株式会社リンコーコーポレーションの2023年12月期第3四半期決算報告書が公開されました。同社は、新潟港の港湾関連事業を中心に運営している企業です。今回の決算では、海上コンテナ運賃の下落や新型コロナウイルス感染症の影響などにより、一部の部門で減収となりましたが、ホテル事業部門では回復基調が続いています。財務状況も安定しており、配当も増額されています。今後は物流需要の回復や新規事業への取り組みなどにより、さらなる業績向上が期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社リンコーコーポレーション
証券コード: E04326
決算期: 3月期
株式会社リンコーコーポレーションの決算日・決算時期(スケジュール)は?
同社の決算日は3月31日で、通期決算の発表は通常6月中旬頃、第3四半期決算の発表は2月中旬頃となっています。
主な事業
運輸部門では、新潟港における港湾運送事業やフォワーディング事業などを手掛けています。不動産部門では、不動産の賃貸・管理業務を行っています。ホテル事業部門では、新潟市内にホテルを運営しており、最近では需要の回復が見られます。このほか、関連事業部門では、建設機械の整備や木材リサイクルなども行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は99億65百万円、営業利益は1億78百万円、経常利益は3億13百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億96百万円となりました。売上高は前年同期比で2.2%減少しましたが、固定資産の売却益などにより、利益面では減益となったものの、健全な水準を維持しています。
売上・利益の推移
同社の売上高は、過去3年間ではおおむね130億~140億円台で推移しています。一方、経常利益は4億~5億円程度で推移しており、安定した収益力を示しています。また、親会社株主に帰属する当期純利益も6億~7億円程度と好調な業績を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産の部では381億85百万円となっています。負債の部は206億84百万円で、自己資本比率は45.8%と財務状況は健全です。
資産の部
資産の部では、流動資産が43億34百万円、固定資産が338億40百万円となっています。特に、投資有価証券が49億69百万円と大きな割合を占めています。
負債の部
負債の部では、流動負債が66億52百万円、固定負債が140億31百万円となっています。有利子負債の残高は67億80百万円と、総資産に対する割合は低い水準を維持しています。
純資産の部
純資産の部は175億1百万円で、自己資本比率は45.8%となっています。利益剰余金が28億16百万円と堅調に積み上がっているほか、その他有価証券評価差額金も23億44百万円と大きな数値となっています。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は直近の3月期で1.2%、ROE(自己資本当期純利益率)は4.3%となっています。ROAはやや低い水準にありますが、ROEは良好な水準を維持しています。今後は、資産効率の向上やさらなる収益力の強化に取り組むことで、両指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
同社の直近3年間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが毎期5億円~10億円程度の黒字を計上しています。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローは支出超過となっていますが、財務活動によるキャッシュ・フローでは有利子負債の返済などにより、全体としては堅調なキャッシュ・フローが維持されています。
配当の支払額
同社は、株主への利益還元として、安定的な配当政策を実施しています。直近の2023年3月期の年間配当金は30円と、前期から10円増加しており、配当性向は11.8%となっています。今後も、業績に応じた継続的な増配が期待されます。
今後の展望
同社は、運輸部門の港湾関連事業や不動産事業、ホテル事業の強化に加え、新たな成長分野の開拓にも取り組んでいます。特にホテル事業では、インバウンド需要の回復も期待されることから、収益の柱として期待されています。また、SDGsへの対応や新規事業の開発にも積極的に取り組み、持続的な成長を目指しています。
編集部のまとめ
株式会社リンコーコーポレーションは、新潟港を中心とした物流事業を主力とする一方で、不動産事業やホテル事業など、多角的な事業展開を行っています。今回の決算では、一部部門で減収となったものの、全体としては健全な業績を維持しており、財務状況も安定しています。今後は、ホテル事業の需要回復や新規事業への取り組みなどにより、さらなる成長が期待されます。
株式会社リンコーコーポレーションの決算日や配当についてまとめました。
同社の決算期は3月期で、毎年6月中旬頃に通期決算を、2月中旬頃に第3四半期決算を発表しています。また、同社は、安定的な株主還元に力を入れており、最近では配当金の増額も行っています。今後も、業績に応じた利益還元が期待されます。