タカセ株式会社(証券コード:9070)の2023年3月期第3四半期決算が発表されました。営業収益は61億17百万円と前年同期比で11.3%減少していますが、利益率が高い分野の業務が好調で、経常利益は1億65百万円と前年同期比では44.6%減少したものの、引き続き安定した業績を維持しています。同社は物流を中心にさまざまな事業を手がけており、今後は医療機器分野への進出など、事業の幅を広げていくことが期待されます。
企業情報
企業名: タカセ株式会社
証券コード: E04354
決算期: 3月期
タカセ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
タカセ株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日に行われました。
主な事業
タカセ株式会社は、物流事業を中核とした総合サービス企業です。総合物流事業では、国内外の貨物の運送および保管、流通加工などを行っています。運送事業では、主に総合物流事業の一部門として自社便による貨物運送サービスを提供しています。流通加工事業では、倉庫内の物品検品、ラベル貼り付け、梱包などのサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の営業収益は61億17百万円と前年同期比で11.3%減少しました。一方で、営業利益は1億24百万円と前年同期比で45.8%減少しましたが、営業利益率は2.0%を確保しており、引き続き安定した収益性を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は89億4百万円(2022年3月期)、81億17百万円(当第3四半期)と減少傾向にありますが、利益率は高水準を維持しています。営業利益率は2020年3月期の3.3%から2.0%へ低下しましたが、依然として高い水準を保っています。今後は新規分野への事業展開により、収益の拡大が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は98億27百万円で、前連結会計年度末に比べ1億69百万円(1.7%)減少しています。負債は27億69百万円と前連結会計年度末に比べ3億36百万円(10.8%)減少し、純資産は70億57百万円と2.4%増加しています。
資産の部
流動資産は32億1百万円で前連結会計年度末に比べ1億45百万円減少し、固定資産は66億25百万円で前連結会計年度末に比べ24百万円減少しています。有形固定資産が75百万円減少したことが主な要因です。
負債の部
流動負債は14億30百万円と前連結会計年度末に比べ1億16百万円減少し、固定負債は13億39百万円と前連結会計年度末に比べ2億20百万円減少しています。長期借入金が2億61百万円減少したことが主な要因です。
純資産の部
純資産は70億57百万円と前連結会計年度末に比べ1億66百万円増加しています。親会社株主に帰属する四半期純利益が1億21百万円計上され、為替換算調整勘定が67百万円増加したことが主な要因です。
ROAとROE
自己資本当期純利益率(ROE)は2.2%と高い水準を維持しています。一方で総資産当期純利益率(ROA)は1.2%と前期から低下しています。これは主に営業収益の減少により経常利益が前年同期比で44.6%減少したことが影響しています。今後は新規事業の拡大などにより、収益性の改善が望まれます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュフロー情報は開示されていませんが、前期は営業活動によるキャッシュフローが3億90百万円の収入、投資活動によるキャッシュフローが1億85百万円の支出、財務活動によるキャッシュフローが1億13百万円の支出となっており、全体としては1億92百万円の収入超過となっています。今後の設備投資や借入金返済などの動向に注目が必要です。
配当の支払額
2023年6月の定時株主総会において、1株当たり70円の配当が決議されました。この配当金は前期と同額で、配当性向は24.9%となっています。安定配当を維持しつつ、今後の事業拡大に向けて内部留保の積み増しにも注力していくことが期待されます。
今後の展望
タカセ株式会社は、医療機器分野の新規業務受託に注力するなど、事業の幅を広げていく方針です。物流業界では人手不足が深刻化する中、同社は自動化機器の導入など生産性向上に取り組んでおり、コスト上昇への対策も進めています。今後も品質第一のサービスを維持しながら、新分野への進出と業務効率化を両立させ、企業価値の向上を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
タカセ株式会社は物流を中心に安定した収益を上げている企業です。足元では営業収益が減少傾向にあるものの、経常利益率は高水準を保っている点が特徴的です。今後は新規事業の拡大や業務効率化などに取り組み、持続的な成長を目指していくことが期待されます。同社は配当金を安定的に支払っており、株主還元にも力を入れているのも注目ポイントです。
タカセ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
タカセ株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日に行われました。2023年6月の定時株主総会で1株当たり70円の配当が決議され、前期と同額の配当を維持しています。配当性向は24.9%と健全な水準を保っており、株主還元にも注力している企業だと言えるでしょう。