山九株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告書を分析しました
財務状況は好調で、売上高は前年同期比3.4%減の4,219億円を計上
営業利益は9.2%減の270億円と減益ながらも高水準の収益力を維持しました。
企業情報
企業名: 山九株式会社
証券コード: 90650
決算期: 2023年12月期第3四半期
山九株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
山九株式会社の決算は3月期決算で、第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となります。第3四半期決算の四半期報告書は2024年2月14日に提出されています。
主な事業
山九株式会社は物流事業と機工事業を主軸に事業を展開しています。物流事業では、港湾作業やフォワーディング、3PL事業などを行っています。機工事業では、プラントの設計・建設・メンテナンスなどを手がけています。それ以外にも、情報システムやメカトロニクス関連の事業などにも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は？
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が4,219億円と前年同期比で3.4%減少しました。一方、営業利益は270億円と9.2%減益となりました。利益率は6.4%となり、依然として高水準の収益力を維持しています。
売上・利益の推移
山九株式会社の売上高は2022年3月期に5,792億円と過去最高を記録しましたが、2023年12月期第3四半期では4,219億円と減収になっています。営業利益も2022年3月期の294億円から2023年12月期第3四半期の270億円と減少傾向にあります。ただし、引き続き高い収益性を維持しており、強固な事業基盤が窺えます。
四半期連結貸借対照表について
山九株式会社の2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表は、総資産5,077億円、純資産2,767億円と、前期末比でそれぞれ5.4%、1.5%の増加となっています。自己資本比率は53.8%と高水準を維持しており、財務基盤は健全です。
資産の部
流動資産は2,699億円で前期末比7.7%増加しました。これは主に契約資産の増加によるものです。一方、固定資産は2,377億円で前期末比2.9%増加しました。投資有価証券の時価上昇などが主な要因です。
負債の部
流動負債は1,248億円で前期末比6.8%増加しました。これは主にコマーシャル・ペーパーの発行によるものです。固定負債は1,061億円で前期末比15.1%増加しました。長期借入金の増加が主な要因です。
純資産の部
純資産は2,767億円で前期末比1.5%増加しました。利益剰余金が増加したことや、為替換算調整勘定が改善したことが主な要因です。自己資本比率は53.8%と高水準を維持しています。
ROAとROE
山九株式会社のROA(総資産利益率)は2022年3月期に6.4%まで上昇しましたが、2023年12月期第3四半期では5.6%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は2022年3月期の11.3%から2023年12月期第3四半期の6.7%と低下しています。これは主に売上高や利益の一時的な減少によるものと考えられます。
キャッシュフロー
第3四半期連結キャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、総資産や純資産が増加していることから、営業活動によるキャッシュインフローが確保されていると推察できます。設備投資などによるキャッシュアウトフローもあるものの、全体としては良好な資金繰りを維持できているものと考えられます。
配当の支払額
山九株式会社は、2023年6月に1株当たり80円、2023年12月に84円の中間配当を実施しています。年間配当金は1株当たり164円となる見込みで、前期から大きく増加しています。株主還元に積極的に取り組んでいることがわかります。
今後の展望
世界経済の不確実性が高まる中、山九株式会社は物流事業と機工事業の2つの柱を強化し、さらなる収益力の向上に取り組んでいます。特に中国や東南アジアでの事業成長に期待がかかっています。海外売上比率の上昇や、設備投資の増加などが今後の業績拡大につながるものと期待されます。
編集部のまとめ
山九株式会社は、物流と機工事業を軸に事業を展開し、安定した収益力を誇る企業です。直近の業績は一時的な減収減益となりましたが、自己資本比率が高く財務基盤も健全です。また、株主還元にも力を入れており、配当性向70%前後を目指しています。今後は海外市場での事業拡大に期待がかかっており、中長期的な成長が期待できる企業だと評価できます。
山九株式会社の決算日や配当についてまとめました。
山九株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算の基準日は12月31日です。2023年12月期の年間配当は1株当たり164円を見込んでおり、株主還元に力を入れていることがわかります。今後の海外事業展開にも注目が集まっています。
