南海電気鉄道株式会社の四半期決算が発表されました。同社は大阪を中心に鉄道や不動産、流通など幅広い事業を展開する総合企業で、今回の決算では営業収益や利益が大きく増加したことが注目されます。特に不動産事業やレジャー・サービス事業の好調に支えられ、経常利益は前年同期比80.3%増加するなど、引き続き堅調な業績が確認できました。資産の部では有価証券の時価上昇により投資有価証券が増加し、負債の部では有利子負債が減少したことで、自己資本比率も前年度末比2.8ポイント上昇するなど、財務体質の強化も進んでいます。今後も同社の持続的な成長に期待が高まっています。
企業情報
企業名: 南海電気鉄道株式会社
証券コード: E04106
決算期: 2023年3月期
南海電気鉄道株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
南海電気鉄道株式会社の決算は、3月期となっています。今回発表された決算は2023年3月期第3四半期の業績で、決算日は2023年12月31日となっています。
主な事業
南海電気鉄道株式会社は、大阪を中心に鉄道事業をはじめ、不動産事業、流通事業、レジャー・サービス事業、建設事業などを幅広く展開する総合企業です。鉄道やバスなどの運輸事業のほか、ショッピングセンターの経営やビルメンテナンスなど、幅広い分野で事業を展開しています。特に不動産事業は同社の主力事業の一つで、マンション販売やリート投資法人への物件販売などが好調に推移しています。
今期の業績と利益率は?
今第3四半期の業績は、営業収益が前年同期比12.4%増の1,840億円、営業利益は前年同期比68.4%増の267億円と大幅な増収増益となりました。主な要因は、運輸事業における輸送人員の増加や不動産事業の売上高上昇などが挙げられます。また、経常利益は前年同期比80.3%増の256億円と大幅に改善し、利益率も高まっています。
売上・利益の推移
南海電気鉄道株式会社の最近3年間の業績をみると、営業収益は2022年3月期に前年比6.8%増の2,213億円まで回復し、今期第3四半期では前年同期比12.4%増の1,840億円と好調に推移しています。一方、利益面でも、営業利益は2022年3月期に前年比46.8%増の190億円と大幅に改善し、今期第3四半期では前年同期比68.4%増の267億円にまで回復しています。このように、同社の業績は着実に回復基調にあると評価できます。
四半期連結貸借対照表について
南海電気鉄道株式会社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産の部では前連結会計年度末比92億円減の9,259億円となっています。一方、負債の部は前連結会計年度末比331億円減の6,273億円と大幅に減少しています。これにより、純資産は前連結会計年度末比239億円増の2,986億円となり、自己資本比率も前年度末比2.8ポイント上昇の30.7%と財務体質が改善されています。
資産の部
資産の部では、保有株式の時価上昇により投資有価証券が増加したものの、減価償却の進捗や商品及び製品の減少により、全体としては前連結会計年度末比92億円減となっています。
負債の部
負債の部では、前受金の増加により流動負債その他が増加した一方で、有利子負債残高の減少により、前連結会計年度末比331億円減となっています。
純資産の部
純資産の部では、剰余金の配当による減少があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や株式の時価上昇によりその他有価証券評価差額金が増加したことで、前連結会計年度末比239億円増の2,986億円となっています。
ROAとROE
南海電気鉄道株式会社の収益性指標であるROA(総資産経常利益率)とROE(自己資本利益率)は、近年改善傾向にあります。ROAは2022年3月期の1.4%から第3四半期では2.8%に上昇し、ROEも同期間に5.3%から7.3%に上昇しています。これは、不動産事業や流通事業の好調などにより企業収益が改善し、財務体質の強化も進んでいるためと考えられます。今後も同社の収益力向上と財務基盤強化が期待されています。
キャッシュフロー
南海電気鉄道株式会社は、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に高水準を維持しており、これにより設備投資や借入金返済などにも活用できるキャッシュを生み出し続けています。過去3年間の推移をみても、営業CF、投資CF、財務CFともに概ね良好な水準を保っていることから、同社の財務基盤は健全であると評価できます。今後も安定したキャッシュ・フロー創出が期待されます。
配当の支払額
南海電気鉄道株式会社の配当金は、1株当たり四半期配当25円を年2回(中間配当、期末配当)支払っています。前第3四半期累計期間では2,833百万円の配当を支払い、当第3四半期累計期間でも同額の配当を実施しています。同社は長期的な安定配当を基本方針としており、今後も業績に応じた配当を維持していくことが期待されます。
今後の展望
南海電気鉄道株式会社は、「南海グループ経営ビジョン2027」のもと、安全・省エネ投資や成長投資を積極的に実行し、持続可能な企業経営を目指しています。特に不動産事業や流通事業などの非運輸事業の収益力強化に注力し、グループ全体の収益基盤の拡大を目指しています。また、財務健全性の維持も重要な課題としており、キャッシュ・フロー重視の経営を続けていく方針です。今後も同社グループの持続的な成長が期待できると考えられます。
編集部のまとめ
南海電気鉄道株式会社の第3四半期決算は、営業収益、営業利益、経常利益などが大幅に増加し、好業績が確認できました。特に不動産事業の好調や運輸事業の輸送人員増加が寄与し、収益性指標であるROAやROEも改善傾向にあります。また、財務体質も強化され、自己資本比率の上昇や有利子負債の削減がみられ、今後の持続的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
南海電気鉄道株式会社の決算日や配当についてまとめました。
南海電気鉄道株式会社の決算期は3月期で、今回発表された決算は2023年3月期第3四半期の業績です。同社は長期にわたる安定的な経営基盤の確保と財務体質の強化に努めつつ、収益のさらなる向上をはかることにより、1株当たり年間50円の安定配当を実施しています。今後も業績に応じた適切な水準の配当を維持していくことが期待されます。