株式会社アルデプロは、東京都新宿区を拠点とする不動産再活事業を中心に事業を展開している企業です。
この度、同社は2023年11月30日付で東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」の指定を受け、さらに2024年2月15日付で「監理銘柄(審査中)」に指定されるなど、上場廃止リスクもあるなかで業績や財務状況の改善が注目されています。
企業情報
企業名: 株式会社アルデプロ
証券コード: E04023
決算期: 7月31日
株式会社アルデプロの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社アルデプロの決算日は 7月31日 で、決算は年1回の年次決算になっています。
四半期決算も行っており、本レポートは 2023年8月1日から2024年1月31日 までの第2四半期連結決算の内容を分析したものです。
主な事業
株式会社アルデプロの主な事業は 不動産再活事業 と 不動産賃貸収益等事業 の2つです。
不動産再活事業では、首都圏や関西地区を中心に、権利調整案件や収益用不動産などの販売用不動産の売却や仕入を行っています。
一方の不動産賃貸収益等事業では、同社が保有する不動産物件の賃貸収入や手数料収入などを計上しています。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が23億12百万円、営業損失が19億13百万円、経常損失が22億38百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が37億6百万円となりました。
主な要因としては、不動産評価損の計上や調査委員会の調査費用等の計上があげられます。
売上・利益の推移
過去2期の売上高は、前期が205億96百万円、当期が23億12百万円と大幅に減少しています。
一方、利益面では、前期の経常利益が25億89百万円だったのに対し、当期は経常損失22億38百万円と大きく悪化しました。
これは主に不動産評価損や調査費用等の計上が影響しているものと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は 174億96百万円、負債合計は 129億33百万円、純資産は 45億62百万円 となっています。
前期末と比べると資産が減少し、負債も減少しています。また、純資産も減少しており、自己資本比率は26.1%となっています。
資産の部
資産の主な内訳は、現金及び預金が16億75百万円、販売用不動産が145億97百万円などとなっています。
前期末と比べると現金及び預金が減少し、販売用不動産が増加しています。
負債の部
負債の主な内訳は、短期借入金が3億50百万円、1年内返済予定の長期借入金が68億24百万円、長期借入金が48億77百万円などとなっています。
短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が増加し、長期借入金が減少しています。
純資産の部
純資産の主な内訳は、資本金が24億28百万円、利益剰余金が18億51百万円など。
利益剰余金が大幅に減少しており、自己資本比率は 26.1% となっています。
ROAとROE
ROAは前期が 10.0%、当期が ▲21.1% と悪化しています。
一方、ROEは前期が 22.0%、当期が ▲81.2% と大幅に減少しています。
これは当期の大幅な損失計上により、収益性と自己資本の効率性が大きく悪化したためと考えられます。
キャッシュフロー
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが48億64百万円の減少、投資活動によるキャッシュ・フローが48百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが26億60百万円の増加となっています。
営業活動によるキャッシュ・フローの減少は、主に税金等調整前四半期純損失の計上や棚卸資産が増加したことが要因です。
配当の支払額
当期の1株当たり配当金は 15円 となっており、前期の20円から減少しています。
これは大幅な損失計上を受けて、株主還元の抑制を図ったためと考えられます。
今後の展望
株式会社アルデプロは、2023年9月に発覚した不適切な会計処理問題を受けて、株式市場から「特設注意市場銘柄」指定を受け、さらに「監理銘柄(審査中)」にも指定されるなど、上場廃止リスクが高まっています。
今後は、内部管理体制の抜本的な改善や業績の回復が喫緊の課題となっており、早期の指定解除に向けた取り組みが注目されます。
編集部のまとめ
株式会社アルデプロは、不動産再活事業を中心に事業を展開してきた企業ですが、2023年9月に発覚した不適切な会計処理問題により、業績が大きく悪化し、上場廃止リスクにさらされています。
今後は、内部統制の強化や事業の立て直し、さらには上場維持に向けた取り組みが重要になってくるでしょう。株主や投資家の皆さんにとっては、同社の今後の動向を注視する必要がある決算となりました。
株式会社アルデプロの決算日や配当についてまとめました。
株式会社アルデプロの決算日は毎年7月31日で、年1回の決算を行っています。また、当期の1株当たり配当金は15円と、前期の20円から減少しています。
同社は上場廃止リスクに直面しており、今後の内部統制の強化や業績回復が重要課題となっています。