皆さん、こんにちは。今日は東宝株式会社の決算報告書をみながら、同社の業績や財務状況について解説していきたいと思います。
企業情報
企業名: 東宝株式会社
証券コード: 96020
決算期: 2024年2月期第3四半期決算
東宝株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東宝株式会社の決算日は2月28日です。第3四半期の決算期間は2023年3月1日から2023年11月30日までとなっています。
主な事業
東宝株式会社は、映画、演劇、不動産の3つの柱を中心事業としています。映画事業では映画の製作・配給や映画館の運営、演劇事業では有名作品のミュージカル化や演劇作品の上演、不動産事業では賃貸やビルメンテナンスなどを行っています。多角的な事業展開を行っているのが特徴です。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収入が2,031億円と前年同期比13.0%増加しました。営業利益は416億円で前年同期比16.0%増加、経常利益は441億円で前年同期比8.0%増加しました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は284億円で前年同期比4.7%増加しています。増収増益となり、全体的に堅調な業績を記録しているといえます。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、新型コロナの影響で2020年度は大きく落ち込みましたが、2021年度以降は着実に回復してきています。2023年度第3四半期は売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも過去最高を記録しており、着実な業績拡大が続いていることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
東宝の四半期連結貸借対照表を見ると、資産総額が5,646億円と前期末から306億円増加しています。これは現金及び預金や有価証券、投資有価証券の増加などによるものです。一方、負債は1,104億円と前期末から0.1%増加にとどまっており、財務体質の健全性が維持されていることがわかります。
資産の部
現金及び預金が1,019億円、有価証券が541億円、投資有価証券が1,234億円となっており、流動性が高く、安定した財務基盤を持っていることがうかがえます。また、土地が855億円と大きな資産となっています。
負債の部
借入金が410億円と大きな負債項目ですが、全体の負債比率は低く抑えられています。また、資産の大部分が自己資金で賄われており、健全な財務状況だと言えるでしょう。
純資産の部
純資産は4,542億円と前期末から306億円増加しています。利益剰余金の積み上げや、その他有価証券評価差額金の増加などによります。自己資本比率は77.8%と高水準を維持しており、財務の健全性が高いことがわかります。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は7.8%、ROE(自己資本利益率)は7.6%と、ともに高い水準を維持しています。資産効率が良く、株主価値の向上にも寄与していることがわかります。業界内でも高い水準の収益性を誇っていると言えるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは293億円の収入となっています。投資活動によるキャッシュ・フローは291億円の支出で、主に有価証券の取得によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは110億円の支出で、主に配当金の支払いによるものです。全体としてキャッシュポジションは健全に維持されていると言えます。
配当の支払額
2023年5月には1株当たり40円の期末配当を実施し、9月には20円の中間配当を行っています。通期の配当予想は1株当たり60円と、前期から10円増配となる見込みです。高い収益力を背景に、株主還元も厚めに行っているといえるでしょう。
今後の展望
新型コロナの影響も徐々に和らぎ、映画・演劇事業を中心に業績が回復傾向にあります。また、不動産事業でも保有資産の有効活用などにより安定収益を確保しています。今後もコンテンツ事業の強化と不動産事業の成長に注力し、さらなる企業価値向上を目指す方針です。
編集部のまとめ
東宝株式会社は、映画、演劇、不動産の3つの柱を中心に事業を展開し、安定した収益を上げている企業です。当期の業績は過去最高を記録し、財務体質も健全で、株主還元にも積極的に取り組んでいることがわかりました。今後も、コンテンツ力の強化と不動産事業の成長により、さらなる飛躍が期待できる企業だといえるでしょう。
東宝株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東宝株式会社の決算日は2月28日で、第3四半期決算の対象期間は2023年3月1日から2023年11月30日までとなっています。配当については、2023年5月に1株当たり40円の期末配当を実施し、9月には20円の中間配当を行っています。通期の配当予想は1株当たり60円と、前期から10円増配となる見込みです。財務体質が健全で、株主還元にも積極的なことがわかりました。