企業の歴史と成長
マツモトキヨシ株式会社は、1932年に松本清によって千葉県松戸市小金で「松本薬舗」として創業されました。個人経営の薬局からスタートした同社は、1954年に有限会社マツモトキヨシ薬店として法人化され、1975年に現在の株式会社マツモトキヨシへと改組されました。当時の保有店舗数は72店舗でした。
創業から現在まで、マツモトキヨシは日本のドラッグストア業界における重要な企業へと成長してきました。1999年8月には東証第一部市場に新規上場し、上場企業としての地位を確立しています。この上場は、同社の事業規模の拡大と経営基盤の強化を象徴する重要なマイルストーンとなりました。
事業内容と事業展開
マツモトキヨシの主要事業はドラッグストア事業であり、売上高の9割以上を占めています。同社は医薬品と化粧品を軸とした商品展開を行い、セルフメディケーションをサポートする事業モデルを構築しています。また、調剤薬局事業も重要な事業の一つであり、地域に密着したかかりつけ薬局としての機能を果たしています。
事業展開の多様化も進められており、2005年8月からはドラッグストアのフランチャイズ展開を開始しました。2006年3月には駅構内向けの新型店舗を開店し、2010年7月にはコンビニエンスストアとの共同開発店舗を出店するなど、様々な業態での展開を試みています。
かつては事業の多角化として、1976年にはスーパーマーケット事業への進出、1978年にはコンビニエンスストア事業への進出、1988年にはホームセンター事業への進出も行いました。これらの経験を通じて、同社は小売業における様々なノウハウを蓄積してきました。
店舗ネットワークと地域展開
マツモトキヨシは全国規模の店舗ネットワークを構築しています。2020年3月末時点で、46都道府県に1,717店舗を展開していました。その後、2020年6月の和歌山県内への初出店により、日本全国47都道府県へのグループネットワークを確立しました。
特に関東・東海・関西の3大都市圏でのエリアドミナント化を推進し、市場シェアの拡大を図っています。地域に密着した店舗展開戦略により、各地域における強固な事業基盤を築いています。
現在、マツキヨココカラ&カンパニーグループ全体では、業界トップクラスの約3,400店舗を展開しており、全国を網羅する強固な店舗ネットワークを有しています。
国際展開と海外事業
マツモトキヨシは国内事業だけでなく、海外事業への展開も積極的に進めています。中華人民共和国では越境電子商取引(EC)事業を展開し、タイ王国と台湾では「マツモトキヨシ」ブランドの店舗展開を行っています。これらの海外事業は順調に拡大しており、企業の成長戦略における重要な要素となっています。
さらに、ベトナム社会主義共和国への初出店も計画されており、アジア地域での事業拡大を継続的に進める方針が示されています。
企業規模と組織体制
マツモトキヨシの企業規模は相当なものです。2025年3月期時点で、マツキヨココカラ&カンパニーとしての従業員数は27,575名に達しています。また、マツモトキヨシ単体では16,770名の従業員を有しており、そのうち男性が5,180名、女性が11,725名となっています。
本社は千葉県松戸市新松戸東9番地1に所在し、資本金は220億5,100万円となっています。同社は複数の子会社や関連会社を傘下に置く企業グループの中核企業として機能しており、グループ全体の経営を統括しています。
グループ構成と経営統合
マツモトキヨシは、複数の企業から構成されるグループの中心的存在です。2007年にはマツモトキヨシホールディングスが設立され、グループの経営理念として「1st for you. あなたにとっての、いちばんへ。」を掲げています。
2021年10月1日には、株式会社ココカラファインとの経営統合により、商号をマツキヨココカラ&カンパニーに変更しました。この経営統合により、2つのドラッグストアブランドが統合され、より大規模で競争力のあるグループが誕生しました。
グループは連結子会社12社、非連結子会社2社、関連会社2社、フランチャイズ加盟企業17社により構成されており(2020年3月末時点)、ドラッグストア・保険調剤薬局等のチェーン展開を行う小売事業を核に、卸売事業や管理サポート事業も展開しています。
経営戦略とデジタル化
マツモトキヨシは、データ分析に基づいた先進的な事業展開を推進しています。同社は1.5億件超の顧客データを保有しており、これを活用した先進的なデジタルマーケティング戦略を展開しています。
「認知から購買」に至るまでの消費行動をデータとして解析することで、小売業界で先進的なマーケティング活動を実施しています。市場ニーズに対応したヘルス&ビューティーの専門性を高めた業態の展開や、消費行動の多様化に対応したデジタルマーケティング戦略が推進されています。
同社は「ヘルス&ビューティー分野での先進的なデジタルマーケティングカンパニー」を目指しており、マツキヨココカラ&カンパニーの中核企業として、グループを主導する事業展開を行っています。
プライベートブランド(PB)商品の開発
マツモトキヨシは、マツキヨPB商品の開発に力を入れています。これらのプライベートブランド商品は、顧客ニーズを反映した商品開発を実現し、ブランド力の強化に貢献しています。
PB商品の開発には、グループのノウハウが活かされており、品質と価値のバランスを取った商品ラインアップが提供されています。
人材育成と専門性の強化
マツモトキヨシは、医薬品と化粧品を軸とした専門人材の育成に注力しています。セルフメディケーションをサポートするための知識と技能を備えた人材の育成が、事業の質的向上につながると考えられています。
調剤薬局事業においても、地域に密着したかかりつけ薬局としての機能を果たすために、専門的な知識を持つ薬剤師や医療スタッフの育成が重視されています。
地域社会への貢献
マツモトキヨシは、地域に密着した店舗展開を通じて、地域社会への貢献を実現しています。全国を網羅する強固な店舗ネットワークを基盤として、エリアドミナント戦略により地域社会に深く貢献しています。
各地域における店舗は、単なる商品販売の場所ではなく、地域住民の健康と美容をサポートする拠点として機能しています。
事業基盤の強化
マツモトキヨシは、グループのノウハウを活かした地域密着戦略により、強固な事業基盤を築いています。複数の企業から構成されるグループ体制により、経営資源の効率的な活用と事業の相乗効果が実現されています。
卸売事業や管理サポート事業も展開することで、グループ全体の事業効率を高め、競争力の強化を図っています。
まとめ
マツモトキヨシ株式会社は、1932年の創業から現在まで、日本のドラッグストア業界における重要な企業として成長してきました。ドラッグストア事業を中心とした事業展開、全国規模の店舗ネットワーク、海外事業への展開、データ分析に基づいたデジタルマーケティング戦略など、多角的な経営戦略により、企業価値の向上と継続的な成長を実現しています。2021年の経営統合により、マツキヨココカラ&カンパニーとして新たなステージに進んだ同社は、ヘルス&ビューティー分野での先進的なマーケティングカンパニーを目指し、グループ全体で約3,400店舗を展開する業界トップクラスの企業グループとなっています。
マツモトキヨシの歴史と成長戦略:全国展開と海外進出をまとめました
マツモトキヨシは、長年にわたる事業経験と蓄積されたノウハウを活かし、ドラッグストア・調剤薬局事業を中心に、全国で約3,400店舗を展開する大規模な企業グループです。地域に密着した店舗展開戦略、先進的なデジタルマーケティング、プライベートブランド商品の開発など、様々な取り組みを通じて、顧客の健康と美容をサポートする企業として、継続的な成長と企業価値の向上を目指しています。














