株式会社学研ホールディングス(証券コード:94700)の2024年3月期第2四半期決算は、前年同期比で大幅な増収増益となりました。医療・福祉分野と教育分野の伸びが好調で、新規子会社の連結化やコスト管理の効果も重なった結果です。この調子で通期業績も順調な推移が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社学研ホールディングス
証券コード: 94700
決算期: 9月
株式会社学研ホールディングスの決算日・決算時期(スケジュール)は?
9月が決算期で、四半期決算は1月、4月、7月、10月に発表されます。次回の決算発表は、2024年5月10日の予定です。
主な事業
株式会社学研ホールディングスは、教育・医療・福祉の3つの分野で事業を展開しています。教育分野では塾・教室運営や教科書・児童書の出版、医療・福祉分野ではサービス付き高齢者住宅やグループホームの運営などに取り組んでいます。また、物流事業やデジタル関連事業など、その他の分野にも事業領域を広げています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高が935億円と前年同期比15.2%増、営業利益51億円と59.4%増と大幅な増収増益となりました。医療・福祉分野と教育分野が好調に推移したほか、前期に連結子会社となった企業の寄与も大きかったです。営業利益率は5.5%と、前年同期の4.0%から大きく改善しています。
売上・利益の推移
過去3年の実績を見ると、売上高は増加基調にあり、2022年9月期は811億円、2023年9月期は863億円と順調に伸びています。利益面でも、経常利益は2022年9月期53億円、2023年9月期55億円と堅調に推移しており、医療・福祉分野と教育分野のパフォーマンスが好調なことが窺えます。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月末の総資産は1,393億円と前期末比30億円増加しています。特に固定資産の増加が目立ち、無形固定資産が増加したことがその要因です。一方、負債は846億円と前期末比34億円増加し、自己資本比率は37.5%となりました。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が228億円と前期末比29億円増加したほか、受取手形及び売掛金が289億円と大きく増加しています。これらが資産全体の増加に寄与しました。
負債の部
負債の部では、短期借入金が54億円と前期末比15億円減少しましたが、長期借入金が211億円と前期末比21億円増加しています。この結果、有利子負債が増加しました。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が186億円と前期末比12億円増加しましたが、自己株式の取得により株主資本が減少しています。この結果、自己資本比率は37.5%となりました。
ROAとROE
ROAは前年度の4.2%から現在4.7%と改善、ROEは前年度の10.7%から11.0%と上昇しています。これは主に、教育分野と医療・福祉分野の業績が好調だったことによる収益性の改善が影響しています。今後も持続的な利益成長が期待できれば、ROAとROEはさらに上昇していくものと見られます。
キャッシュフロー
当第2四半期の営業キャッシュフローは15億円の増加となり、前年同期の1億7千万円の減少から大きく好転しました。これは、税金等調整前四半期純利益の増加や売上債権の増加などによるものです。一方、投資キャッシュフローは39億円の増加となり、前年同期の11億2千万円の減少から大幅に改善しています。この結果、フリーキャッシュフローは54億円の増加となりました。
配当の支払額
2024年3月期の中間配当は、1株あたり12.50円の配当を予定しています。前期の年間配当金は25円でしたので、今期も前期並みの水準で配当を維持する方針ということがわかります。株主還元にも積極的に取り組んでいる様子が伺えます。
今後の展望
中期経営計画「Gakken2025」で掲げた目標の達成に向けて、引き続き教育分野と医療・福祉分野の強化に注力していく方針です。新型コロナ後の教育ニーズの変化や人口動態の変化などに対応したサービス開発を進め、持続的な成長を実現していく考えです。また、デジタル化への投資も継続し、グループ全体のDX化を推進していきます。
編集部のまとめ
株式会社学研ホールディングスは、教育と医療・福祉の二大事業が伸長し、業績に大きく寄与している様子が確認できました。コスト管理の効果もあり、利益率も改善しており、中期経営計画の目標達成に向けて着実に歩みを進めていると言えるでしょう。今後も成長と効率化に取り組み、持続的な企業価値の向上を目指していくことが期待されます。
株式会社学研ホールディングスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社学研ホールディングスの決算日は9月で、四半期決算は1月、4月、7月、10月に発表されます。次回の決算発表は2024年5月10日の予定です。また、2024年3月期の中間配当は1株あたり12.50円を予定しており、前期並みの水準を維持する方針です。