株式会社ゼンリンの最新の決算報告書を分析しました。同社は地図情報サービスなどを手がけるIT企業で、好調なCAR NAVIゲーション用データの販売などを背景に、売上高が前年同期比4.5%増の42,013百万円と好調な業績を維持しています。
企業情報
企業名: 株式会社ゼンリン
証券コード: 94740
決算期: 2023年3月31日
株式会社ゼンリンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ゼンリンの決算日は3月31日です。決算短信は4月下旬に、有価証券報告書は6月中旬に提出されます。毎年6月に株主総会が開催され、配当の決定などが行われます。
主な事業
株式会社ゼンリンは、地理情報システム(GIS)技術を駆使して、地図データの収集・加工・配信などの事業を展開しています。主力のプロダクト事業では、企業向けの地図データ提供やカーナビゲーション用データの販売などを手掛けています。また、公共ソリューション事業では、自治体向けの各種システム構築などにも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が42,013百万円と前年同期比4.5%の増収となりました。一方で、地図データベース整備費用などの増加により、経常損失は1,097百万円の赤字となりました。この赤字幅は前年同期比で約4.5億円の悪化となっています。
売上・利益の推移
直近の売上高は好調に推移しています。特にオートモーティブ事業の売上が11,501百万円と大幅増となったことが特徴的です。一方で、利益面では地図データ整備費用の先行計上などから、経常損失が発生しています。通期の業績予想は厳しい状況となっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は71,201百万円と前期末比1.5%の増加となっています。投資有価証券の時価評価が進み、同資産が大きく増加した影響が見られます。一方、負債は24,270百万円と0.4%増加にとどまっています。純資産は46,931百万円と2.1%の増加となり、自己資本比率は65.8%と健全な水準を維持しています。
資産の部
流動資産は主に現金及び預金や受取手形・売掛金の減少により、24,711百万円と前期末比13.7%の減少となっています。一方、固定資産は投資有価証券の時価上昇などから46,490百万円と13.9%増加しています。
負債の部
流動負債は主に買掛金の減少により、20,728百万円と前期末比3.5%の減少となっています。固定負債は長期借入金の増加などから3,542百万円と31.6%の増加となっています。
純資産の部
純資産は46,931百万円と前期末比2.1%の増加となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加によるものです。自己資本比率は65.8%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROAは前年度末の10.4%から当第3四半期会計期間末では9.3%に低下しています。これは資産が増加したものの利益が減少したことが影響しています。一方、ROEは前年度末の12.1%から、当第3四半期会計期間末では8.8%と低下しています。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により、自己資本が減少したためです。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については、四半期報告書に記載がありません。そのため、営業活動によるキャッシュ・フローや投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローの具体的な数値は確認できませんでした。
配当の支払額
株式会社ゼンリンは、年2回の配当を実施しています。当第3四半期連結累計期間においては、1株当たり13.5円の配当を2回、合計27円の配当を実施しました。配当性向は−%となっています。
今後の展望
同社は中長期的な成長に向けて、地図データベースの精度向上やAI・IoT技術の活用などに引き続き投資を行う方針です。一方で、経営環境の悪化による費用増加の影響も大きく、通期業績予想は厳しい状況が続くと見られます。今後の更なる収益基盤の強化と経営効率化が課題といえるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社ゼンリンは、地図情報サービスを中心とした事業を展開する日本を代表するIT企業の1社です。自動車関連市場の好調な需要を背景に、当第3四半期は増収を達成しました。一方で地図データベース整備費用の増加などから経常損失を計上する厳しい状況となっています。今後の更なる成長には、収益力の向上と経営効率化に一層の取り組みが必要と考えられます。
株式会社ゼンリンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ゼンリンの決算日は3月31日で、6月に株主総会が開催されています。直近の配当は1株当たり13.5円を年2回、合計27円の配当を実施しました。同社は地図情報サービスを中心とした事業を展開しており、CAR NAVIゲーション用データの販売などが好調でしたが、経常損失を計上する結果となっています。今後の更なる収益力向上に期待が寄せられます。