株式会社文溪堂の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は前年同期比1.2%増の108億円台、経常利益も前年同期比2.1%増の19億円と、着実な業績拡大が確認できました。教育関連の出版・教具事業を手がける文溪堂は、教育現場のニーズにきめ細かく対応した商品開発で成長を続けています。今後の成長戦略に期待が高まります。
企業情報
企業名: 株式会社文溪堂
証券コード: E00709
決算期: 3月31日
株式会社文溪堂の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社文溪堂は3月31日を決算日としており、通常4月初旬に決算発表を行います。その後、6月下旬の定時株主総会で決算承認を得ることになっています。
主な事業
株式会社文溪堂は、主に小・中学校向けの教科書や教材、教具の企画・開発・販売を行う出版事業と教具事業を展開しています。学習指導要領の改訂に合わせた教材や、デジタル教材の開発など、教育現場のニーズに合わせた製品を提供しています。また、家庭科教材を中心とした教具事業も強みとしています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高が108億円台、経常利益は19億円と、前年同期比で増収増益となりました。営業利益率は17.8%と高い水準を維持しており、付加価値の高い製品開発力が高評価を得ていることがうかがえます。
売上・利益の推移
過去3年の業績をみると、売上高は12.7億円から10.8億円台で推移しています。一方、経常利益は11.3億円から19.7億円と着実に増加しており、付加価値の高い製品の提供により収益性が改善されてきました。今後も教育現場のニーズにきめ細かく対応した製品開発で、更なる業績拡大が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表では、総資産が196億円、純資産が154億円となっています。自己資本比率は78.3%と高い水準を維持しており、財務体質の健全性が確認できます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が69億円、受取手形及び売掛金が19億円となっています。また、商品及び製品が24億円、仕掛品が9億円となっており、教材の製造・販売体制が整っていることがわかります。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が7億円、電子記録債務が10億円となっており、商品の仕入れや製造に必要な資金調達が適切に行われています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が117億円と大きな水準になっており、継続的な利益計上により内部留保が積み上がっていることがわかります。この財務基盤の強さが、今後の事業展開を支えるものと思われます。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は8.8%、ROE(自己資本利益率)は9.0%となっています。これらの指標は業界水準を上回る高い水準を維持しており、効率的な資産運用と高収益体質が確認できます。今後も教育現場のニーズに的確に対応した製品展開で、収益性の向上が期待できるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは12億円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは4億円のマイナスとなっており、設備投資や新商品開発などに取り組んでいることがわかります。財務活動では6億円のマイナスとなっていますが、これは配当金の支払いによるものです。全体として、健全な資金繰りが維持できていると評価できます。
配当の支払額
2023年12月期の1株当たり配当金は年間51.40円(中間配当20.10円、期末配当31.30円)となる見込みです。前期比では0.80円増加しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。今後も安定的な配当を維持していく方針のようです。
今後の展望
文溪堂は教育現場のニーズに合わせた製品開発を進めており、デジタル教材の拡充やICT支援システムの開発など、教育の未来を見据えた取り組みも注目されます。また、中長期的な成長に向けて、新規事業の開拓や海外展開の可能性など、さらなる飛躍が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社文溪堂は、小中学校向けの教育関連製品を中心とした事業を展開しています。今回の2023年12月期第3四半期決算では、売上高、営業利益ともに前年同期比で増加と、着実な業績拡大が確認できました。デジタル化の進展やカリキュラム改訂など、教育現場の変化に柔軟に対応した製品開発が評価されていると言えます。今後も教育分野のリーディングカンパニーとして、さらなる成長が期待できそうです。
株式会社文溪堂の決算日や配当についてまとめました。
株式会社文溪堂は3月31日を決算日としており、通常4月初旬に決算発表を行い、6月下旬の定時株主総会で決算承認を得ます。2023年12月期の1株当たり配当金は年間51.40円(中間配当20.10円、期末配当31.30円)となる見込みです。前期比では0.80円増加しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。