太平洋興発株式会社の2023年12月期第3四半期決算がアップされました。経営状況や業績、株価の動向などについて詳しく解説していきます。同社は主に不動産や商事、サービス事業などを手掛けており、安定的な経営基盤を築いている企業です。今期の業績は第3四半期累計で減収ながらも利益率は高水準を維持しています。今後の展望にも注目が集まりそうですね。
企業情報
企業名: 太平洋興発株式会社
証券コード: 8350
決算期: 2023年12月期第3四半期
太平洋興発株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
太平洋興発株式会社の決算は、3月31日が期末となっています。第3四半期決算は2023年12月31日が期末となります。通期の決算は2024年3月31日が期末で、5月頃に有価証券報告書を提出予定です。
主な事業
太平洋興発株式会社は、不動産事業、商事事業、サービス事業、建設工事事業、肥料事業の5つの事業セグメントを展開しています。不動産事業では賃貸ビルの運営、商事事業では輸入炭の販売、サービス事業では事務計算やシステム開発、建設工事事業では土木工事や建設工事、肥料事業では農業用肥料の製造販売などを行っています。多角的な事業展開で安定的な収益基盤を築いています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期累計の業績は、売上高311億42百万円と前年同期比18.3%減となりました。一方で、営業利益は8億99百万円と前年同期比37.4%減、経常利益は7億82百万円と45.2%減となり、利益面では減少しています。減収要因は主に商事セグメントの輸入炭販売数量の減少によるものです。利益率については、全体としては一定水準を維持しており、安定感のある業績といえます。
売上・利益の推移
過去3年間の実績を見ると、2022年3月期の業績は売上高510億16百万円、経常利益13億25百万円と好調でした。しかし、2023年3月期第3四半期累計では売上高381億3百万円、経常利益14億27百万円と減収ながら増益となっています。今期の第3四半期累計では、売上高が311億42百万円と減少したものの、経常利益は7億82百万円と高水準を維持しています。全体としては安定した業績推移が続いていると言えます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産483億25百万円で、前期末から26億39百万円増加しています。このうち、流動資産は203億49百万円と増加しており、現金や棚卸資産などが積み上がっています。一方、固定資産は279億75百万円と微減しています。負債は322億98百万円と増加しており、短期借入金が増えています。自己資本比率は32.3%と一定水準を維持しており、財務体質は健全な状況です。
資産の部
資産の部では、現金及び預金53億99百万円、受取手形・売掛金及び契約資産50億34百万円、商品及び製品83億12百万円などが主な内訳となっています。前期末から現金や棚卸資産が増加した一方で、有形固定資産は微減しています。流動性は高く、事業の継続性が確保されています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金39億7百万円、短期借入金113億96百万円などが主な内訳です。前期末から短期借入金が増加しています。こうした資金調達を行いながら、事業展開を進めている状況がうかがえます。
純資産の部
純資産は160億27百万円と増加しており、自己資本比率も32.3%と健全な水準を維持しています。利益剰余金が増加したことが主な要因です。株主資本の充実により、財務基盤は安定しています。
ROAとROE
2023年12月期第3四半期時点のROA(総資産利益率)は2.1%、ROE(自己資本利益率)は4.1%となっています。前年同期と比べるとROAは低下しましたが、ROEは改善しています。利益率は高水準を維持しつつ、株主資本効率も向上しているようです。今後の事業展開次第では、更なる収益性の改善が期待できるかもしれません。
キャッシュフロー
2023年12月期第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが14億円の収入超となっています。これは主に税金等調整前四半期純利益の計上などによるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが5億円の支出超、財務活動によるキャッシュ・フローが7億円の支出超となっており、設備投資や借入金の返済などが行われています。全体としては、安定したキャッシュ・フローが確保できている状況です。
配当の支払額
2023年6月の期末配当では1株当たり43円の配当を実施しています。前期の年間配当は76円でしたので、今期も健全な配当水準を維持していると見られます。株主還元に積極的な企業姿勢がうかがえます。
今後の展望
2024年3月期の通期業績予想については、売上高500億円、営業利益20億円を見込んでいます。経済環境の不確定要素はありますが、主力事業の競争力を維持しつつ、新規事業の育成にも注力していく方針です。特に不動産事業やサービス事業については、収益性の向上が期待できそうです。来期以降も安定成長を続けられるよう、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでいきたいと考えています。
編集部のまとめ
太平洋興発株式会社は、不動産事業、商事事業、サービス事業など、多岐にわたる事業ポートフォリオを持ち、安定的な収益基盤を築いている企業です。2023年12月期第3四半期の業績は減収傾向にあるものの、利益面では一定の水準を維持しており、ROAやROEなどの収益性指標も健全な水準を確保しています。今後の成長シナリオについても、新規事業の育成やポートフォリオ最適化に期待が寄せられます。株主還元面でも積極的な姿勢が窺えるなど、同社は中長期的に株主価値の向上を追求する企業と評価できそうです。
太平洋興発株式会社の決算日や配当についてまとめました。
太平洋興発株式会社の決算日は3月31日が期末となっており、第3四半期決算は12月31日が期末です。通期の決算は2024年3月期となります。配当については、2023年6月に1株当たり43円の期末配当を実施しています。株主還元に積極的な姿勢がうかがえ、今後も健全な水準の配当が期待できそうです。