大阪瓦斯株式会社の2023年4月から12月までの第3四半期決算報告書が公開されました。売上高は前年同期比低下したものの、経常利益は大きく増加するなど、好調な業績を維持できている様子です。今回の決算内容を分析してみましょう。
企業情報
企業名: 大阪瓦斯株式会社
証券コード: E04520
決算期: 2023年3月期
大阪瓦斯株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大阪瓦斯株式会社の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。今回の報告は第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の決算内容になります。
主な事業
大阪瓦斯株式会社は、都市ガスの供給を中核とする国内エネルギー事業のほか、海外エネルギー事業やライフ&ビジネスソリューション事業など、多角化を進めている企業です。国内では上下水道事業やエネルギーソリューションなども展開しており、事業領域を幅広く展開しています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の売上高は1兆5,101億円と前年同期比で863億円減少しました。一方で経常利益は1,745億円と大幅な増加となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も1,264億円と前年同期比で1,278億円の増加となりました。
売上・利益の推移
売上高は原料価格の下落などにより減少傾向にあるものの、経常利益は大幅に増加しています。これは原料価格変動のタイムラグ効果による一時的な収益改善や、前期の業績悪化要因の反動によるものと見られます。今後原料価格の変動が販売価格に反映されれば収益は落ち着いてくると予想されます。
四半期連結貸借対照表について
大阪瓦斯の総資産は3兆884億円と前期末から2,688億円増加しています。これは社債の発行や固定資産の増加が主な要因となっています。一方で負債は1兆4,699億円と675億円増加し、純資産は1兆6,184億円と2,012億円増加しています。
資産の部
資産の部では現金及び預金が153,328百万円と大幅に増加しています。これは社債の発行などによる手元流動性の確保が進んでいるためです。また、有形固定資産も1,324,527百万円と増加しており、事業への投資が活発に行われていることがうかがえます。
負債の部
負債の部では社債が460,019百万円と増加しており、長期的な資金調達が進んでいることが分かります。また、買掛金等の流動負債も増加しており、事業の規模拡大に伴う運転資金需要の高まりがうかがえます。
純資産の部
純資産の部では利益剰余金が1,110,799百万円と大幅に増加しています。これは好調な業績により内部留保が積み上がっていることを示しています。また、その他の包括利益累計額も342,544百万円と大幅に増加しており、為替変動などによる評価益も大きな貢献をしています。
ROAとROE
大阪瓦斯のROAは前期末の4.9%から5.7%へと改善し、ROEも前期末の10.4%から11.0%へと上昇しています。収益性と資本効率性がともに向上しており、事業の収益力向上とともに、投資の効率化が進んでいるものと考えられます。
キャッシュフロー
キャッシュフローについては四半期連結キャッシュフロー計算書が開示されていないため、詳細は不明ですが、手元流動性が大幅に増強されていることから、営業活動によるキャッシュインフローが増加していると推測できます。事業投資やM&Aなどへの資金活用が期待されます。
配当の支払額
大阪瓦斯は年2回の配当を行っており、今期第3四半期では中間配当で1株32.5円を支払っています。前期との比較では1株2.5円増配となっており、業績回復を反映した配当方針といえます。株主還元に積極的な企業姿勢が窺えます。
今後の展望
大阪瓦斯は再生可能エネルギーや水素などの新事業分野への取り組みを強化しており、新たな収益源の確保に注力しています。また、海外事業の収益力向上や、国内エネルギー事業の効率化にも取り組むことで、持続的な成長を目指しています。今後の業績動向に注目が集まります。
編集部のまとめ
大阪瓦斯の第3四半期決算は、売上高は減少したものの、経常利益や当期純利益が大幅に増加するなど、全体としては好調な業績を示しています。特に、収益力の向上と資本効率の改善が顕著であり、経営基盤の強化が進んでいることが分かりました。今後は再生可能エネルギーや水素など、新事業分野への取り組みにも期待が高まっています。株主還元にも積極的な姿勢が窺え、総合的に見て、大阪瓦斯は中長期の成長が期待できる企業だと評価できるでしょう。
大阪瓦斯株式会社の決算日や配当についてまとめました。
大阪瓦斯の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。業績は好調で、経常利益や当期純利益が大幅に増加しています。また、中間配当は1株32.5円と前期から2.5円増配となり、株主還元にも力を入れています。今後さらなる成長が期待できる企業といえるでしょう。