玉井商船株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告書が公開されました。同社は外航海運業や内航海運業などを手がける総合海運会社で、今期の業績は高水準を維持しています。業績を下支えしているのは、中国政府の経済振興策により需要が回復したドライバルク船市況の改善です。今後も、安全運航とサービスの提供に注力し、積極的な事業展開を図っていくと見られます。
企業情報
企業名: 玉井商船株式会社
証券コード: 91270
決算期: 2024年3月期
玉井商船株式会社の決算日・決算時期(スケジュール）は？
2023年12月31日が第3四半期会計期間の最終日になります。同社の決算は3月決算で、第4四半期決算は2024年2月13日に公表される予定です。
主な事業
玉井商船株式会社は、海運業を主な事業としています。具体的には外航海運業と内航海運業を手がけており、北米や南米への穀物輸送や水酸化アルミの輸送、さらにはスラグの輸送などを行っています。また、不動産賃貸業にも取り組んでいます。同社は幅広い海上輸送ニーズに対応し、安全運航と顧客サービス提供に努めています。
今期の業績と利益率は？
2023年12月期第3四半期の業績は、営業収益5,034百万円、営業利益687百万円、経常利益747百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益509百万円と、いずれも前年同期比で減少しています。しかし、経常利益率は14.9%と高水準を維持しており、高い収益力を示しています。
売上・利益の推移
近年の同社の売上高と利益の推移をみると、2023年3月期には営業収益7,307百万円、経常利益1,185百万円と、過去最高の業績を達成しました。今期も引き続き高水準の収益が見込まれています。ドライバルク船市況の改善を背景に、外航海運業が同社の主力事業として安定した収益を生み出しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末の同社の財政状態は、総資産11,494百万円、負債4,404百万円、純資産7,090百万円となっています。前期末からの増減としては、総資産は444百万円増加、負債は13百万円減少、純資産は457百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が2,116百万円と前期末から584百万円増加しているほか、建設仮勘定が1,055百万円と大幅に増加しています。一方、船舶は5,594百万円と減少しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が2,385百万円と前期末から261百万円増加しています。一方で、短期借入金や契約負債が減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が5,521百万円と前期末から355百万円増加しており、自己資本比率は60.3%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は6.5%、ROE(自己資本当期純利益率)は7.2%となっています。両指標とも高水準を維持しており、資産効率と収益性の高さが窺えます。今後もドライバルク船市況の回復に伴い、収益力の向上が期待されます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,166百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが608百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが43百万円の支出となりました。全体として584百万円の増加となり、手元流動性が高まっています。
配当の支払額
同社は、2023年6月に1株当たり80円の期末配当を実施しました。また、2023年12月期第2四半期までの累計で1株当たり80円の中間配当を支払っています。株主還元を重視する同社の姿勢が伺えます。
今後の展望
同社は、引き続き安全運航と顧客サービスの提供に全社を挙げて取り組むとともに、北米や南米向けの輸送、また中国の経済振興策によるドライバルク需要の回復を捉えた新規契約の獲得に努めていきます。今後も、積極的な事業展開により、高収益体質の維持・向上を図っていくものと期待されます。
編集部のまとめ
玉井商船は海運事業に強みを持つ企業で、ドライバルク船市況の回復に伴い高収益を維持しています。今期の業績は若干減少しましたが、依然として高水準の収益性を誇っています。今後も安全運航とサービス提供に注力し、市況変動に柔軟に対応した事業展開を期待できそうです。株主還元も積極的に行っており、同社株式はなお魅力的な投資対象と言えるでしょう。
玉井商船株式会社の決算日や配当についてまとめました。
玉井商船株式会社は3月決算の企業で、2023年12月期第3四半期決算は2023年2月13日に公表されました。同社は高配当企業としても知られ、2023年3月期の期末配当は1株当たり80円、中間配当も1株当たり80円と、1年間で合計160円の配当を実施しています。今後も安定配当を維持していくと見られ、同社株式は配当利回りが魅力的な投資対象といえるでしょう。
