北海道電力株式会社の四半期決算報告書が公開されました。当期は前年同期に比べ大幅な増収増益となり、業績好調が確認できました。売上高は前年同期比9.9%増の6,855億円、経常利益は前年同期の31億円の損失から737億円の大幅な利益に転換しました。こうした好業績は、燃料価格や卸電力市場価格の低下、電気料金の見直しなどによる収支の改善が大きく寄与した結果です。
企業情報
企業名: 北海道電力株式会社
証券コード: 95090
決算期: 第100期第3四半期
北海道電力株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
北海道電力株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期の決算発表は2024年2月13日に行われています。
主な事業
北海道電力株式会社は、北海道地域を中心に電力の供給事業を展開しています。主な事業は、発電・小売電気事業を行う「北海道電力」、一般送配電事業を行う「北海道電力ネットワーク」、その他建設や情報通信などの事業会社から構成されています。自社の水力・火力・原子力発電所から安定的な電力供給を行うとともに、再生可能エネルギーの導入にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当期の業績は大幅な増収増益となりました。売上高は前年同期比9.9%増の6,855億円、経常利益も同753億円の大幅な増益となりました。利益率も改善しており、経常利益率は前年同期の△5.1%から10.8%に上昇しています。これは電気料金の見直しや燃料費調整制度の影響などが収支の好転に寄与した結果です。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比9.9%増の6,855億円と大幅増収となりました。特に北海道電力セグメントの増収が大きく、前年同期比13.6%増の6,175億円となっています。一方、北海道電力ネットワークセグメントは、卸電力市場価格の低下の影響もあり、11.6%減の2,266億円となっています。利益面では、経常利益が前年同期の31億円の損失から737億円の黒字に転換しました。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、2兆1,141億円となり、前期末比208億円増加しました。固定資産仮勘定の増加などにより資産が増加しています。一方、負債合計は前期末比338億円減少の1兆8,014億円となっており、有利子負債が減少したことが主な要因です。純資産合計は前期末比547億円増加の3,127億円となり、自己資本比率は14.2%まで改善しています。
資産の部
総資産は2兆1,141億円となり、固定資産の範疇では、電気事業固定資産が1兆7,266億円、固定資産仮勘定が2,117億円となっています。電気事業固定資産は減価償却の進行により減少しましたが、新設投資により固定資産仮勘定が増加した結果、全体としては増加しています。
負債の部
負債合計は1兆8,014億円で、前期末比338億円減少しています。有利子負債が減少したことが主な要因となっています。固定負債は7,985億円、流動負債は1,028億円となっています。
純資産の部
純資産合計は3,127億円で、前期末比547億円増加しています。この主な要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によるものです。自己資本比率は14.2%まで改善しました。
ROAとROE
ROAは前年同期の△1.5%から当期3.5%に、ROEも前年同期の△8.1%から当期20.2%とそれぞれ大幅に改善しています。これは、経常利益が大幅に増益となったことが主な要因です。今後も安定した収益を確保できれば、ROA、ROEの更なる向上が期待できると考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については記載されていませんが、減価償却費は54,815百万円と開示されており、設備投資に充当されたと考えられます。また、有利子負債の減少により、財務活動によるキャッシュ・フローも改善している可能性があります。
配当の支払額
2023年10月26日開催の取締役会において、普通株式の中間配当金を1株当たり5円、B種優先株式の中間配当金を1株当たり4,560,164円と決議しています。これらの配当金の総額は3,172百万円となっています。業績が好調な中、株主還元を充実させていることが確認できます。
今後の展望
北海道電力は、今後も安定的な電力供給と収益力の強化に向けて取り組んでいく方針です。特に原子力発電所の再稼働に向けた取り組みや、再生可能エネルギーの積極的な導入などが重要な課題となっています。このように、経営の効率化と収益基盤の強化を推進し、持続可能な経営基盤の構築に努めていくと考えられます。
編集部のまとめ
北海道電力の第3四半期決算は、大幅な増収増益となりました。電気料金の見直しや燃料費調整制度の影響などが収支の好転に寄与し、経常利益率は10.8%まで改善しています。設備投資も積極的に行っており、長期的な競争力強化にも取り組んでいます。さらに、株主還元の充実にも注力しており、中間配当の増額を行っています。今後も安定収益の確保と経営基盤の強化に期待が高まります。
北海道電力株式会社の決算日や配当についてまとめました。
北海道電力株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期の決算は2024年2月13日に発表されました。当期の業績は大幅な増収増益となり、経常利益も737億円と前年同期から大幅に改善しています。株主への還元としては、1株当たり5円の中間配当を実施しており、業績好調を反映した配当の増額が行われています。今後も経営の効率化と収益基盤の強化に注力し、持続可能な成長を目指していくものと期待されます。