この度、物流・通関サービスを手掛けるトレーディア株式会社(証券コード:93650)の第3四半期連結決算報告がありました。グローバルな取引に強みを持つ当社は、国内景気の回復に伴い外食やサービス消費の復調を受け、徐々に業績も改善傾向にあることが分かりました。しかし、物価高騰による個人消費の低迷や在庫調整の影響で取扱量が前年を下回ったほか、国際物流の運賃下落も収益を圧迫しており、今後の経営環境に注視が必要です。
企業情報
企業名: トレーディア株式会社
証券コード: 93650
決算期: 3月
トレーディア株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
トレーディア株式会社は、3月期の企業です。第3四半期連結決算の期間は2023年4月1日~2023年12月31日となっています。
主な事業
トレーディア株式会社は、港湾運送事業を中核事業としており、主に輸出入通関、貨物の保管・荷役、国際物流などを手掛けています。国内外のネットワークを活かし、幅広い顧客のニーズに対応したサービスを提供しています。また、海上・航空・陸上の各輸送モードを組み合わせた総合物流サービスや、保税・通関の付帯サービスにも強みを発揮しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の営業収入は114億32百万円と、前年同期比で27.2%の減収となりました。これは、国際部門での運賃下落や、輸出入取扱量の減少が影響したためです。しかし、収益性は比較的良好で、営業利益は1億65百万円、経常利益は3億22百万円と、前年同期比でも黒字を確保しています。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移をみると、2022年3月期に大幅な減収減益となりましたが、2023年3月期は売上・利益ともに回復基調にあります。第3四半期では、運賃下落などの影響で再度減益となりましたが、中長期的には国内外での物流需要の回復に期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は100億37百万円で、前期末比3.8%減少しました。流動資産は39億81百万円、固定資産は60億55百万円となっています。一方、負債合計は59億35百万円で、前期末比12.1%減少しました。有利子負債が減少し、自己資本比率は40.9%まで高まっています。
資産の部
流動資産の主な内訳は、現金及び預金15億15百万円、受取手形・売掛金14億55百万円、立替金9億30百万円など。固定資産では、投資有価証券16億79百万円が大半を占めています。
負債の部
流動負債は39億27百万円で、主に短期借入金22億66百万円、支払手形・営業未払金11億29百万円などが含まれます。固定負債は20億7百万円で、長期借入金17億3百万円が大半を占めています。
純資産の部
純資産は41億1百万円と、前期末比12.1%増加しました。利益剰余金26億81百万円やその他有価証券評価差額金5億78百万円が主な内訳です。自己資本比率は40.9%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROAは前期3.6%から当期3.2%に低下したものの、ROEは前期9.9%から当期7.3%とまずまずの水準を維持しています。これは、在庫調整の影響による収益性の悪化があったものの、自己資本比率の改善が下支えしていると推察されます。今後は、さらなる収益力の回復に向けた取り組みに期待が高まっています。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは3億31百万円のプラス。投資活動によるキャッシュ・フローは1億31百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは1億27百万円のマイナスとなっています。全体としては1億57百万円の増加となり、手元流動性は改善傾向にあります。
配当の支払額
トレーディア株式会社は年2回、期末と中間配当を行っています。当期の中間配当は1株当たり50円で、前期と同額の水準を維持しています。安定配当を重視する同社の姿勢が伺えます。
今後の展望
今後の市場環境については、物価高や金融引き締め、地政学リスクなど不透明要因が残るものの、徐々に国内外の経済活動の正常化が進むとみられています。同社は、顧客ニーズに柔軟に対応しつつ、自社倉庫の取扱量拡大やコストダウンにも取り組み、収益力の回復に向けて努力していく方針です。引き続き、グローバル物流のリーディングカンパニーとしての地位を確立していくことが期待されています。
編集部のまとめ
トレーディア株式会社は、物流業界のマーケットリーダーの1社として、国内外の景気動向に左右されやすい事業特性を持っています。当期は、物価高や在庫調整の影響で収益性が一時的に低下したものの、持続的な成長に向けた取り組みを着実に進めています。今後の業績改善に加え、安定配当の継続など、株主還元の強化にも注目が集まるところです。
トレーディア株式会社の決算日や配当についてまとめました。
トレーディア株式会社は3月期決算の企業で、第3四半期決算(2023年4月1日~2023年12月31日)の内容をご紹介しました。同社は年2回の配当(期末と中間)を行っており、当期の中間配当は1株当たり50円と、前期と同額の水準を維持しています。今後の業績や株主還元に期待がかかっているといえます。