大宝運輸株式会社の決算報告書を分析しましたので、その概要をお伝えいたします。大宝運輸は名古屋を拠点とする物流企業で、主に貨物運送、倉庫事業を行っています。この度の第73期第3四半期の決算では、営業収益5,874百万円、経常利益224百万円と前年同期に比べて減収減益となりました。しかし、経費削減や新規顧客の受注などに取り組み、業績を維持できた良好な決算となっています。
企業情報
企業名: 大宝運輸株式会社
証券コード: 4217
決算期: 3月
大宝運輸株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大宝運輸株式会社の決算期は3月で、第3四半期の決算期間は2023年9月21日~2023年12月20日となっています。
主な事業
大宝運輸株式会社は、物流事業を中心に、貨物運送事業、倉庫事業、その他事業を展開しています。特に貨物運送事業が主力で、同社の売上高の約7割を占めています。全国各地に拠点を構え、顧客のニーズに合わせた最適な物流サービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、営業収益5,874百万円、経常利益224百万円と前年同期に比べて減収減益となりました。利益率は経常利益率3.8%となり、競争の激しい物流業界の中で、着実に利益を確保できている状況です。
売上・利益の推移
過去5年間の売上高と利益の推移を見ると、営業収益は6,000百万円前後で推移しています。利益面では、経常利益が200百万円前後と安定して推移していることがわかります。直近期においては、コストの上昇圧力がある中で、適切な価格改定などに取り組み、収支の改善に努めています。
四半期連結貸借対照表について
大宝運輸の財務状況を示す四半期連結貸借対照表をみると、資産合計は9,751百万円、負債合計は3,375百万円、純資産は6,375百万円となっています。着実に自己資本を積み上げ、自己資本比率は65.4%と高い水準を維持しており、財務基盤の強さが窺えます。
資産の部
資産の部では、有形固定資産5,560百万円が最も大きな割合を占めています。これは大宝運輸が物流拠点や車両などの固定資産に投資を行っていることを示しています。また、現金及び預金2,238百万円と手元流動性も確保されています。
負債の部
負債の部では、長期借入金1,934百万円が主な項目となっています。有利子負債は適切にコントロールされており、財務の健全性が確保されています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金4,066百万円と、着実に内部留保が積み上げられています。自己資本比率65.4%と高水準を維持しており、財務基盤の強さが窺えます。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は直近の決算期で2.3%、ROE(自己資本利益率)は2.7%となっています。業界平均と比べると低い水準にあるものの、継続的な利益確保と自己資本の着実な積み上げにより、徐々に改善傾向にあります。今後は更なる収益力の向上に向けた取り組みが期待されます。
キャッシュフロー
大宝運輸のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インが堅調に推移しており、投資活動によるキャッシュ・アウトとのバランスが取れています。このため、手元の現金及び預金が2,238百万円と良好な水準を維持しています。今後も、安定した収益力を背景に、財務体質の強化が期待されます。
配当の支払額
大宝運輸は株主還元として、年間配当金100円を実施しています。直近の第3四半期累計期間では、中間配当50円を支払っており、業績を反映した適切な配当水準を維持しています。今後も、株主還元と内部留保のバランスを取りながら、着実な配当を継続していくことが期待されます。
今後の展望
物流業界は人手不足や燃料費の上昇など、経営環境の厳しい状況が続いています。しかし、大宝運輸は顧客ニーズに合わせた最適な物流サービスの提供や、生産性向上に向けたDX投資など、持続的な成長に向けた取り組みを進めています。中期的には、収益性の向上と財務基盤の強化により、企業価値の向上を図っていくことが期待されます。
編集部のまとめ
大宝運輸は、名古屋を拠点とする老舗の物流企業です。当期の業績は減収減益となりましたが、収支の改善に向けて適切な価格改定などに取り組んでおり、着実に利益を確保できているのは評価できます。財務面でも自己資本比率が高く、堅実な経営が行われています。今後はDX投資などによる生産性向上にも期待が高まっています。
大宝運輸株式会社の決算日や配当についてまとめました。
大宝運輸株式会社の決算期は3月で、第3四半期の決算期間は2023年9月21日~2023年12月20日となっています。また、同社は株主還元として年間配当金100円を実施しており、直近の第3四半期累計期間では中間配当50円を支払っています。今後も、着実な配当を継続していくことが期待されます。