マイクロ波化学株式会社の最新の決算報告書が公開されました。マイクロ波化学は、従来の化学製造プロセスを「マイクロ波」に置き換えることで、省エネルギー・高効率・コンパクト化を実現する環境対応型の技術プロバイダーです。今期も新規案件の獲得と、既存開発案件の着実な進捗により好調な業績を収めることができました。
企業情報
企業名: マイクロ波化学株式会社
証券コード: 92270
決算期: 3月31日
マイクロ波化学株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
マイクロ波化学株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は毎年2月9日前後に公表されます。
主な事業
マイクロ波化学株式会社は、革新的なマイクロ波技術を活用した化学製造プロセスの開発を手掛けています。従来の「熱と圧力」を使った重厚長大な製造プロセスを、電気由来の「マイクロ波」に置き換えることで、省エネルギー・高効率・コンパクト化を実現します。主な対象分野は化学品、医薬品、炭素素材、電子材料などです。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の業績は、売上高1,270,877千円と前年同期比で113.6%の大幅増収を達成しました。一方で、研究開発投資を積極的に行った影響などから、営業損失45,559千円、四半期純損失73,319千円と損失計上となりました。利益率はまだ課題が残るものの、売上高の伸びは順調に推移しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2023年3月期に1,215,353千円まで増加し、当第3四半期累計期間では1,270,877千円とさらに伸びています。一方で、利益面では2023年3月期に経常利益26,078千円を計上したものの、当第3四半期累計期間は経常損失47,593千円と損失計上となりました。今後の収益性の改善に期待が集まっています。
四半期連結貸借対照表について
マイクロ波化学の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産2,745,580千円、負債1,045,231千円、純資産1,700,349千円となっています。前期末と比べると、売掛金や仕掛品が増加し、現金預金が減少したものの、全体としては健全な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金741,447千円、売掛金432,407千円、仕掛品75,987千円などが主な内訳です。前期末から331,819千円減少しており、現金の減少が目立ちます。
負債の部
負債の部では、買掛金21,027千円、長期借入金210,000千円などが主な内訳です。前期末から326,123千円減少しており、借入金の返済が進んでいることがわかります。
純資産の部
純資産の部では、資本金2,834,871千円、利益剰余金-1,670,933千円となっています。前期末から5,696千円減少しており、四半期純損失の計上により利益剰余金が減少しています。
ROAとROE
マイクロ波化学のROA(総資産経常利益率)は、前期は0.8%でしたが、当第3四半期累計期間は-1.7%と悪化しています。同様に、ROE(自己資本当期純利益率)も前期の4.4%から、当第3四半期累計期間は-4.3%と低下しています。収益性の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
マイクロ波化学のキャッシュフローは、前期は営業活動により312,707千円のキャッシュ・イン、投資活動により-323,326千円のキャッシュ・アウトとなっており、全体としては-10,619千円のキャッシュ減少でした。当第3四半期累計期間の状況は公表されていませんが、売上増加を背景に運転資金需要が高まっているものと推察されます。
配当の支払額
マイクロ波化学は、現時点で配当の実績はありません。創業以来、研究開発投資と事業拡大に集中してきたため、配当の実施には至っていません。今後、収益力の向上と財務基盤の強化を図ることで、株主還元の実現に向けて取り組んでいくことが期待されます。
今後の展望
マイクロ波化学は、「カーボンニュートラル」への貢献を経営の重要課題と位置付けており、環境負荷の小さな製造プロセスの開発に注力しています。足元では、既存の化学プロセスをマイクロ波化する共同開発プロジェクトが順調に進捗しており、今後の事業拡大が期待できます。また、新規案件の獲得も着実に進んでおり、中長期的な成長性も高いと評価されています。
編集部のまとめ
マイクロ波化学株式会社は、環境への配慮を経営の軸に据えた技術革新企業です。化学産業のグリーン化に貢献する同社の取り組みは、社会的要請に応えるものとして高い注目を集めています。足元では収益性の改善が課題となっていますが、今後の事業展開次第では業績の向上が期待できると考えられます。同社の動向に注目していきたいと思います。
マイクロ波化学株式会社の決算日や配当についてまとめました。
マイクロ波化学株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は毎年2月9日前後に公表されます。同社は現時点で配当の実績はありませんが、今後の収益力向上と財務基盤の強化により、株主還元の実現が期待されます。