ANAホールディングス株式会社の2023年度第3四半期決算が発表されました。全体としては好調な業績を維持しており、航空事業を中心に増収増益となりました。コロナ禍からの需要回復が続いていることがうかがえます。
企業情報
企業名: ANAホールディングス株式会社
証券コード: 92020
決算期: 3月31日
ANAホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ANAホールディングス株式会社の決算期は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日が期末となっています。
主な事業
ANAホールディングス株式会社は、航空・航空関連事業を中核としつつ、旅行事業、商社事業など、多角的な事業を展開しています。特に国際線・国内線の航空旅客輸送と航空貨物輸送が主力事業となっています。その他にも空港関連の施設管理やビジネスサポート事業なども手がけています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、前年同期と比べて大幅な増収増益となりました。売上高は1兆5,435億円(前年同期比22.6%増)、営業利益は2,101億円(同112.3%増)、経常利益は2,071億円(同124.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,489億円(同137.9%増)と、いずれの利益指標も大幅な増加となっています。
売上・利益の推移
ANAホールディングスの売上高と各利益指標は、コロナ禍の影響で2020年度に大幅な減収減益となりましたが、その後は回復基調にあります。当第3四半期では、航空事業を中心に伸長し、過去最高レベルの業績を達成しています。今後も需要回復が続けば、通期でも過去最高の業績を更新できる可能性があります。
四半期連結貸借対照表について
ANAホールディングスの2023年12月末時点の連結貸借対照表は、資産の部が3兆4,850億円、負債の部が2兆4,636億円、純資産の部は1兆214億円となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が6,641億円と前期末から約600億円増加しています。一方で、航空機や建設仮勘定などの有形固定資産も大きな構成比を占めています。
負債の部
負債の部では、借入金が前期末から約800億円減少して1兆5,299億円となっており、有利子負債の削減が進んでいます。
純資産の部
純資産の部は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、前期末から1,510億円増加して1兆214億円となっています。自己資本比率も29.1%と前期末から3.4ポイント改善しています。
ROAとROE
ANAホールディングスのROA(総資産経常利益率)とROE(自己資本利益率)は、コロナ禍の影響で大幅に低下していましたが、業績の回復に伴い着実に改善してきています。当第3四半期では、ROAが5.9%、ROEが14.6%と高水準となっています。今後も収益力の向上とともに、これらの指標も更に改善していくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インが1,780億円と大幅な黒字となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・アウトが804億円と支出が増えています。この結果、フリー・キャッシュ・フローは975億円のプラスとなっており、財務の健全性が維持されています。
配当の支払額
ANAホールディングスは当第3四半期においても無配となっています。コロナ禍の影響から業績が回復傾向にあるものの、まだ配当実施には至っていません。今後の業績推移を見ながら、配当再開に向けた検討が進められると考えられます。
今後の展望
ANAホールディングスは、航空需要の回復を背景に業績を大きく伸ばしています。ただし、一部機材の不具合による減便などの課題もあるものの、コストマネジメントの徹底により、大幅な増益を確保できています。今後は、さらなる環境対策の強化や新規事業の開発など、持続可能な成長につなげていくことが期待されます。
編集部のまとめ
ANAホールディングスは、コロナ禍からの需要回復により、この第3四半期決算で過去最高の業績を達成しました。航空事業を中心とした増収増益基調は続いており、財務体質の改善も進んでいます。今後も環境対策や新規事業への取り組みを強化し、持続可能な成長を目指していくことが期待されます。
ANAホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ANAホールディングス株式会社の決算期は3月31日で、第3四半期決算は2023年12月31日が期末となっています。当第3四半期の業績は大幅な増収増益となったものの、配当については当期も無配が続いています。今後の業績推移次第で、配当再開に向けた検討が進められると考えられます。