松竹株式会社の2024年3月期第1四半期決算が発表されました。映画やミュージカル、不動産など幅広い事業を展開している同社は、売上高が前年同期比16.0%減の19,483百万円となりました。コロナ禍の影響から徐々に回復しつつあるものの、依然として先行きの不透明な状況が続いています。その一方で、不動産事業は好調に推移しており、今後の収益改善にも期待がかかっています。決算内容をみていきましょう。
企業情報
企業名: 松竹株式会社
証券コード: E04582
決算期: 2月
松竹株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
松竹株式会社は2月が決算期となっており、毎年3月に第4四半期決算、5月に期末決算を行っています。今回発表されたのは2024年3月期第1四半期(2024年3月1日~2024年5月31日)の決算となります。
主な事業
松竹株式会社は、映画やミュージカル、不動産など多様な事業を手掛けている総合エンターテインメント企業です。映画配給や興行、テレビ制作、ミュージカルの上演、不動産賃貸など、幅広いビジネスを展開しています。近年はeスポーツやオンラインゲームなどの新規事業にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は売上高が19,483百万円(前年同期比16.0%減)、営業利益は346百万円(同85.6%減)、経常利益は4百万円(同99.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は88百万円となりました。コロナ禍の影響が残るものの、映画作品の好調や不動産事業の安定収益により、一定の利益を確保することができました。
売上・利益の推移
近年の売上高は2022年2月期に85,428百万円、2023年2月期は85,428百万円と、ほぼ横ばいで推移しています。一方、経常利益は2022年2月期の2,866百万円から2023年2月期は2,866百万円と減少傾向にあります。コロナ禍の影響で映画やミュージカルの公演が制限されていた影響が大きいと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
当第1四半期末の総資産は210,971百万円で、前連結会計年度末に比べ169百万円減少しています。負債は116,293百万円と381百万円減少しました。純資産は94,678百万円と212百万円増加しました。自己資本比率は44.83%で、財務体質は健全に維持されています。
資産の部
当第1四半期末の資産は、現金及び預金が17,468百万円と前期末より2,727百万円減少しています。一方で、投資有価証券が47,648百万円と大幅に増加しています。不動産事業の物件取得など、積極的な設備投資が行われているようです。
負債の部
負債は、短期借入金が5,421百万円と前期末より550百万円増加しました。一方で、1年内返済予定の長期借入金が16,066百万円と2,905百万円減少しています。
純資産の部
純資産は、利益剰余金が15,676百万円と前期末より502百万円減少しています。一方で、その他有価証券評価差額金が17,452百万円と大幅に増加しており、資産管理の適正化が進んでいると言えます。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の8.34%から0.02%と大幅に低下しています。一方でROE(自己資本利益率)も前年同期の17.92%から△0.93%と大幅に悪化しています。この背景には、コロナ禍の影響で映画やミュージカルなどの収益が減少したことが挙げられます。今後は映画やミュージカルの回復と不動産事業の安定収益により、収益性の改善が期待されます。
キャッシュフロー
当第1四半期のキャッシュ・フローの状況は開示されていません。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローや投資活動によるキャッシュ・フローが悪化していると推測されるため、資金繰りの管理には注意が必要です。今後の成長投資や財務体質の強化に向けては、キャッシュ・フローの改善が重要な課題となってきそうです。
配当の支払額
松竹株式会社は、2024年5月に1株当たり30円の期末配当を実施しています。前期の年間配当金は60円で、配当性向は27.3%となっています。株主還元の水準は概ね良好な水準を維持しており、今後も安定的な配当の継続が期待できます。
今後の展望
松竹株式会社は、映画やミュージカル、不動産など事業ポートフォリオが多様であり、コロナ禍の影響を受けつつも、不動産事業の好調などにより、一定の収益を確保できています。今後は、映画やミュージカルなどのエンターテインメント事業の回復に加え、新規事業の強化による収益基盤の拡大に期待がかかっています。また、財務体質の強化にも注力し、持続可能な成長を目指していくことが重要だと考えられます。
編集部のまとめ
松竹株式会社の2024年3月期第1四半期決算は、コロナ禍の影響が続く中、一定の収益を確保できている点が評価できます。特に不動産事業の好調が、全体の業績を下支えしています。一方で映画やミュージカルなどのエンターテインメント事業の回復が課題となっています。今後は新規事業の強化による収益基盤の拡大と財務体質の強化が重要になってくると考えられます。引き続き同社の動向に注目していきましょう。
松竹株式会社の決算日や配当についてまとめました。
松竹株式会社は毎年2月が決算期となっており、3月に第4四半期決算、5月に期末決算を行っています。また、2024年5月には1株当たり30円の期末配当を実施しました。同社は映画やミュージカル、不動産など多様な事業を手掛けており、コロナ禍の影響を受けつつも、不動産事業の好調により一定の収益を確保できています。今後は新規事業の強化と財務基盤の強化が課題となっていくでしょう。