増益を続けており、預り資産の拡大やコストカバー率の改善など、「ストック型ビジネスモデル」の推進が成果を上げています。今後も顧客ニーズに応えながら、更なる収益力の向上に期待が高まります。
いちよし証券株式会社の決算日や配当についてまとめました。
いちよし証券の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。また、当期の年間配当金は34円を予定しており、前期比3円の減少ですが、配当性向は約52%と高水準を維持しています。今後も株主還元を意識しながら、収益力の向上に努めていくことが期待されます。